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次の本の第4章に時間生物学についての解説が載っていました。
本全体の書評がうまくまとまらないので、当該部分だけを要約しておきます。
秋岡 眞樹 編著 『太陽からの光と風 意外と知らない?太陽と地球の関係』 技術評論社 知りたい!サイエンス 2007年12月発行 本体価格¥1,580(税込¥1,659)
http://gihyo.jp/book/2008/978-4-7741-3298-3
「第4章 太陽と生体リズム」
執筆者は大塚邦明さん。
大塚さんは、東京女子医大内科教授で日本時間生物学会理事です。
ググるとご著書が高血圧関係と時間医学関係を中心に13冊ヒットしましたが、本書はその中に入っていません。
この章では、ミネソタ大学のハルバーグ教授により確立された時間生物学(その後発展して時間医学となる)が紹介されます。
太陽光がまったく差さない部屋で生活しても、ヒトの身体は一昼夜(地球の自転)とほぼ同じリズムを示します。
これをサーカディアンリズムといい、ヒトのような昼行性動物では約25時間と24時間より1時間長くなりますが、ラットのような夜行性動物では約23時間と逆に1時間短くなります。
サーカはラテン語の "circa" で「約、概ね」、ディアンは同じく "dian" で「1日」を意味します。
身体の中でサーカディアンリズムを作り出している機構を生体時計といいます。生体時計の中枢(ペースメーカ)は、昆虫では視葉、鳥類では松果体、ヒトを始めとする哺乳類では脳の視床下部に位置する一対の視交叉上核にあります。
ただ、体中の細胞にも生体時計は認められ(末梢時計)、視交叉上核を頂点とする階層的構造が考えられています。
生体時計は生体内の化学変化の周期を利用してリズムを作っています。
>ヒトの場合、生体時計を構成する時計細胞の核内にある Clock、B-mal1、Per1、Per2、Cry1、Cry2 と呼ばれる6つの時計遺伝子が時計機構の主たる役割を担っています。
Clock と B-mal1 が対をなし、時計遺伝子(Per1、Per2、Cry1、Cry2)から時計タンパク(PER1、PER2、CRY1、CRY2)への転写を促進します。
そして合成された時計タンパクが、その転写を抑制するという負のフィードバックの連鎖から、約24時間周期の振動が作られています。
生体時計が時計であるための必要条件として次の3つが挙げられます。
1.自動的に時を刻むこと
2.環境(特に温度)に左右されずリズムが安定であること
3.時刻のずれを調整できること
ヒトを始めとする地球上の動物は少なくとも次の4つの時計をもっていると考えられます。
A.置時計型で、サーカディアンリズムを刻む生体時計
B.砂時計型で、数分あるいは数時間という時間の経過を予測する
C.四季を計る時計。日照の変化に反応(光周性)
D.寿命の時計
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