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アイスストームを観た。ブロークバックマウンテンでオスカーの監督賞を受賞したアンリーの作品。アンリーの映画は、中華系の俳優で撮られた父親三部作の推手、ウエディングバンケット、恋人たちの食卓やグリーンデスティニーは観て好きでしたが、アメリカの俳優たちを使った作品は観ていませんでした。しかし、ブロークバックマウンテンがあまりにも良かったので、アイスストームも観てみることにしました。 1970年代(ニクソンのウォーターゲート事件の頃)のコネティカット州郊外に住むフッド家とカーパー家を舞台に話はすすんでいきます。両家の配役は、 (フッド家) 父 ベン・フッド…… ケビン・クライン 母 エレナ……ジョアン・アレン 兄 ポール……トビー・マグァイア 妹 ウェンディ……クリスティーナ・リッチ (カーヴァー家) 父 ジム・カーヴァー……ジェミー・シェリダン 母 ジェイニー…… シガーニー・ウィーバー 兄 マイキー……イライジャ・ウッド 弟 サンディ……アダム・ハン=バード どちらも裕福な中産階級で、お互いにホームパーティーを開いて友人を呼び合ったりと、交流しています。フッド家の長男ポールは名門校の寄宿舎に入っていて、感謝祭に久し振りに家族の待つ家に帰ってくるのでした。父母の様子を妹に聞く兄。楽観的な父に神経質な母は、ますます夫婦間に溝が出来ている模様。実は、父は隣家のカーヴァー家の母ジェイニーと不倫関係を続けていました。ドライな関係と割り切って付き合っていましたが、妻に感づかれたよう。妻は精神的に不安定に陥り、そしてそれを相談した愛人には冷たくされてしまいます。 フッド家の妹も隣家の兄弟たちに、性的好奇心から、ちょっかいを出している。兄弟の父は仕事に没頭し、家にいるんだかいないんだかわからない状態。母は父にも息子たちにも興味がない。一見、幸福な家庭のひずみが、感謝祭の大人たちによるキーパーティー(キーを女の人が目をつぶってとり、その持ち主に送ってもらうというゲームつきのパーティー)で更に崩れていく様子を描いています。 複雑な人間関係の中での、ひとりひとりの葛藤が引き出されていて、アンリー監督はおみごとです。家族を描いた父親三部作がコメディタッチであたたかいものだったのに対して、こちらは何もかもが凍りつくアイスストームの中、すれ違う思いで互いに傷つけあう冷たさを描いているようです。善でありたいと思いながらも、自分の快楽のために悪行を選択してしまう人々。ふとした負の選択が、後で思いもよらぬ大きなしっぺ返しをうけてしまう。油断は禁物と思いました。 そんな中でも、4人の子供たちは、とても透明感のある子たちです。トビーマグワイア(スパイダーマンの!まだ子供)も、お気に入りの女の子(トムクルーズの奥さんのケイティーホームズですね!)にお兄さんのような存在とかわされてしまうような純情ぶりだし、クリスティーナリッチーも、アダムスファミリーのキャラをひきずりながらも(ニクソン批判するところや食事前のお祈り)、父母に対して素直なところも見せる。(トロンボーン素直に吹いて見せたり、抱っこしてもらったり)カーヴァー家の子供も兄役のイライジャウッドはどことなく浮世離れした不思議な子供だったし、弟もラジコンに火薬をいれて飛ばして爆破する遊びに夢中だが(しかし、母は注意しながらも、ではムチで遊べって…。怪我すると面倒だからか?)ウェンディにからかわれ純なところを見せていましたね。おとなにほっておかれていなければ…もうちょっと幸せだったのかな?特にあの兄弟は。 クリスティーナリッチーはやっぱり、いい感性を見せてくれますね。大好きです。 あとフッド家の母、ジョアン・アレンが凄く印象に残った。綺麗なんだけれど、夫に裏切られ、精神的に参って、また立ち直っていこうとする姿が。こわれる一歩手前で。 シガニーウィーバーはエイリアンのイメージと離れて、ずいぶん色っぽい役でしたね。 暗い映画ではあるんだけれど、人物全員に納得してしまう作りでした。気持ちはわかるんだけれど・・・というような。ダークサイドに堕ちてしまいがちな心を自分で見つめ直せといわれているような映画です。(桐野夏生の柔らかな頬という小説を思い出しました。) ラストの曲、デビッド・ボウイかなー?と思ったら、そうでした。I Can't Read.デビッド・ボウイの声がこの映画に合っています。(好きなんですよねー、デビッド・ボウイ) |

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アン・リー作品はまだ「グリーンデスティニー」しか観た事がないけど、洋物しか観なかった私が初めて感動したアジア系の映画でした。だから、これも観たいです!!もうひとつ、ずっと観たいと思ってるアン・リー作品があるんですが、「楽園をください」かりおかさんはご覧になりましたか?これもTSUTAYAにないんです・・店員に聞かなきゃダメですね〜デビッド・ボウイは80年代の頃に聴いてました♪かりおかさんのほうが音楽も詳しいです!尊敬しますょ!!
2006/11/16(木) 午後 11:50
楽園をくださいは知りませんでしたー。トビーマグワイア主演なんですね!ジョナサンリースマイヤーズやジムカヴィーセルも出演しているなら観なければ。この映画も知らなかったのですが、このブログ内で教えていただいたんですよー。知らないのを教えてもらえてよかったです!アカデミー賞のいつか晴れた日にも未見でした。大好きなケイトウィンスレットが出てるのに、上品そうなので…。あと、私はデビッド・ボウイのみ詳しいのかと。他は全然なので、また教えてくださいねー。
2006/11/17(金) 午前 0:57
やばい!凄まじいキャスティングなのに知らなかった!クリスティーナ・リッチのファンとしては失格だ。というわけで、早速明日レンタルして来よう!!!
2006/11/17(金) 午後 11:53
私も知らなかったんです。アン・リー関連で教えていただきました。アン・リーは俳優たちに信頼される監督さんですね。楽園をください、いつか晴れた日にも観たくなりました。でも、楽園はなかなかなさそうですねー。
2006/11/18(土) 午後 2:49
アン・リー監督も好きだし、このキャストって凄いですねえ。。全くのノーチェックでした。わー観たい。。
2006/11/18(土) 午後 5:18
・・・・レンタル屋にあったのビデオのみでした〜〜〜無念っ!違うレンタル屋行こうっと。
2006/11/18(土) 午後 10:26
恋さん、でもあたたかい作品ではなく、負の誘惑に油断してはいけない、そうとうの覚悟がないとひどい目に合う話でした・・・。家族再生という点ではアンリーらしい?
2006/11/19(日) 午後 8:49
ozbrogさん、私も借りたのはビデオでしたよ。DVDであるのでしょうか?アンリー監督、オスカー受賞でコーナーが作られていてそこにありましたが、楽園をくださいは置いてなかったです・・・。
2006/11/19(日) 午後 8:51
映画の中に描かれている人々が本当にリアルなんですよね。悲惨な一夜が過ぎた後で、駅に降り立ったトビーマグワイアの笑顔がなんとも印象的でした。
2006/11/21(火) 午後 1:08
どの人物の心情も描かれていて、アンリーはいい監督だなーと思いました。トビー・マグワイアって無心な感じの笑顔ですよね。サイダーハウスルールやスパイダーマンでも。シービスケットもいいそうですね。私、動物主人公の映画苦手で借りてませんが、いつか観たいです。
2006/11/21(火) 午後 5:58
いかがでしたか!?この冷たさが後引くというか生々しいけどそこまで強烈ぢゃないというか。。C・リッチの感性・・・なるほどな表現ですね!うんうんと頷いちゃいましたwあんまり有名な作品ぢゃないみたいですね。。
2006/11/27(月) 午後 9:50
TBありがとうございましたwそれと!僕がこの作品見たのはテレビ東京の放送なんですよwあなどれないんですよねぇ、テレ東wwごくごくたまぁ〜にホームラン打つんですよ。
2006/11/27(月) 午後 9:56
教えていただいてよかったです。アンリー監督の作品の人物は地に足が着いているというか、実在しそうな感じなので、生々しいけれど強烈じゃないんですね。なんで知られてなかったんでしょうね?テレビ東京、私も地球に落ちてきた男、アデルの恋の物語、JSAを偶然見て、衝撃でした。アデルはベスト5には入るくらい好きになりましたねー。今度、おすすめのザ・セルも観てみます。
2006/11/28(火) 午前 0:42