kariokaの「極楽鳥シネマ」

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ベニーズ・ビデオ

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「隠された記憶」「ピアニスト」のミヒャエル・ハネケ監督の1992年の公開の映画「ベニーズ・ビデオ」を観た。公開当時、日本でもビデオに囲まれた中で生活し現実と妄想の境界線がわからなくなったような人物Mによる殺人事件が起こった数年後だったので、新聞などでこの映画がとりあげられていたのを覚えている。怖そうな映画だな〜と。そして、最近ハネケ作品を観るようになって、それがこの「ベニーズ・ビデオ」だったとわかった。

屠殺される豚の映像を何回も繰り返し見る中学生ベニー。両親との三人暮らしだが、共働きの両親はほとんど家にはいない。いても、ほとんど会話もない生活。たくさんのビデオテープと大音量の音楽やテレビの映像に囲まれたベニー。ホラービデオを観たり、自分でビデオを撮るのが趣味のよう。ある日、ビデオ店の前で映像に見入っていた少女に声をかけ、家に招き入れる。話をしているうちに、べニーは少女を殺してしまう。血を拭いながらも、死体を撮影するベニー。クローゼットに死体を隠し、平然と友人と遊びに出かけた。次の日、両親がベニーの殺害風景が撮影されたビデオを見てしまい、少女殺害を知る。少女殺害を父親が隠蔽している間に、母と息子はエジプト旅行に出かけて行った・・・。

う〜ん、観た後、愕然としました。1992年にオーストリアで製作されたこの映画が、衝撃として伝わらないのです。日本では神戸児童連続殺傷事件が起こり、未成年による数々の理由なき殺人もあり、バラバラ殺人もあり・・・現実が軽々とフィクションである映画を越えてしまっている・・・。日本は病んでしまっているのか・・・と愕然としました。

しかし、淡々とした映像はやはりいつもどおりリアルで、少女の血を拭うシーンは早く終わってほしい!と願うほど辛い映像でした。が、ベニーはその後、零した牛乳を少女の血を拭うのと同じに拭っているのです!ベニーにとってはどちらも同じことのように。豚を殺すのも人間を殺すのも、どちらも彼にとってはやはり同じなのでしょう。常に笑いもせず無表情のベニー。保身ばかり考える父、何事も無かったかのように振舞うが耐え切れない感情を見せる母、隠蔽のためのリアルな会話、ベニーにはどのように映っていたんでしょうね。やはり衝撃のラストが待っています・・・。でも、そうくるかーという感じではありましたが。冷静なハネケ監督ですね・・・。観終わったらどっと疲れました・・・。

やはり、いろいろ考えてしまうような映画でしたね、ハネケ作品は。
Mが「死体をビデオに写すのは腐らないから。何度でも観れる。」というようなことを発言していたのを知って、この映画にあらためてゾッとしました。うーん、厳しい映画です。

閉じる コメント(12)

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ぬあぁぁ〜観よ!自分、ハネケってだけで食い付いちゃいますから。ん〜大丈夫かしら(笑

2007/4/16(月) 午後 9:54 MIYA

うはぁ。。^^; 続けてハネケ作品観るとちょっとやられそうですねぃ。

2007/4/16(月) 午後 11:39 恋

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なになに?!ハネケ監督のは結構観てるんだけどこの作品知りませんでした。早速チェックさせていただきます。この監督結構残酷な事をサラリと描くイメージがあるから怖いんですよねー。

2007/4/17(火) 午前 0:20 ozb*o*

淡々としているけれど、ジワジワっと怖いので・・・。観終わった後も、不気味さが残りますが、日常と隣りあわせかも〜とも思いましたよ、MIYAさん!

2007/4/17(火) 午前 8:56 かりおか

もう一本、ハネケ作品借りてしまいましたが、続けては無理そうです、恋さん。間に違うの観てからにしま〜す。

2007/4/17(火) 午前 9:01 かりおか

ozbrogさん、やはりいろんなの観てますね〜。ハネケ、いろいろ観てるんですか〜。何観てるんでしょう?残酷なことをサラリ・・・その通りです!冷静な監督ですね。

2007/4/17(火) 午前 9:04 かりおか

これは怖そうですよね〜。ちょっと手が出ないかも。。

2007/4/17(火) 午後 6:09 pu-ko

たぶん分かりやすい方の作品だと思います。それに淡々としているし、現実の事件の方が今や怖いです、pu-koさん。でも、どうということがないという態度のベニーは何か欠けています。

2007/4/17(火) 午後 10:02 かりおか

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まるで、現代の社会病理を予想するような作品だったのですね〜。かりおかさんがおっしゃる通りで、それどころか、今の世の中、現実が映画を超えてしまっているような状況ですよね。

2007/4/18(水) 午前 1:28 swing(スウィング)

本当にショックを受けました。この映画が衝撃に思えない自分に。ノンフィクションのようにすすんでいくので、日常と隣り合わせなのが観た後も残ってしまいます、swingさん・・・。

2007/4/18(水) 午前 9:21 かりおか

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フィクションは現実には勝てません。とエラそうに断言しましたが、調べてみると少年による想像を超えた不条理な犯罪は昔から結構あります。ビデオというメディアが比較的新しいがためにスケープゴートにされている感もありますが…この映画の主人公のような心理が自分の中にもあるのでは?と不安になる作品でした。

2007/4/19(木) 午後 10:12 なかう

たまたま日本の事件と時期が近かったので、現実の凄さの方が印象的になってしまったのでしょうか。「どうかと思って。」と言うベニーに不安を感じました。「ホリデイ」という映画に気弱な女の人が、ガッツのある主人公のビデオばかり観てガッツある行動をできるようになったエピソードがありましたが、同じことで殺しのビデオばかり観ていたら殺したくなった・・・いい面としても悪い面としてもそういうことはあるのでしょうね。自分にもあるような不安はありますね。

2007/4/20(金) 午前 0:31 かりおか

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