kariokaの「極楽鳥シネマ」

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コード:アンノウン

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ミヒャエル・ハネケ監督作のレンタルしたもう一本を観ました。「コード:アンノウン」
とても興味深い作品でした。アカデミー作品賞を獲った「クラッシュ」に似ている気がしました。
あちらはアメリカの人種差別などの問題点をいくつもの人生を交差しながら語っていましたが、この映画もフランスの人種差別や若者の問題を五人の人物のエピソードを交差させながら見せています。
しかし、「クラッシュ」が脚本の巧みさもあり、すべてが繋がっていくのに対して、「コード:アンノウン」は、ドキュメンタリーやノンフィクションのように、日常の気になったり不快に思ったシーンを繋げていっただけのような映画でした。現実には、「コード:アンノウン」の方が近い気がしましたが。「クラッシュ」のように実際はドラマチックに話は進まないですからね。解決しないまま、ありのままの出来事を「コード:アンノウン」は描いていて、やはり観客側に考えさせるような映画になっています。ハネケ監督作の「隠された記憶」での移民問題や差別問題、「ベニーズ・ビデオ」の若者の道徳観の欠如など、同じテーマがこの映画には表れているような気がしました。ハネケ監督はこれらの問題をとても気にかけているんでしょうね。繰り返し映画に登場させているのですから。

女優のアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)はカメラマンの恋人ジョルジュとパリで暮らしているが、彼はコソボに写真を撮りにいっている。田舎で農業を継ぐのが嫌な彼の弟ジャンが家出してアンヌを訪ねて来る。アパートで三人では暮らせないから父親のもとに帰れとたしなめるアンヌ。ジャンはむしゃくしゃして、物乞いをしているコソボ難民の女性マリアにゴミを投げつけた。それを観ていた黒人青年アマドゥは、謝罪しろ!と詰め寄る。無視する弟。騒ぎになる中、警官は黒人青年の方を警察に連行し、コソボ難民の女性を強制送還するのだった・・・。

このように、無礼な振る舞いをした方ではなく、人種差別意識の中、当たり前に注意した方が屈辱的な扱いを受けるのです。反省しない若者、強制送還されてもまた戻って働かなければ収入のない生活、見て見ぬふりをしたために起こった児童虐待による悲劇。様々な問題をハネケ監督は投げかけています。

黒人青年は聾唖学校の先生だったらしく、冒頭とラストに聾唖学校の子供たちのジェスチャーゲームが出てきますが、手話とジェスチャーなので何を言ってるのかはわかりませんが、なにか象徴的なことを言ってるのかな?わかりません、全く。そして、聾唖学校で様々な民族の子供たちが混ざって練習している太鼓の練習風景。指導しているのは黒人青年みたい。フランスでは人種間での軋轢がこの映画のようにあるのですが、子供たちはアフリカの音楽を皆で楽しそうに練習しているという矛盾。この太鼓の音にあわせて、映画は終わっていきます。電車の中で、アラブ人の青年に絡まれるアンヌ(ビノシュ)。周りは見て見ぬフリ。席を移動した時に、隣に座っていた初老のアラブ人に助けてもらいます。この矛盾。いろんな矛盾点を投げかけられているようでした。

あと、監督はジュリエット・ビノシュという女優にとても興味を持っているようで、映画の撮影シーン、舞台の稽古シーン、台詞の吹き替えシーン、この映画の様々なシュチュエーションで、ビノシュの演技を試すかのようにフィルムにおさめていました。感情の高ぶり、涙、恐れ、愛情、笑い・・・さすがにビノシュは適確にその要求に答えていました。ビノシュの演技と、映画の中の五人にまつわるエピソードが映画に次々あらわれて、見応えのあるものになっていました。でも、レンタル期限の日に急いで観たので、細かいところまでは注意して観れなかったから、まだハネケが示したものを見落としたところもあるのかもしれません・・・。はっきりわかってないところも多々ありかも。ハネケ作品は注意してみてないとよくわからない点がでてしまいますね・・・。監督が投げかけている深い意味がまだまだ隠されている映画なんじゃないでしょうか。ビノシュの演技シーンもこの映画に何か意味があるのかもしれませんが、そこは、よくわかりませんでした。

閉じる コメント(6)

私はクラッシュを観てないんですが、アメリカ映画ですよね?アメリカ映画ってどんなシリアスな題材でもエンタメ性を捨てきれない所がありませんか〜?かりおかさんのこのレビューを読んで思いました。クラッシュもなかなか手が伸びないけど、いつか観てみます!ハケネは現実に近い映画を撮ってるんですね!フランスにおける人種問題は把握できてないので興味がありますが、これも元気な時じゃないとダメですよね!?ハケネにとってのミューズはビノシュなんですね〜ヾ(@^▽^@)ノ

2007/4/23(月) 午後 9:55 R*alph

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コレはまだ観てないです。やっぱりハネケ節炸裂してそうですね。ビノシュもハネケ作品によく何作も出る気になるなあ〜と妙に感心してしまいますが。そのうち絶対に観ます。

2007/4/24(火) 午前 3:05 なかう

そうですね、ラルフさん。「クラッシュ」はエンタメ性があることで、この映画よりも観やすくなっているとは思います。この前感想を書いた「憎しみ」でも移民問題、差別問題がありましたが、フランス映画も恋愛映画じゃない社会派の映画が出現しているのは、それだけフランス社会に問題が多くなっているのでしょうか?失業率も高いそうですし。(大学を出た五人に一人しか就職できないそう。)監督はビノシュの女優としての才能に興味深々の撮り方だと思いましたよ!

2007/4/25(水) 午前 1:36 かりおか

急いで観たので、見逃してしまったメッセージがまだまだあったかもしれません、なかうさん。アイロンかけのシーンやお葬式のシーンの意味は、後から他の方の感想を読んでわかりました・・・。手話も知らなきゃ全体はわからないのかなーとも思いましたが。ビノシュは役のとらえ方が深く適確なのでしょうか?いろいろ考えている人なのかな?監督たちに気に入られますよね〜。

2007/4/25(水) 午前 1:42 かりおか

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ハネケだ!レンタル出来るんですね☆観よ〜!観たらまた来ま〜す!画像の顔がコワ〜イ(笑

2007/4/25(水) 午後 5:00 MIYA

ツタヤにたくさんハネケ作品が置いてありましたよ、MIYAさん!2本観たら、当分ハネケ観なくても・・・。でもまた行ったら、借りちゃうでしょうね、私。「セブンスコンチネント」次は観てみます。徐々に制覇?「ファニーゲーム」は無理かも。このビノシュは別に怖い場面じゃないけれど、こういう瞬間の顔を使われちゃったのね〜。

2007/4/26(木) 午後 4:25 かりおか


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