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深海 Blue Cha-Chaを観た。台湾映画。ホウ・シャオシェンらの流れを受けた新人、チェン・ウェンタン 監督作品です。ゆったりとした高雄の海の風景をバックに、心に傷を持ちながらも いたわりあって生きていく、姉妹のような女の友情を描いた、しみじみとした佳作でした! 全体に流れるチャチャの音楽もとても心地いい。落ち込まないで、チャチャのリズムに身をまかせて踊っていよう!というような、海に向かってわーっと叫んだら明日は元気に暮らせるような、そんな映画でした。 台湾南部の美しい港町・高雄。フェリー乗り場からひとりの美しい女性がフェリーに乗り込んだ。刑務所を出所したばかりのアユー(ターシー・スー)だ。彼女は入所時に姉のように慕っていた女性、アン(ルー・イーチン)の元を訪ねる途中だ。 心に病を抱えるアユーは、飲まないと危ないと医者に言われ、欠かさず薬を飲み続けている。行く宛てのない彼女は、「面倒を見てあげる」というアンの言葉だけを頼りに、彼女を訪ねてきた。アンは彼女を家に迎え入れ、自ら経営するクラブでアユーに仕事を世話する。クラブでは、ほの暗い照明の中、チャチャのリズムで女たちが踊っている。 アユーの美しさに惹かれたクラブの客チェン(レオン・ダイ)が、大金を払ってアユーを店の外に連れ出した。会うのはいいけど好きになってはいけないというアンのアドバイスにも関わらず、アユーはチェンに夢中になり、ついにはトラブルを起こす。アユーを庇ってチェンを怒鳴ったアンは、上客をひとり失くした。 アンの世話で、アユーは工場で簡単な仕事に就くことになった。単調な流れ作業をこなす仕事で、ひとりでデスクに向かう。作業指導をする先輩のシャオハオ(リー・ウェイ)は、話しかけても俯いたまま振り向かない彼女にちょっと腹を立てつつ、美しいアユーに興味を持つ。二人は次第に打ち解け、同棲するようになるのだが…。 簡単に人に愛してるなんて、言ってはいけないんだなーと思いました。 「自分より彼女を愛せるようにならなければ、プロポーズなんてしてはいけない。」という、最近観た映画の台詞が頭に浮かびました。なんだったけ?と考えたら、なんと「スパイダーマン3」のメイおばさんの台詞でした。本当に、この映画に関してはその通りで、アユーは「また会いに来る」「愛してる」の言葉を強く受け止めすぎて、それが真実かを常に確かめていたいような愛されたい女の人でした。面倒くさい女の人ともいえます。でも、その面倒くささをまるごと受け止めてあげるようでないと、こういう女の子には軽々しく「愛してる」なんて、言ってはいけないんだなー。人を愛するって、そういうことなんじゃないかなーと、このアユーを見てると思えてきました。 一途な愛情って、重くてうっとうしいかもしれないけれど、受け止めてあげられるような男性が表れなかったのが、彼女には不幸だったのかな。そういう気持ちになってしまっても、なんとか違うところに気持ちを分散させて日常を送っていこうとするものだけれど、彼女は「頭のスイッチが切り替われないのよ。」と、気持ちが深海に沈んで、心ここにあらずになってしまう。そんな自分も嫌で、迷惑かけてるのも嫌。なんてことなくても、ひとり自分の気持ちだけが追い詰められていってしまうのです。 その代わりのように、アンが彼女を受け止めてあげた。 人生いろいろ経験しすぎて、もう男なんて懲り懲りのアンは、 「恋なんかして、なんになるの!」とアユーに言います。泣きじゃくるアユー。 アユーが好きで、面倒を見てあげているのに、懲りずに恋に落ちて去っていこうとするアユーに腹立ちと寂しさを感じたり。でも、追い詰められたアユーを受け止めてあげる度量の広さをアンは持っていて、いい関係だなーと、なんだかしみじみとしてしまいました。異性だろうが、同姓だろうが、人とここまでかかわってあげられる優しさはなかなか持てないんじゃないかしら。 アユーにアイドル歌手のターチー・スー。彼女は上戸彩や天海祐希を寂しげにしたような顔で、たたずんでいると声をかけたくなるようなはかなげな雰囲気です。でも、追い詰められてキレル様子は痛々しかったですね。 アンにはツァイ・ミンリャン監督作品の常連、ルー・イーチン。もともと、スナックのママだったのをツァイ・ミンリャン監督にスカウトされて映画に出たというだけあって、人生経験の濃い女性としての存在感は抜群で、このアン役に説得力を持たせていますね。 シャオハオ役のリー・ウェイは、台湾ではF4並みの人気アイドルだそうで、映画初出演のため、ちょっとぽっちゃりさせて、わざと芋っぽくしての出演でした。でも、松田優作の息子の松田翔太みたいにかっこよかったですね〜。笑顔の無邪気な優しい、でも若過ぎて彼女を受け止めきれないシャオハオに合っていたのではないでしょうか。 海は広くてゆったりとしていて、見ているだけであらゆる嫌なことを飲み込んでくれそうで・・・。 海に女ふたりで叫びながら終わるシーンはとてもいいです!!! 深海に堕ちてしまう心を癒してくれるような、優しい映画でした。 同じように心の病気を持った旅芸人の人形遣いの男の人も、ニコニコと人形芝居をアユーに披露してくれて、アユーもそれを見て笑って。旅することで癒されている彼と、友情と海の風景に癒されたアユーの笑いあう姿も、見ているだけで染みるような気持ちになりました。 公開時に夕刊の広告を観て、観たいなーと思っていた映画です。
sweetmangoさんのブログでいち早く紹介されていて、ますます観たかったのです。 やっと観れました! |

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またしても見たい映画が増えました。。^^;
人生でおっつくのかしらん。。嬉しいような、困ったようなw
2007/6/15(金) 午前 8:16
ちょっと「嫌われ松子の一生」のヒロインみたいですが、あそこまで激烈ではなく、台湾映画らしいゆったりとした日常も描いているいい余韻の残る映画でした。恋さんも海をよく観に行かれますよねー。海はあらゆる気持ちを癒すと監督は考えているようでした。
途中、アユーを観ているだけで、辛いところもありますが、私は観てよかったなーと思いました。
2007/6/15(金) 午前 10:17
ホウ・シャオシェンらの流れをくむ、ということで気になります。観てみます!最近所謂「アジア映画」を観始めまして、その魅力に虜になっております。やっぱり共通する部分は「水」なんでしょうかね〜??なんとなく、梅雨もあったりする国の人間として心地よく感じるんですよね。
2007/6/15(金) 午後 2:37 [ the**sal*_of_t ]
“リー・ウェイ→松田翔太っぽい”なるほど、デス。言われてみれば、ぽちゃっとした唇とか、何か通じるところが有りますね〜。私も海に向かって叫ぶシーン、大好きです!ところで、余談になりますが、かりおかさんのブログが上手く表示出来ません。問題は私の方に有るのでしょうか…?!
2007/6/16(土) 午前 8:50
遅くなりましたが…トラバありがとうございました!
高雄って工業地域でもあるらしく、空も澄んではいないし、海もさほど綺麗な風景ではないのに、そこの流れるゆったりした独特の空気がとても心地よかったです。
ラストの二人の表情はやはりとても印象に残りますよね!私も大好きです。
2007/6/16(土) 午後 11:35
psalmさん、アジア映画は余韻や情があり、観始めるとはまってしまいますよね〜。確かに、私が観た最近のアジア映画は「百年恋歌」も「ふたりの人魚」も河や海のゆったりした流れが出てきました。ツァイ・ミンリャンも水不足だったり雨が降りすぎたり。
ところで、このアン役のルー・イーチンは「迷子」にも出演してるそうですよ。「落日」「迷子」も借りようと思ってます。
2007/6/17(日) 午前 1:10
mangoさん、ご紹介ありがとうございました!やはりこの映画はいろいろ思うところもあったり、印象深い映画でした。いつも興味深い映画のご紹介、ありがとう!
リー・ウェイより松田翔太の方がお父さん譲りで鋭そうですが、でもなんとなく似てて、人気ある人なのがわかる感じでした。来日時の写真では、痩せて茶髪にしていて、確かにおっしゃるとおりキムタクみたいでもあるみたい?でしたよ。
私のブログにゲストで入ってみても表示されたので、どうしてうまくいかなおのでしょうね?リニューアル後、変になってる方は多いのかも。私もTBできない記事がありましたよ〜。
2007/6/17(日) 午前 10:30
秋香さん、「誰かに優しくされると、舞い上がってしまうの」というアユーの気持ちはわかるだけに混乱していく彼女は痛々しかったですね。でも、それでも「人生がうまくいかないときは、チャチャを踊ろう」というアンの姿勢と優しさが心に染みました。
台湾は行ったことはないですが、亜熱帯なので、独特のゆったりした空気があるんでしょうね〜。「百年恋歌」でも「恋愛の夢」のパートに感じられました。
2007/6/17(日) 午前 10:42
恋さんのとこから来ました。
台湾映画ってたぶん観たことないと思います。
映画や小説の中に自分みたいな登場人物がいると、その作品に入り込んでしまいますよね。
たぶん、私はアユータイプだと思います。
ぜひ、観てみたいと思います。
2007/7/5(木) 午後 4:59
お。みんみさんだ。。^^ かりおかさんはいつも素敵な映画をご紹介下さるので楽しみにしているんですよ。。やっと観れました♪いやー心に残る1本となりました、ありがとうございます〜トラバさせて下さいませ^^
2007/7/6(金) 午前 8:24
みんみさん、ご訪問、コメントありがとうございます!痛々しいけれど、胸にジーンとくるいい映画だと思います。台湾映画の亜熱帯のゆったりとした雰囲気もありますよ。ゆったりして眠くなる映画もありますが、これは大丈夫でした!御覧になって感想を教えてくださいね〜。
2007/7/6(金) 午後 5:44
恋さん、気に入っていただいたようで良かったです!私も↑のseeet mangoさんの記事を読んで、観たくなったんですよ〜。ここのところ、ブログで知った映画がとても良かったので(「愛より強く」や「ウエルカム・ドールハウス」「トリスタンとイゾルデ」など)ブログやってて良かったな〜と思いました!またのんびりとよろしく〜。
2007/7/6(金) 午後 5:54