kariokaの「極楽鳥シネマ」

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王の男

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「王の男」を観た。韓国映画で最も観客動員が多かった映画。うーん、なるほど。動員多いのはわかるかも。
思ったほど、ドロドロもしていないし、わりとプラトニックな異性愛。あっさりした感じが万人受けしたのかなーと感じました。これをあっさりと思う私が、どんだけ強烈なのばっかり観てるんだ!っていうことかもしれないんですけれどね^^; たぶん日本の「大奥」の方が、感情面だけ見ればドロドロして強烈なのかなーとも思いました。(「大奥」は映画は未見ですが、テレビドラマは時々観ていたので。うちの主人と娘が「大奥」大好きなので、横からチラ見してました。特に松下由樹と高島礼子の戦いとか、すげーと喜んでみてる父娘・・・。私は北村一輝が好きかな。)

時は、16世紀初頭。固い友情で結ばれた幼なじみの旅芸人、チャンセン(カム・ウソン)とコンギル(イ・ジュンギ)は、国一番の芸人になるという決意を胸に、漢陽の都にやって来た。そこで時の王・燕山君(チョン・ジニョン)が身分の低い妓生だったノクス(カン・ソンヨン)に入れあげ、宮中に招き入れて遊び呆けているという噂を聞きつけた2人は、宮廷を皮肉った芝居を演じ、たちまち大人気を博す。

 しかし、彼らは王の側近の重臣に捕らえられ、王が芝居を見て笑わなければ死刑だと言い渡される。王は幼い頃に母親を毒殺されてから心を閉ざし、人前で笑ったことがなかった。そんな王が、一目でコンギルの美しさに魅入られ、達者な演技に爆笑し、臣下の猛反対を押し切って彼らを宮廷に住まわせる。力強く巧みなチャンセンの芸と繊細で艶やかなコンギルの掛け合いは、ますます王を魅了していく。しかし、母親の死の真相を知った王は日に日に狂気に満ちた行動に走り、ノクスは王の心を奪ったコンギルへの恐るべき復讐を計画する。今や2人の芸人は、激烈で悲劇的な運命に巻き込まれようとしていた……。
(公式より)

韓国の歴史ものということもあり、日本でも時代劇が老若男女に人気があるように、韓国でもこの暴君のヨンサングンがお馴染みの人物だったというのも、動員に結びついたのかな?とも思いました。
それまでの観客動員数を記録していた「ブラザーフッド」や「トンマッコルへようこそ」などは、韓国の人が現在も抱えていて傷にもなっている朝鮮戦争が舞台ということもあって、感情面も映画自体ももっと激しいものだった気がしましたが、この映画はそこまで強烈な感情を見ることはできなかったです。だから、万人受けした映画となったんでしょうね〜。

また、幼馴染の芸人の友情とも愛情ともいえる深い絆・・・と言う点で、中国映画、いいえ映画史に残る最高傑作「さらばわが愛、覇王別姫」も思い出されますが、うーん、較べようがない。ごめんなさい。
綱渡りの芸は、本人も演じているところもあるだろうし、凄いんですが、京劇の過酷な訓練に較べたら・・・。劇中劇も、まるで覇王別姫を意識したかのような王の隈取と后の化粧・・・韓国でも、あんなメイクして、芸人たちは芝居してたのかなー?あの時代に?と、無知なためか、疑問に思ってしまったのですが、「さらばわが愛」に勝るはずもなく・・・。うーん・・・と言わざる終えない作りでした・・・。
私は、「さらばわが愛、覇王別姫」は生涯で5本の指には絶対入る映画なので、辛口になってしまって。別物として、あっさりと観れば面白かったです。ただあの場面では、思い出してしまって、いかがなものか・・・と、なんだか冷めてしまいました。

でも、韓国俳優はやはり巧いですよねー。感情面の表現が本当に巧いです。
話題のイ・ジュンギは、本当に女の子みたいで色っぽく優しい雰囲気でした。
ただ、弱すぎるだろーと突っ込みたくなるほど弱弱しい(笑)
あの腰は艶かしすぎでしたけれどねー。


イ・ジュンギ演じるコンギルを守る先輩芸人のチャンセン役のカム・ウソンも、写真で観るとあんまり・・・なんだけれど、韓国俳優によくあることなんですが、演技してると本当にかっこいいんですよね。男らしく、自分の身を投げ打っても相手を守りきる!みたいな心意気のある役どころでした。ふたりの間は友情なのか愛情なのか、プラトニックなのかそうでないのか、曖昧に描かれています。

しかし、この映画の一番のみどころは、実は暴君のヨンサングン!!!
実に面白いキャラクターでした。もっとただ非情な暴君なのかなーと観る前は思っていたんですが、なんだか馬鹿殿みたい。立派な先王といつも較べられて、先王と言う言葉は禁句。それがでるとキレます(笑)
芸人の下品な下ネタにもニカッとして大笑い。お気に入りのコンギルやノスクの前では甘えん坊。ムチャクチャな人なんだけれど、何故か憎めないという秀逸な人物像にしているチョン・ジニョンは、韓国を代表する名優のひとりだそうです。やっぱり。コンギルもだんだん同情して好きになってしまうような不思議な魅力がある王です。

この次の時代の王が、チャングムの仕えた王みたいですよ。(チャングムは面白いと評判ですが、観てません。長いんですよねー。ちょっと観れないです。あと、イ・ヨンエは「親切なクムジャさん」の方が好きだから、なんとなく観てません。でも面白いそうですよ!)


韓国の歴史はよくわからないので、参考までにヨンサングンについて載せておきますね!

韓国史上最大の暴君、ヨンサングン(燕山君)とは─一?
朝鮮王朝第10代の王。在位は、1494年〜1506年。王権を利用した凶暴な独裁政治を行ったため、王としての称号、「祖」「宗」の字を贈られず、「君」という王の兄弟としての名前で呼ばれる。

● 暴君の名前を決定付けた、傍若無人・極悪非道・言語道断な行いの数々
○朝鮮仏教の由緒ある寺院・円覚寺を、宮仕えの高級芸者・妓生(キーセン)の養成学校に変え、国中の美女を集めた。
○馬好きが高じて、眺めの良い漢江沿いに住む民衆を立ち退かせ、乗馬場を建設する。
○儒教の殿堂である成均館(現在の成均館大学)を高級社交場にする。
○伯母にあたるウォルサンデグン(月山大君)夫人を陵辱した。
○自分を批判しない者だけを側近にし、逆らう官僚や儒学者を大量に粛清した。
○学者や文人を嫌っていたため、1498年に士林派の官僚を粛清する「戊午士禍」事件を起こす。
○1504年、実母ユンヒの恨みを晴らすため、その死に荷担したもの、傍観したものを探しだし、死刑もしくは厳罰に処する。「甲子士禍」と呼ばれるこの事件は、処刑後に四肢をバラバラに切断するなど、残酷な刑罰の様子が今も語り継がれている。
○国庫は破綻し、国家財政を立て直すために、功臣に与えた土地を没収し、民衆には重税を課した。

●そんなヨンサングンでも、残した功績があるとすれば?
ヨンサングンのおかげで、高級芸者・妓生の文化が栄えた。妓生の身分が細かく整えられ、技能向上がはかられ、貴族たちの宴会になくてはならない存在となったのだ。また、外国の使節を接待する重要な外交手段としても活躍した。
その他、『王の男』で描かれているように、李氏朝鮮では賎民とされた大道芸人を、臣下の反対を押し切って初めて王宮に召し抱えたのもヨンサングンである。
悪名高い歴史上の人物として韓国では知らない人はいないヨンサングンだが、一方では「儒教の厳しい教えを打ち破って自由に生きた王」「実の母が、祖母と父親の手で殺された悲劇の王」という見方も韓国の民衆の中にあるという。

同じ時期に公開された「デュエリスト」よりは断然面白かった!(「デュエリスト」は、カン・ドンウォンはかっこいいものの、かっこつけたカメラワークやスローなアクションで映画が台無しでした。)
同じような時代劇としては、ペ・ヨンジュンの「スキャンダル」の方が刹那的であり美しくもあり感情面も激しく描かれていて、私は面白かったです。「スキャンダル」の主役の三人(ペ・ヨンジュン「四月の雪」 イ・ミスク「アメノナカノ青空」 チョン・ドヨン「ハッピーエンド」。チョン・ドヨンは今年のカンヌで主演女優賞でしたね!)のラストの演技には胸を締め付けられました!

うーん、思ったよりもあっさりしすぎた映画でした・・・。舞台が先にあって人気だったようですが、その時の主役はヨンサングンでした。ヨンサングン主役の方が面白かったんじゃー?
でも、芸人としての誇りみたいなところには弱いので、感じるところはありました!

イ・ジュンギは他の映画ではどんな感じなんでしょうね?「フライダディフライ」の韓国版に主演してますね。うって変わって男らしい役ですよね?楽しみな若手俳優です。今、韓国でこの映画の影響で一番人気みたいですよ。

閉じる コメント(16)

『さらばわが愛、覇王別姫』がねえ。。
私もながーいレビューを思わず書いちゃったほど、こちらに参ってしまったので、比べるとなると確かに難しいです。。^^;

でもわかりやすさ、王をあのように描くという珍しさ、
韓国の昔を少し知ることが出来たという点で楽しめたかと思います。
トラバさせて下さいませ。

2007/6/18(月) 午後 4:52 恋

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コメント&TBをありがとうございました。やっぱり【さらばわが愛,覇王別妃】が頭を過ぎりますよね。
宮中のことをまったく知らない芸人が宮中の思惑の中に落ちていく様は良かったと思うのですが。だんだん自分の意志とは違う方向に流されていくところとか。でも全体的に薄いなーという感じを受けました。もっとチャンセンとコンギルの関係をはっきりさせた方が良かったような。
【覇王別妃】のレスリー・チャンは神懸ってましたから比べたらイ・ジュンギくんがかわいそうだなーとは思いました。
わたしもTBさせていただきます。

2007/6/19(火) 午前 0:10 [ wxrfd775 ]

そうですね、わかりやすいお話でしたね。だから観客動員も多かったのでしょうね〜、恋さん。でも、予告だけ観ると、もっとドロドロした話かと思ってしまいました。
あの隈取のシーンは覇王別姫を意識していたのかな?レスリーは韓国でも人気あったので。うーん、較べようがないですね・・・。
TBありがとうございました。

2007/6/19(火) 午後 3:50 かりおか

イ・ジュンギは写真で観るよりも、綺麗で優しそうでしたね。でも、女の人でもあんなに弱弱しいのだろうか?と思ってしまいました、wxrfd775さん。はかなげな優しさと美しさでした。レスリーは妖艶でもっときつく複雑な性格を演じてたので、全く較べてませんよー。
TBありがとうございました。

2007/6/19(火) 午後 3:54 かりおか

ポスターのイ・ジュンギの美しさに、劇場で公開されていた頃から気になっていたんですがまだ未見なんです…
でも、もっとドロドロした物語だと思っていました。意外とあっさりしているようですね。
でも、『覇王別妃』ですか。それを聞くとやっぱり見たいと思います。

2007/6/20(水) 午前 9:03 秋香

秋香さん、そうなんですよ〜、意外とあっさりでした。
覇王別姫をちょっとだけ思い出しますが、全く違います。較べられません〜。あんなにドラマチックじゃないと思います。ちょっと下品なところもありますし。ヨンサングンは面白いですよ!
イ・ジュンギは本当にか弱い女性みたいで、綺麗でしたよ。優しすぎるくらいなイメージでした。

2007/6/21(木) 午前 8:37 かりおか

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同性愛を匂わす、韓国で大ヒット、等々前情報で期待し過ぎてしまったのが、私自身「あら、案外フツー」と思ってしまった理由かとも思っております。話は反れますが、そうそう、チョン・ドヨン本年度カンヌ主演女優ですね!日本だと『殯の森』に話題を持っていかれちゃいましたけれど。アジアの名作は勿論のこと、フランス映画などにも出演している張曼玉が取った時は納得したのですが、欧米での認知度が低いであろうチョン・ドヨンの受賞は、驚きでした。『シークレット・サンシャイン』はかなり観たい作品でもあります。

2007/6/24(日) 午後 2:11 mango

チョン・ドヨンはいいですよね〜!カンヌで女優賞、良かったなーと思いました。「サマリア」のふたりの若手女優も尊敬する女優はチョン・ドヨンだそう。「ハッピーエンド」で驚かされ、「スキャンダル」で涙しました!「ユア・マイ・サンシャイン」も借りてみようと思ってます!受賞作はソン・ガンホと共演、「オアシス」の監督ですよね。私もかなり観たいですね〜。韓国女優ではペ・ドゥナ、イム・スジョンと同じように好きな人ですよ。

2007/6/25(月) 午後 11:24 かりおか

日本人には、韓国の歴史は、あまり分からないので、ヨンサングンのことを知らないと、なかなか理解しずらい映画かもしれないですね。それに、「さらばわが愛、覇王別姫」と比べてしまうと、比べようもないかもしれません。やはり、中国は、歴史も、することも、すごいですから〜〜(^^)

2007/7/3(火) 午前 10:31 kuu

ヨンサングンって、日本だと徳川綱吉みたいみたいな位置なのかな〜?お馴染みの人物の話だと観やすいですよね〜、kuuさん。
芸人、同性愛、歴史に翻弄された・・・「覇王別姫」を意識してるのかなーとも思いましたが、深さが違う・・・と思ってしまいました。「覇王別姫」は私にとって思いいれ深すぎる映画なのでね〜。そう、中国の歴史ものは凄いです(・o・)

2007/7/5(木) 午前 11:32 かりおか

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韓国ものはあまり見ないのですが、ジュンギがあまりに綺麗なので見に行った作品です。私も「覇王別姫」を思い出しましたが、ちょっと違うな〜って思いました。まぁそれなりに楽しめた作品ではありました☆トラバさせてくださいね♪

2007/7/10(火) 午前 8:15 のらたん

イ・ジュンギは写真で観るよりも綺麗でしたね!弱弱しい少女みたいでした。他の演技を観たことないですが、人気あるみたいですね〜。意外とあっさりでした。「覇王別姫」のレスリーとコン・リーのバトルはやはり凄かったですね!特別な映画でこれとは較べられませんでした・・・。TBありがとうございます!のらたんさん。

2007/7/10(火) 午後 5:59 かりおか

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遅ればせながらTBさせていただきました。

2008/3/22(土) 午前 3:55 Saranheyo

TBありがとうございます!サランヘヨさん。

2008/3/26(水) 午後 3:52 かりおか

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こんにちは。お言葉に甘えて、こちらに遊びにきました。「霜花店」を見て「王の男」にも似た所があるなと思い感想を読ませていただきました。「王の男」は「覇王別姫」に似ているとの噂で見に行きましたが、ちょっとがっかりしたというのが本音です。「覇王別姫」は比べようもない映画ですものね。と最後はやっぱりレスリー話になってしまいました。

2010/10/4(月) 午後 6:25 [ ジェミニ ]

ジェミニさん、ご訪問、コメントありがとうございます!
「王の男」は思ったよりもあっさりしていて、「霜花店」は思った以上に激しい映画でした。どうしてもレスリーと較べてしまうと、「王の男」は。。。でも、王様のキャラが興味深かったですね。
「霜花店」チュ・ジンモとチョ・インソンが好きなので楽しみにしてましたが、チョ・インソンの本能のままにの行動に、いつもみたいにぐっとこなかった?かも。でも凄まじかったですねー。「霜花店」の感想記事も書きたかったのですが、すぐ書かないと、思ったこと忘れてしまったかもで書けなくなってしまいました。。。
時代劇、好きじゃないけど、こういった時代劇だと「スキャンダル」は好きだったかも。

2010/10/5(火) 午前 0:40 かりおか

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