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「より多く愛するものは、常に敗者となる。」 フランソワ・オゾンの名前を目にしたのは、「焼け石に水」や「ホームドラマ」などの映画紹介の記事でした。毒のある面白い映画を撮る作家がフランスで評判・・・というような記事で、是非観てみたいものだなーと思っていたのですが、これらの映画はいつの間にか公開されたのかされてないのかもわからないうちに、レンタルもなく、なかなか目にすることはありませんでした。そのうち、シャーロット・ランプリング主演で「まぼろし」が公開かれると聞き、渋谷の映画館まで観に行くことに。毒は薄れていたようですが、この映画でオゾンを好きになり、「スイミング・プール」「8人の女たち」「僕を葬る」と、観れる作品は必ず観るようにしていました。 初期作品の「クリミナル・ラヴァーズ」が近くのレンタルにあって、観賞できたのですが、なんとも奇妙な映画で、初期作品にこそ、オゾンの特徴があるんじゃないかな?と思い始めてました。 そこで、渋谷ツタヤで「焼け石に水」「ホームドラマ」を発見!5日後に渋谷に来る予定だったので、迷わずレンタル。やはり、どちらも面白かったです!初期作品の方が私は好みかも。 で、この長篇3作目の『焼け石に水』は、36才で急逝したドイツの伝説的な映画・演劇人R・W・ファスビンダー(1946〜82)が19才で書いた未発表の戯曲が原作。ファスビンターの映画って観たことないですが「リリー・マルレーン」など有名でしたよね。 70年代、ドイツ。20歳の青年フランツは、街中で中年ビジネスマン、レオポルドに声を掛けられ彼の家を訪ねる。そこで彼はレオポルドの不思議な魅力にとらわれ、二人はベッドを共にする。やがてフランツはどうしようもないほどに、レオを愛し始める。しかし二人の蜜月は長くは続かなかったのだ。二人の愛は破綻を迎えようとしていた。 しかし、ある日二人のそれぞれの昔のガールフレンドが現れたことにより、関係性は別の、しかし悲劇的な方向へ向かって転がりだすのだった…。 ベルリン映画祭でテディ賞(最優秀ゲイ&レズビアン映画)受賞しているように、大変ゲイテイストの強い映画です。ファスビンダーもオゾンもゲイ。最近の作風よりも、どちらかというと、やはりゲイをカミングアウトしているペドロ・アルモドバル映画を思い出すような雰囲気でした。 ゲイカップルの話を自分の体験をもとに描こうとオゾンはしたらしいのですが、うまくいかずに、ファスビンダーの数年前に舞台で見たこの戯曲を思い出したそう。実体験だと距離感が掴めなかったようです。 なかなかゲイカップル成立までの流れがリアル。ゲイの人ってそこのところけっこう詳細に描きますね(笑)その後の日常生活が入り込んだ時の、苛立ちやすれ違いもリアル。同じ室内からこの映画は一歩も出ない室内劇なんですが、飽きることなくみれます。 主役のモテモテの中年男性レオポルドは、とってもいやらしくて嫌な奴(笑)でも、そのいやらしさに惹かれてしまうと、逃れられない魅力があるみたい。ゲイとは意識してなかった20歳のフランツは、結婚まで決まっていたのに、彼と寝たために逃れられなくなり、彼のマンションにずっと住むことに。レオポルドは仕事が忙しく、帰ってくると、フランツいやらしくあたり散らす。それでも、レオポルドに夢中の彼は耐えるんですよね。若さゆえの生活様式の違いはあるにしても、あんなに怒らなくてもいいのに・・・。もう、愛が冷めかかってたのでしょうね。レオポルドってそういう奴でした。 そこに、フランツの若き婚約者とレオポルドのかつての恋人があらわれます。 フランツの婚約者は、フランツをとても愛しています。しかし、レオポルドに会って、彼の魅力に彼女さえも虜に! レオポルドのかつての恋人は性転換者。レオポルドのためにそうしたのに、飽きて捨てられたのでした。 そんな4人の出会いから、悲劇が起こってしまうのです。虚しいラストでした・・・。 キャスティングも絶妙だったようで、ベテランと新人の組み合わせがうまくいったみたい。 レオポルドに二枚目ベテラン男優ベルナール・ジロドー。彼もゲイなので、そんなシーンはリアルだったかも?嫌らしさがよくでてました。 若者フランツは新人マリック・ジディ。ゲイ好みな雰囲気の美少年で、やたらとぴっちりした下着つけさせられてました^^;オゾンに言われるがままに演じたそうです。 性転換者のヴェラにはアモス・コレック監督『ファストフード・ファストウーマン』という映画(未見)でインディペンデント界の女王といわれるアンナ・トムソン。女性なんだけれど、性転換者の哀しみが全身にあらわれていて、憐れでしたね〜。可哀想でした。。。 そして、フランツのガールフレンド、アナはあのリュディヴィーヌ・サニエ!!!出演シーンはほとんどこのブルーの下着姿か裸!とっても綺麗で大きな胸です^^;オゾンの秘蔵っ子として、大胆な肢体をのびのびとさせて演技してましたよー。屈託なくて可愛い!凄い魅力的です♪ キャッチコピーどおり、「より多く愛するものは、常に敗者となる。」という映画でした・・・。 ラストは、とても可哀想で切ない映画です。 男女関係なく、最初の気持ちを持続させるのは、生活が入ると難しいのかな。 それとも、レオポルドが不実な奴だったから・・・。不実な人間に恋してはいけないですね。 焼け石とは、レオポルドのこと?水は恋人たちなのでしょうか? この写真の唐突なダンスシーンは「8人の女たち」みたいでした!
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あ〜ん、私もこれ、前から見たかったんです。レンタルも探しましたがなかったんです。読ませていただき、また見たい病が出てきましたわ。
2007/11/11(日) 午後 7:04
私もやっと観ることができました。ビデオで観たんです。古いレンタル店ならあるかもしれないですが。オゾン監督は人気あるから、もっと初期作品もレンタルできるようにしてほしいですね。
でも、この映画は「藍宇」みたいな歳の差カップルですが、レオポルドが酷い奴すぎでした。ちょっと呆れちゃいます。フランツやヴェラが可哀想でした・・・。「藍宇」の方がアジアらしい哀愁と優しさに溢れてますね。フランスっぽいといえばぽい映画でした。
2007/11/12(月) 午前 0:49
ドモドモ♪また観てみようかな〜。「ホームドラマ」も探してみたいですね。
アンナ・トムソンなんですが、トラバさせていただいたのでご参考にどうぞ♪
2007/11/12(月) 午後 6:11
「ブリジット」面白そうですね。どん底波乱万丈ストーリー、好きかも(笑)観たいけど、なかなかレンタルなさそうですね〜。ビデオであったら借ります!「ファーストフード・ファーストウーマン」も良さそう。フランスで大人気だったそうですね。アンナ・トムソンは細いのに確かに爆乳なので^^;作り物っぽくて、哀しい性転換者にみえました。ご紹介ありがとう♪saramiさん!
2007/11/12(月) 午後 10:26
オゾン監督作品は同じくとっても好きなのに、近くのTには
ありません。渋谷Tに行かないとないのかしら?と思っていたので
とっても羨ましいです。
あ・ビデオなのですね。早々にハードを捨ててしまった私(悲)
2007/11/12(月) 午後 11:14
『まぼろし』以前の作品がDVDBOX化されているようですが、レンタルにはなかなかみないですね〜、カルさん。『海を見る』『サマードレス』『ベッドタイム・ストーリーズ』『クリミナル・ラヴァーズ』『アクション、ヴェリテ』他、全9作品を収録らしいです。『クリミナル・ラヴァーズ』しか観たことないのですが、他もおもしろそうですね。観れる機会は今に訪れるでしょうか?
2007/11/13(火) 午後 3:56
変わった邦題ですね!それだけで食い付きますね。
ゲイ話も、何故かスキです。
渋谷のツタヤにあるんですね!ニヤリ☆って最近、あまりお出かけ出来ないので、いつになるやら。近所の店に置いてないか確認しよ〜☆
2007/11/15(木) 午後 7:44
渋谷のツタヤに行ったら、やはり品揃えがいいのでドキドキでした!でも、新宿の方がマニアックだったかも。私は12月にはいよいよ新宿で「ざくろの色」や「ひなぎく」借りようと思ってます☆
これは確実にゲイムービーでした(笑)ゲイへの目覚めを詳しく描写してるのが、ゲイの監督だなーと。「僕を葬る」もゲイムービーだけれど、よりシリアスで深い感じでした。こちらはブラックな笑いもあるような。刹那的でもあり、面白いですよ、MIYAさん!
2007/11/18(日) 午前 11:27
今、『リッキー』の上映に伴って文化村で上映されていたので
見ることができました。
なるほど。
<ペドロ・アルモドバル映画を思い出すような雰囲気でした。
ですね。
重く、悲しいのにどこか軽やか。
ユニークなダンスもはさまれていてオゾン監督っぽい作品でした。
TBさせてくださいね。
2010/12/21(火) 午後 5:29
オゾン監督作、初期作品ほど好みですが、DVDでもなかなか観れないのが残念です。
「リッキー」オゾン監督だったんですね!予告篇観たら、可愛くて、とても観たくなりました。観れるオゾン作品は全部観たいです。
ドヌーブ主演作も楽しみです。
カルさん、TBコメントありがとうございます!
2010/12/31(金) 午前 5:33