kariokaの「極楽鳥シネマ」

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受取人不明

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キム・ギドク監督「受取人不明」を観賞。
これでギドク作品は、現在公開中の「ブレス」以外は全て観たことになります。
痛々しさの度合いが強そうだし、主演のヤン・ドングンがあまり好みじゃなかったので^^; レンタル店でいつも手にとっては、返したりを繰り返していた映画だったのですが、ようやくレンタルしてみました。。。

韓国社会と在韓米軍との関係を描いた、かなり社会派の映画でした。ただ、そこはギドクなので、痛々しさは見た目も中身も・・・。なんでこんな気候のいい外出日和の時期に、こんな映画借りて観てるんだ!と自分に憤りながら観賞(笑)でも、衝撃作ではいつものことながらあるんですが、嫌な映画ではないです。なんで出てくる人、出てくる人、こんなに怒りっぽくてシリアスなんだよーとも思うんだけど。。。いらっとさせられる人物も多いし。。。でも、観てしまう力がこの映画にはあるんです。。。

在韓米軍基地がある田舎の村を舞台に、黒人米兵を父に持つ混血児のチャングクをはじめ若者たちの絶望を描いた傑作! 赤い米軍バスで暮らし、アメリカに帰った夫に届かない手紙を送り続けるチャングクの母、事故で片方の目を失った女子高生ウノク、“犬の目”と呼ばれる犬商人、痛みを抱えた人間の魂が、圧倒的な密度で迫り、見るだけで、ただではすまされなくなる必見作!!(ユーロスペースより)

時代は70年代。あらゆるエピソードに戦争の影がついてまわります。

主人公のチャングク(ヤン・ドングン)は黒人米兵との混血児で、そのことにより職にもつけず、かなりの差別を受けています。その母は、アメリカに息子と自分をアメリカに連れて行って幸せにしてほしいと思い込み、何度も受取人不明で返ってくる手紙を書き続けます。英語しか話さず、近所の女性たちに不気味がられ蔑められ、狂ったように大喧嘩をする母。チャングクは、母を止め、そして殴りつけるのです。この哀しさ。。。村の人々と距離を置いて、赤いバスの中で、この親子は暮らしています。(真っ赤なバス・・・というのが、ギドクらしいアート感覚だなーと思いました。随所にみられます。)

幼い頃、兄が、戦争であちこちに残されていた実弾の残りを拾って、発射できるように作った木のおもちゃの銃で、遊んでいるうちに片目を撃たれ、失明してしまったウノク。髪で隠してはいるものの、その目にコンプレックスを持っていました。兄は働かず、母は内職、父が朝鮮戦争で亡くなったということで、恩給で暮らしていました。近所に彼女のことを愛する青年がいるのですが、コンプレックスから、素直に愛情を受けることができません。「こんな目でも、愛せるの!」と強く激しく言い放つウノク。その青年も、父が朝鮮戦争で負傷して働けず、学校にも行けない暮らしで、アメリカかぶれの不良学生たちにたかられ、苛められ続けていました。

ウノクはある米兵と知り合います。米軍なら、その目を治す手術ができる、その代わり自分とつきあってほしい、と言われます。目は治るものの、日ごとにしつこく彼女を苦しめる米兵。彼自身も、異国の地での訓練だけの毎日にうんざりし、ドラッグや彼女に逃げ込んで混乱しているのでした。

この関係は、手を差し伸べながらも、苦しみも与えているアメリカとの関係を象徴している。。。と、監督自身が語っていました。そして、日本でのインタビューで、日本にもそのことは関係ある話だとも語っていました。(沖縄の在日米軍の問題や、第2時世界大戦での日本の支配から続いている韓国社会の混迷についてだと思われます。)

この映画は監督自身の自伝的映画で、70%が事実で、30%が映画にするためのフィクションだということです。

これが70%事実とは。。。うーーーん。。。キツイ人生を送ってきたんですね、キム・ギドク。。。

混血児の友人と、片目が見えない女子高生は実在の人物でモデルがあって、そして、学校に行けずに蔑められる青年はキム・ギドク自身がモデルだそうです。

みんなかなり辛い思いをして生きていて、でも、さらに傷つけあってしまう関係が堪りませんでした。

ただ、ギドクの映画には、信じられないような下劣な人格の人間も多く登場するのですが、ここでは、アメリカかぶれの不良高校生たちです。なんで、人を差別し、ゆすり、暴力を振るい続けるのか。。。全く理解不能の人物たちですが、実際、現実社会にはこういう人たちは存在するわけでしょう!まるで、嘘みたいですが、嘘でも冗談でもなく、気持ちが通じないわかりあえない人物っているんですよね。。。

その恨みや怒りが、かなりギドク監督にはあるようで、激しい描写になってます。ただ、ゆすられ苛められる方も、我慢し過ぎじゃないのーと、イラっとするんですけど。。。本当に、こういう差別や苛めをする人間の気持ちは私は理解できないです。でもあるのが現実。なんでそんなことをし続けることができるんでしょうね。無知からなのか、教育なのか、躾なのか。。。何からってこともないのか。。。ありえない!でもそれがありえる世の中ってことでしょうか。

そんな絶望的な映画の中でも、生きていく力を感じさせるのが、犬商人役のチョ・ジェヒョンです。「鰐」「ワイルド・アニマル」「悪い男」と主演だったのですが、ここでは、チャングクの母を愛し続け、母を殴るチャングクを荒っぽく懲らしめる人物を演じてます。母は、自分が殴られても、可哀想な子なんだから殴らないで!とかばい続けますが、彼には我慢できません。でも、職につけないチャングクに、犬を殺して食肉にする手伝いをさせるのです。日々を生きていくためには、非情になりなんでもする、でも、何か愛嬌と生命力を感じさせる人物として、映画に活力を与えていました。(私が、かなりチョ・ジェヒョンを好きだからそう思うのかもですが^^; )

衝撃的な場面も多く、観ていて辛い気持ちになってしまうのですが、言いたいことは理解できる。。。そんな映画でした。韓国社会の暗部を抉った問題作です。最低な過酷な現実の中にも、美しく見える絵、衝撃的な絵があり作家性を感じさせるのも、また、ギドクらしかったです。生生しい映画でもありました。

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これ、ツタヤで手にとってみたことはあります。他のと迷って…まだ観たことはないのですが、絶対観てみたい気分になっています。
映画の中では過酷に思えるけれど、そこにある現実という気がするからこの監督の映画は心に痛いのでしょうか。
新作『ブレス』も楽しみですね。

2008/5/24(土) 午後 7:29 shoes

私も手に取ったことはあるんですけどねえ。。
キム・ギドクは大変な青年期を過ごした、ということは知ってはおりますが、作品に次々と実話らしきものが登場してこの悲惨さというのは。。^^;

2008/5/24(土) 午後 10:13 恋

ギドク作品はかりおかさんの影響でほとんどダビングしていつでも観れる状態なんですが今だ一本も観れていません。
この作品も持ってるんですがこういった生々しさは半端じゃないような感じですね。
早く観よっと。

2008/5/25(日) 午前 7:04 marr

思い切って観るといいのかもしれないです。ギドク作品は、特に初期のは、むき出しの怒りや恨みが表現されていて、観るのを迷ってしまうのですが。。。でも、何作も観てるので冷静に観れました。社会派の映画としても観れたので。。。梁石日原作の「夜を賭けて」という映画の雰囲気も思い出したりしました、shoesofhoseさん。
「ブレス」は映画館で観たいのですが、六本木か池袋に行かないと観れないみたいです。行けるかどうか。。。ひとりで六本木ってと思いますが、ギドク映画は誘いにくいし。。。

2008/5/26(月) 午前 1:42 かりおか

ギドク映画で、これが一番と言う方もいらっしゃるみたいです、恋さん。自伝的要素が強い「ワイルド・アニマル」「コースト・ガード」もこの映画も生々しいですよねー。
最近は、寓話的で客観的に洗練されてますが、油断すると心を抉られそうですね。

2008/5/26(月) 午前 1:46 かりおか

marrさんがギドクを好きになるのかどうかは・・・。
気に入って他も観たくなるか、あまりの濃さにもういいやーと思うかのどちらかかもしれないですが。
私はチャン・チェン主演「ブレス」オダギリジョー主演「非夢」が早く観たいです。

2008/5/26(月) 午前 1:49 かりおか

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あ、あの犬商人役はチョ・ジェヒョンでしたか。 気付きませんでした。^^;
衝撃的な絵が多い映画でしたよね、たしかに。
感じのよい作品ではないですけど、観てしまう力、ありますね〜。
TB、お願いします。^^

2009/5/30(土) 午前 10:07 サムソン

チョ・ジェヒョンは、キム・ギドク監督と相性がいいみたいですね。
女性では、「悲夢」「コースト・ガード」「ブレス」に出演のパク・チアさんかしら?
あの世界を何回も演じるとは凄い俳優さんたちですね!
特に初期は、社会への恨みの感情が激しいように思いましたが、「春夏秋冬、そして春」以降は、世界で認められてか、落ち着いた作風になってるように思います。画家だったので、一目見ての印象的な絵作りは凄いし、純粋な狂気も健在なので、目が離せないですね。
TBありがとうございました、サムソンさん。

2009/5/30(土) 午後 2:39 かりおか

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たしかにお出かけ日和にこの作品ってのは何故・・と自分に問いかけそうになりますね^^しかしおっしゃるように彼の作品は観出すとぐいぐいと惹きこます力があると思います。
あ、70%事実ってのはギドク自身のお話って事やったんですか。。
それは確かに苦しい青春時代のような。。
衝撃。。またギドクにやられてしまいました。。
TBお返しさせてくださいね。

2010/1/13(水) 午後 11:48 SHIGE

この映画は、ギドクの中でも厳しい描写だと聞いていたので、観るのが後回しになってました。これが最初だと、かなり引いてしまったかもですが、何作か観た後観ると、ギドクらしい映画だと、落ち着いて見ることがまだできたかもしれないです。ギドク映画って、けっこう動揺してしまうんですよねー。
ギドク中毒になりながらも、なんでだろう?って思うところもあったので、今年になって購入した「キム・ギドクの世界 野生もしくは贖罪の山羊」を読んでみたいと思ってます。
TBありがとうございました、SHIGEさん。

2010/1/15(金) 午前 1:53 かりおか

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