kariokaの「極楽鳥シネマ」

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紀子の食卓

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この映画を昨年観賞映画のナンバー1にされている方が何人かいらっしゃったので観賞してみました。

園子温監督作は、評判なのは知っていましたが、初めてです。テレビドラマの時効警察で、何話か担当されていて、そちらしか観たことなかったです。オダジョーの「HAZARD」も未見でした。

この映画、159分と、とても長いのですが、長さを感じさせない緊張感がありました!
凄く重く苦しい映画です。「家族」・・・両親が描いている幸せ家族の像は、本当に子供たちにも実感されていたのか。幸せ家族を必死に演じていく家族全体の努力がなければ、そんなものは実際には存在しなかったのではないか・・・。ごく当たり前の幸せの中に存在していたはずの家族の崩壊。。。

そして、思春期の女子高生たちの生への絶望の連鎖と増幅・・・。リアルさがないのに、その絶望を止められない恐ろしさ。。。

かなりの衝撃作でした。

鬼才・園子温監督が、「自殺サークル」で手がけたテーマを引き継ぎ、崩壊していく本物の家族と、“レンタル家族”という虚構が生み出す幸せな家族それぞれの行く末を描く衝撃のホームドラマ。主演は「着信アリ」の吹石一恵、共演に「月光の囁き」のつぐみと「パッチギ!」の光石研。
 
17歳の平凡な女子高生・島原紀子は、退屈な田舎の生活や家族との関係に息苦しさを感じ、東京へと家出する。紀子は“廃墟ドットコム”というサイトで知り合ったハンドルネーム“上野駅54”ことクミコを頼って、彼女が経営するレンタル家族の一員となる。一方、紀子の妹・ユカもやがて“廃墟ドットコム”の存在を知り、紀子を追って東京へと消える。(allcinema on lineより)

冒頭は、退屈な日常にちょっと不満を持っている女子高生の、なにげない日常を語っていくナレーションが続いていきます。心の声がずっと響き続けているような・・・。まるで、小説を読んでいるかのような映画でした。家族で旅行に行っても、楽しくもない。いつまでも家族の中で子供扱いする両親。自分の心の中が理解されてない苦しさ。。。自分が望むものは与えられず、自分の欲していないところしか充実してくれない両親。ここではない、私を理解してくれる人々のいるどこかに行きたい。。。
ここに描かれていたのは、高校生くらいだと、私も実際に感じていたような違和感でした。

しかし、ネットで知り合ったチャット仲間たちにだけは、本来のあるべき自分をそのままさらけ出すことができる!と思った紀子は、家の中が停電した間に、衝動的に荷物をまとめ家出をし、ネット仲間のいる東京に向かうのです。(本当は、高校卒業して東京の大学に進学しようとしたのですが、父の反対にあったので強行。)

家出をする場合、その後の両親の哀しみや心配をどうしても考えてしまうのにな。。。と私なら思ったかもしれないけれど、幸せ家族を演じるのに嫌気がさしていた紀子には、そこまで考えることはなかった。
この両親、かなりいい人たちだと思うし、衣食住もきちんとしている。アフリカのずっと井戸を掘り続ける男の子のドキュメンタリーを思い出すと(なんだか時々、このドキュメンタリーを思い出すんです。。。)随分恵まれた環境に紀子はいる。この後のこの家族の崩壊を思うと、もっと家族を思いやる気持ちとかなかったのかなーなんて考えてしまいました。

だけれども、こうやって、違和感感じたら、家族制度から飛び出していくのは、実は自分にとっては、いいことなのかもしれない。私も高校生の頃に家出しとけばよかった・・・なんて思うことも多々ある。やはり紀子のような気持ちが家族に対してあったから。

でも、その先に、落とし穴が。。。

頼っていった「上野駅54」さんは、コインロッカーに捨てられた子供。(この前に観た「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でも、コインロッカーベイビーの設定がありました!驚き!)自分の過去がない彼女は、過去を作り出す「レンタル家族」の商売をしていた。そして、虚構の世界と現実の世界の違いをあえてわからなくしたような女子高生たち54人の、駅ホームでの一斉の飛び降り自殺事件にもリーダーとして関わっているような危険人物だったのです。(このあたりの描写は監督の前作「自殺サークル」に描かれているようです。私は未見です。)

本当の家族には違和感があったのに、幸せを演じるレンタル家族での演技に幸せを感じ、没頭していく紀子。その恍惚の先に、演技を超え混乱した女子高生たちの、演技の延長上の本当の死が、お芝居のように存在している。。。怖ろしい光景でした。軽い気持ちから、どんどん深みに嵌って、危険なカルト宗教に嵌っていってしまうようにも見えて。。。

そして、姉思いの妹ユカは、姉の消息の手がかりをみつけ、父がこれから起こす行動もお見通しで日記につけて父に残し、姉を追って東京に消えていったのです。家族全体をよく観ていて、よく考えていた子だったのでしょうか。

ここまでくると、浅はかに家出した紀子のことが憎らしくなってしまいました。。。
でも、それは、昔の私の姿だったのかも・・・とゾッとしたりもして。。。

ラスト、「上野駅54」さん、紀子、ユカ、父の対峙は、怖ろしくも哀しく憐れで辛辣で血なまぐさく毒々しく堪らない凄惨な風景になったのです・・・。

紀子役の吹石一恵は、ちょっと不満のあった普通の女子高生を自然に演じていて、そこがかえってブラックホールに嵌ってしまうような虚しい怖さをみせれていたような気がしました。

「上野駅54」さんのつぐみは、凄い迫力でした!彼女はいつも変わったエキセントリックな役柄が多いようですが(「月光の囁き」でも強烈でした。。。)ますますパワーアップしているのでしょうか。怖かったです。

妹ユカ役の吉高由里子。。。「明日の喜多善男」というドラマで、アイドル役で出演してた時に、可愛い子だなーと注目してましたが、この映画でデヴュー。新人賞を貰ったりしてるそうですね☆存在感あって姉、父、「上野駅54」さんの間に居て、絶妙な感じでした。蜷川幸雄監督の「蛇にピアス」の主役にも抜擢されてたそう。凄まじい話だけれど、彼女主役なら観たいです。

この映画、海外の映画祭で評価が高かったのもわかるような映画でした。。。
傑作なんじゃないでしょうか。ただ、観た後、滅入るかも。崩壊後の希望は、ユカ役を演じた吉高由里子から感じることもできるけど、悲惨な運命になった元凶の紀子の浅はかさが、私も親世代になったせいか、正直言うと、うーーーん。。。となってしまったかなー。。。。。。でも、そんな気持ちもわかってあげられるような親でもありたいとも思うけど。わかってもらえなかった自分がいたから。。。

園子温監督って、その・しおんと読むんですね〜。そのこ・おんだと思ってました^^;下のコメで園子監督って連発してました(恥)園監督に訂正しました♪ご指摘ありがとうございました☆

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この作品は自分のお気に入り映画なのですが、他におすすめの映画ありましたら教えて下さいね。

2008/6/16(月) 午後 10:22 [ outsider ]

そうですね、この映画は『自殺サークル』が表面的な世界を追ってただけだったのに比べて、かなり深いテーマに突っ込んだものになってましたね。死が演技の延長線になってしまうこと、演じてない時の自分がいなくなってしまうこと、希望にあふれていた紀子が自分の意志とは言えそうなってしまった事は見ていて痛かったです。
ユカ役はどっかで見た事あると思ったら、いましたね、あのドラマの中に!!つぐみさんはこの映画が私は初だったんですが、凄い存在感でした。
ラストの父親に対する紀子の動揺が一番記憶に残るかな。
とにかく、テーマの解釈がリアルすぎる映画でしたね。もう1度見よう・・と。

2008/6/17(火) 午前 2:47 anemone*DDR

親は、いつの時代も、子供のことを考えているのでしょうけれど、それが、子供に通じているかどうかと言うと、そこら辺は、自分のことを思い返してみても、疑問ですね。やはり、昔から言われているように、親になって初めて分かることも、多いのだと思います。しかも、今の時代は、子供の方も、じっと辛抱なんて事をしないで、同じ考えの者同士が、簡単に集合できるわけで、そうなると、間違った方向に、爆発的に進んでしまうこともあるわけで、なんだかとても危険な時代だなぁと思ったりします。
いろいろなことを考えさせられる映画でしたね〜。

2008/6/18(水) 午後 4:31 kuu

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そうなのですか。これ一部で人気が高いのですね。
・・がしかし上の写真でちょっと引き気味・・
う〜ん。でもみなさんのコメでも評価高いので気になります。

2008/6/18(水) 午後 9:15 car*ou*he*ak

これ、DVDが出てすぐくらいの頃に見たことがあります。
宣伝などから「何か面白そうなホラーだな」などと勝手に勘違いしてレンタルしたんすが、それでも思いのほか楽しめたと思います!
何か終始重〜い雰囲気ではありましたが…!
終盤での父・徹三が実家を再現してからの怒涛の流れがたまりませんでした!!
確かにこれ、国内でももう少し名が知られていても可笑しくないのになぁと思いますね!

2008/6/20(金) 午前 10:05 Mijah

はじめまして。コメありがとうございます!
この映画、お好きなんですね。
なんとなく似た雰囲気だと、黒沢清監督作品がおすすめかもしれません。「CURE」とか「アカルイミライ」とか観ましたが、現代社会を描く重い雰囲気が似てるかもと思いました。

2008/6/22(日) 午前 1:02 かりおか

そう、紀子は希望に溢れていたんですよね・・・。
出会った人たちが悪かったのかもしれないですが、あまり躊躇もなく、その後の家族のことも想像できずに、家出してしまった紀子に、なんだか安易すぎて腹が立ちました。。。安易だった故に動揺も激しかったのでしょうか。。。
演技の延長上の死が怖ろしかったです。でも、ありえるリアルさに震撼しました。。。凄い映画でしたね。園監督作、ほかも観たいです、anemoneさん。

2008/6/22(日) 午後 3:49 かりおか

kuuさんのレヴューでも興味を覚えて観たのですが、想像以上に凄い映画でした。。。海外で注目されたんですよね。現代日本社会を反映してると思われたのかな?
おっしゃるとおりの怖さがある映画でした・・・。TBありがとうございました。

2008/6/22(日) 午後 3:51 かりおか

カルさん、海外の映画祭で受賞していたりするみたいです。
園監督作品は初めてでしたが、ネットの闇社会、集団自殺、レンタル家族などを描いていて、現代的な映画でした。血の場面はショッキングですがそれほどでもなく、もっと違った怖さがあって深かったです。その前の「自殺サークル」はかなりのスプラッタみたいですが・・・。機会があったら御覧になってレヴューしてくださいね。

2008/6/22(日) 午後 3:51 かりおか

Mijahさんもごらんになってたのですね!
園監督が評判なのは、皆さんのブログの記事で知りました。
オダジョー出てるので「HAZARD」が観たかったのですが、近所のレンタルになかったので。。。また探してみます。「エクステ」も園監督とは知らずに観たかったのでそちらも。
この映画、重く暗いですが、現代的なテーマを扱ってる秀作なので、もっと観られてもいいですよね。。。

2008/6/22(日) 午後 3:52 かりおか

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