kariokaの「極楽鳥シネマ」

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地獄に堕ちた勇者ども

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ルキノ・ヴィスコンティ監督の「地獄に堕ちた勇者ども」を再見。

ずっと前に、テレビで深夜に放映していたのを観賞したことがありましたが、とっても眠かったということと、まだ私の中身がお子様だったのか?あんまり覚えてなくて、内容も把握しきれなかったような気がして、もう一度、テレビ放映したものを録画して観賞しました。民放だったのですが、これ、もしかして随分カットもしてあるのかな〜???あらすじを読むと、ラストがカットされてるような???

でも、以前観た時よりも、内容がわかりました^_^;

ナチスが台頭してきた1933年。ドイツの工業中心地帯、ルール地方に権勢を誇る製鉄王、エッセンベック男爵の行く末にも暗雲が垂れこめていた。老男爵の誕生日、主を祝うため一堂に会する一族の面々。男爵の息子の未亡人ソフィとその息子マーチン、ソフィと愛人関係にある総支配人フリードリヒに男爵の姪の娘エリザベートと自由主義者の夫ヘルベルト、さらには甥のコンスタンチン男爵とその息子ギュンター。誰もが心の中では老男爵の財産を虎視眈々と狙っていた。おりしもベルリンでは国会議事堂焼き討ちが始まり、邸内にも不穏な空気が漂い始める…。(allcinema ONLINE)

「ルードウィヒ 神々の黄昏」「ベニスに死す」とともに、ドイツ(退廃)三部作のひとつと言われている映画。

「ベニスに死す」は好きな映画のひとつでしたが、「ルードウィヒ」も、この「地獄に堕ちた勇者ども」と同じように深夜の眠すぎる時に観賞したので、あまり覚えてませんでした。こちらもまた鑑賞しなおしたいですね^_^;

耽美の極みのような内容ですが、仄めかすような表現で描かれているところも多くて、以前だとなんだかよくわからなかったというのが正直なところですが、今回の観賞では、そのあたりも想像できました。
以前が頭悪すぎだったのかもしれないんですけどね。高校生くらいで観たんじゃないかしら?

ナチが男爵家の一家を利用し滅ぼしていくのですが、その際に、その一家の野望、弱み、恨みを知り、コントロールしていくという方法がとられます。コントロ−ルしきれない人物は、粛清していく。時代の空気が、ナチの横暴とも言える粛清を容認しているので、人殺しや大量殺戮も、犯罪にはならないのです。
その有無を言わせぬ力が、だんだん強くなっていくのが、怖ろしかったです。

この一家では、男爵の戦死した息子の未亡人と、その息子が、かなり強烈なキャラクターで、ナチの異常さと、シンクロしていくように、彼ら親子の耽美的で異常な資質が、大きくなって、この一家を破滅へと導いていくかのようでした。

特に、息子役のヘルムート・バーガー!祖父の誕生会に女装して歌い踊り、会社経営に興味がなく、ダンサーの恋人のところに入り浸り、麻薬に溺れ、隣人の幼女に興味を持ち、自分の母親にも愛憎入り混じった複雑な感情をいだいている。ただ弱弱しい子供のような人間なのかと思わせて、非情でプライドの高いキツくエキセントリックな性格も見せる。このような複雑な性格になったのは、彼の母親が、小さい頃から彼を支配し抑圧し続けたせい(「かつらとルージュで支配され続けた。」と母親に言っていた。)だったのかもしれないし、彼の元々持っていた性質だったのかもしれない。そんな複雑な人物を、美しい容姿で、神経質に邪悪に演じて、ヘルムート・バーガーは凄いです。(彼は当時、ヴィスコンティのパートナーで、ヴィスコンティによると、彼自身は普通の人間なのだが、自分がそういった面を引き出したのだ・・・と語っています。ヴィスコンティの死の直後は、ヘルムート・バーガーは荒れた生活を送りましたが、今は、自分はヴィスコンティの未亡人である・・・と語っているようです。)

母親役のイングリッド・チューリンの退廃美の塊のような存在感も凄い。(未見ですがベルイマンの「野いちご」に出演してるんですね。)ダーク・ボガード演じる、野心により成り上がりながらも罪悪感にさいなまれる人物との謀略は、まるでシェイクスピアのマクベス夫人のようにも見えます。そして、彼らも、時代に飲み込まれていくのは、自業自得な面が多分にあるとしても、たいへん哀れでした。

まだまだこの映画の時代は、ナチスの横暴が始まったばかりの時代で、これから更に怖ろしい闇の中に嵌っていくのかと思うと、やりきれないです。自分は耽美なものは好きだと思ってましたが、ここまでの耽美退廃には、気が滅入りました。。。特にファシズムと手を結んだような破滅的耽美に溺れていくマーチンは、怖くおぞましく、美しさと残酷さが同居して、デカダンの極みなのかもしれないですが、惹かれるよりも、怖い気持ちの方が勝ってしまいました。(でも、ヘルムート・バーガーはずっと気になる俳優で、「家族の肖像」も「ルードウィヒ」も観てはいたので、またヴィスコンティとの代表的なこの2作品も再見したいです。)

いろんな思想を持った人々が、ナチス一色に飲み込まれていくのも、遣る瀬無くて。。。

知らなかったのですが、ヒトラーが、邪魔になってきた突撃隊を粛清した歴史に名高い〈血の粛清〉の日、突撃隊員がヒトラーの親衛隊によって急襲されたという「長きナイフの夜」も描かれています。男娼の宿で、彼らが騒いでいたところを惨殺。(あそこは男娼宿ですよね?あの頃は、普通にそういった店もあったのでしょうか?それとも、ヴィスコンティの趣味?で映画ではその設定に?)映画全体のイメージを形成するような印象的な血生臭いシーンになっていました。

若き日のシャーロット・ランブリングも出演してます。(珍しく退廃的な役柄じゃなくて、家族を愛する優しい可憐な悲劇的な役柄でした。)

本当に凄い内容の映画でした。。。後味も大変よくないです。観終わった後は、気持ちが暫らくガサガサになってしまいます。でも、ヴィスコンティの貴族主義、耽美主義が、凝縮されたような代表作であり、傑作なんだと思いました。

閉じる コメント(13)

この映画を観たのは、もう30年ほど前ですが、衝撃的でした。
私も「マクベス」を連想した記憶あります。
さんざん利用した突撃隊を粛清する場面など、印象深いです。
イングリッド・チューリン、ヘルムート・バーガーは退廃そのものでしたね。

2008/11/15(土) 午前 10:04 [ 鉄砲弥八 ]

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あ〜これまだ観れてません…。
題名だけ知ってて観てない作品シリーズ(笑)
え、これシャーロット・ランブリング出てるですか!
やっぱり傑作なんですね〜忘れずに観ないと(^-^;

2008/11/15(土) 午前 11:05 じゅり

お正月の深夜にまとめて放映したヴィスコンティ特集などで観た記憶があるのですが、とにかく眠くて、よく覚えてませんでした。
ヘルムート・バーガーの退廃的イメージが気になって、また再見しましたが、こんなに衝撃作だったとは!直接的に描いてないので、当時はよくわからなかったのですが、凄い話だったんですね〜。
三島由紀夫が、この映画を賞賛してたみたいですね、鉄砲弥八さん。
そういえば、三島もちょっと苦手です。。。イメージとしては好きかもなーと思うんですが、実際読むと私にはしっくりしませんでした。

2008/11/15(土) 午後 6:41 かりおか

じゅりさんの「ベニスに死す」の記事を読んで、HDDに録画してたのを思い出して観賞してみました!退廃三部作なんですって。
「ベニスに死す」も録画してあるので、久し振りに観賞しようかな。
少女マンガ的な美少年でしたね、ビヨルン・アンデルセン。
ヘルムート・バーガーといい、美形を使うのがさすがに上手いです。
この際だから、「ルードウィヒ」もちゃんと観ようかとも思うけど、なにもかもやる気がなくなりそうで怖いです(笑)退廃三部作だから。
うちの主人は「家族の肖像」寝た寝た!ヴィスコンティ?観ない!という退廃とは無縁のむしろ逆の人なので、そういう人には全くオススメできない映画ですねー。。。

2008/11/15(土) 午後 6:49 かりおか

鉄砲弥八さん、「原案・脚本はヴィスコンティのオリジナルだが、ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』、トーマス・マンの『ブッテンブローク家の人々』からモチーフを得た。フョードル・ドストエフスキーの『悪霊』における「スタヴローギンの告白」からの引用」だそうです。三島由紀夫が、そこを見抜いて、オリジナルじゃなくて残念と書いてたみたいです。

2008/11/15(土) 午後 6:57 かりおか

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時代背景とか…色々と思いつつ映画を観るというのは、直接的なものではなくいいものがありますよね。少し気持ちと時間のの余裕が必要な感じはしますけれど、そんな余裕をもっていられるようにいつもいられたらいいなと思わせてくれます。
ルキノ・ヴィスコンティ氏の映画は特に一度続けて感覚的に、浸ってみたいです。

2008/11/15(土) 午後 11:42 shoes

sho*so*hoseさん、世界史をちゃんと勉強してこなかったので^_^;私は今になって、いろんな映画でお勉強しているみたいです。
ナチスの時代の映画もいろいろありますが、これは黎明期なので、これからおぞましく哀しいことがたくさん実際におこったんだと思うと、更に陰鬱な気分になってしまいました。利用するつもりが、政治に飲み込まれ破滅させられて、人間の業を感じた映画でした。
ヴィスコンティの映画、全部観たいと思わされますが、滅び行く美というのを続けては危険かも。おっしゃるとおり、自分に余裕がある時に見応えある作品を体験したいです。

2008/11/17(月) 午前 0:10 かりおか

そうそう、この映画、「愛の嵐」と二本立てで観たことを思い出しました。
三島由起夫の「わが友ヒットラー」は私、大好きな戯曲です。

2008/11/17(月) 午後 0:33 [ 鉄砲弥八 ]

そ、それは濃い2本ですね〜、鉄砲弥八さん。
ナチス黎明期と終焉後の映画ということで、2本続けて観ると、もっと深く考えてしまうような気がします。
「わが友ヒットラー」はヒトラーによる突撃隊などの粛清を描いた戯曲なんですね。ご紹介ありがとうございます。「サド侯爵夫人」と共に文庫になっているようなので、読んでみたいです。

2008/11/17(月) 午後 11:00 かりおか

ヴィスコンティはかりおかさんに確か薦められて『山猫』だけは見ましたが、他はまだ・・・。実際『山猫』もヴィスコンティの世界を良く知らなかった私は、オープニングロールのN.ロータの曲からやられてしまいました!この映画はタイトルだけは知ってますが、息子役のヘルムート・バーガーの役がかなり気になります!ヴィスコンティの徹底した耽美的映像も好きなので☆

2008/11/19(水) 午前 5:53 anemone*DDR

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これは確かに凄い映画でした。(後期ヴィスコンティの中では)骨太ですよね。おっしゃるように、ナチス一色に染まっていく時代を描いた代表的作品だと思います。
ダーク・ボガードをそそのかす冷酷な将校を演じた、ヘルムート・グリームも印象的でした。ヘルムート・バーガーは個人的にはちょっと苦手なんですが、まさに彼の様な人物までもが模範的なナチス党員へと変貌していく、その怖さが良く描かれていたのではないでしょうか。

2008/11/20(木) 午後 5:03 [ user t ]

ヴィスコンティは最近観直してますが、「家族の肖像」は観たことありますが、「山猫」は未見です、anemoneさん。
退廃美というのが気になって、ずっと以前この映画も観ましたが、よくわかりませんでした。今の方がわかったかな?
ヘルムート・バーガーの役柄は、退廃とコンプレックスの塊のような複雑な性格の役柄です。怖いくらい。。。神経質そうな美青年です。
退廃と滅びがファシズムに取り込まれていくのがぞっとしました。
退廃三部作も挑戦してみてください。

2008/11/21(金) 午後 3:57 かりおか

さすがヴィスコンティ、見応えありました、user tさん。
でも、かなり観た後、気持ちが落ちる映画ですよね〜。。。
その後のナチの将校のパターンにもなったのでしょうか。金髪でハンサムだけれど、頭の良い冷酷な将校役というのは。
変質的で犯罪者でもあるような人物も、その特性をナチズムによって利用され発揮してしまうような時代の恐ろしさを感じました。

2008/11/21(金) 午後 4:08 かりおか


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