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「存在の耐えられない軽さ」を再見。 この映画を観たのは公開当時^^; ダニエル・デイ・ルイスがプレイボーイの外科医、ジュリエット・ビノシュが彼を一途に愛するカメラマンの妻、レナ・オリンが束縛を嫌う画家役でした。 公開当時は、レナ・オリン演じる画家のサビーナをとってもかっこいい!と思っていましたが、今観ると、ジュリエット・ビノシュ演じるテレーザに感情移入して観てました。以前はテレーザの態度がとても痛く感じて、彼女をあまり好きじゃなかったかもしれなかったのですが、今はテレーザの気持ちがわかるようになったみたい。 「人生は私にはとても重いのに、あなたにはごく軽いのね。私、その軽さに耐えられないの」 一人の男と二人の女。彼らは"プラハの春"を生きた---。 1968年のプラハ。国内外に民主化の風が吹き荒れる中、有能なる脳外科医トマシュは自由奔放に女性と付き合い、人生を謳歌していた。そんな彼の生活が、出張先で立ち寄ったカフェでウェイトレスをしていたテレーザと出会ったことで一変する。テレーザはトマシュのアパートに押しかけた挙句、同棲生活を始めると言い出したのだ。女性と真剣に付き合ったことのないトマシュは困惑しつつも承諾するが、以前から付き合っている画家のサビーナとの関係も終わらせたくない。こうして一人の男と二人の女の微妙な三角関係が始まった---。 "プラハの春"を生きた三人の男女を描いたミラン・クンデラの同名ベストセラー小説を名匠フィリップ・カウフマンが映像化。(Amazonから。) テレーザの一途な愛は重く感じるかもしれないけれど、人生一度きりの誠実な愛を感じることができる一人の人にその愛情を注いでいくのは奇跡のようなことなのかもしれないし、注がれるほうもわかっていて、自分にとっても相手が稀有な存在になっていくみたいでした。 トマシュの人生において、いないと人生を過ごす意味がわからなくなるような相手がテレーザになったのかも。思想的精神的な部分でも、同じ本を読み、語り、自分のポリシーは曲げずに生きるプライドを持っているという共通点があったのは、繋がりを深くしたのでしょうか。 ソ連が侵攻して支配したプラハにおいてのふたりのぶれない態度はどこまでも一緒でした。 ただ、トマシュは、彼女を愛してはいるけれど、他の女性たちと肉体関係を持つことはやめなかった。それは、ただの肉体的なことだから。精神と肉体は別物らしい。テレーザは、そう説得されて、頭で理解しようとしても、どうしても、他の女性と自分の何が違っているのかがわからない。彼女の精神と肉体は一緒だったから。 そんなトマシュを理解していたのは、精神的な束縛を嫌う芸術家のサビーナ。サビーナも他の男性と恋愛するのですが、彼女が最終的に選んだ行動には、やはり・・・。ただ、もうちょっと我慢していれば、トマシュとテレーザのような関係を、重い人生を引き受けるような選択を幸せと感じたのかもしれない。でも、重さを振り払って芸術活動に集中するのもそれはそれで彼女の人生だし。テレーザと対照的な人物でした。ただ、トマシュに愛された女性同士、気にはなるものの、お互いにも愛情があり、サビーナにヌードモデルを頼むテレーザとのフォトセッションは同性愛的な空気もあったり、そこにトマシュの幻影があるようにも見えたり、複雑な友情があり、面白いシーンでした。 でも、トマシュも、ただの浮気男とは違って、テレーザを愛していて、彼女のために生活を変えても不平不満を言ったりは絶対しない潔さがありました。大病院の脳外科医から小さな診療所の医者、ガラス拭き、農場での仕事と変わっても、その仕事ごとに真面目に取り組んでいましたね。 女性に次から次へとモテてしまうのは、それは仕方がないようにも見えたけど。。。だってしょうがないじゃない、モテちゃうんだから(笑)断ればいいんだろうけど、心に反することだから断らない?常に自分の心に正直。それは、テレーザにもサビーナにも言えること。みんな、とても自分に正直な人たちでしたね。意外と爽やかさを感じた映画でした。 ジュリエット・ビノシュが、透き通るような白い肌で初々しくて可愛いです!感情表現豊かで、その後、様々な監督に起用されて大女優になっていくんですね。素朴な女性なんですが、魅力的に見えました。彼女のことを放っておけないのがわかるような存在感がありました。 ダニエル・デイ・ルイス、当時大好きでした。トマシュ役、嫌味にならない軽さを表現していて素敵でした。女性に対しても、社会的地位に対しても、人生においても、深刻すぎないところに、テレーザを引き受けていく寛容さも加わって、なかなかでした。「人生は一度きりで、修正が効かない、儚いものなんだ。」と語ったトマシュの生き方は、実は誠実だったのかも。権力に屈しない自分の考えを曲げない・・・でもそれも重く深刻に暗くはならず、運命を受け入れて、飄々と生きていく姿が、好ましい。 レナ・オリンは、やはりかっこよくて、黒い帽子と黒下着姿が印象的なのは同じでした。 どこにいても、自分の考えをしっかり持っていて、気持ちが崩れることがない彼女。 サビーナも彼女なりの生き方を選択していたのでしょうね。 三時間あまりだったようですが、長くても彼らの関係を丁寧に描いていて、面白かったです。
観て良かったです。以前とは違った見方ができたように思います。 |

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うわ〜きましたね!!
これ大好きです。
ただの浮気男の物語ではなくて深い、深い・・
サビーナとテレーザの相反する、でもどこか共通点のある生き方も
興味深かったです。
そうそう。ビノシュ。このころ初々しいですよね。
そしてダニエル・デイ・ルイスだからこそ気品を保てていて
彼だからこそ表現できたのだと思います。
TBさせてくださいね。
2009/11/20(金) 午前 10:49
『原作となった同題の小説には、冒頭部分に「ニーチェの永劫回帰という考え方はニーチェ以外の哲学者を困惑させた」という言葉が入っている。要するに、トマシュが表現しているのは「超人」であり、「自由」や「意志」に関してもこの立場から見るべきだというのが通常の理解』・・・という解説もあり、語られていることは深いんだなと思いました。
「プラハの春」「チェコ事件」をめぐる言論弾圧とそれに抵抗する人々の姿も同時に描かれていて、恋愛だけを描いた映画じゃないところも興味深かったです。
知識がないので、私の記事では触れませんでしたが、カルさん、TBありがとうございます!原作も読んでみたくなりました。
2009/11/20(金) 午後 4:25
映画では恋愛部分とちょこっと歴史的な片鱗がありましたが、私にとって、この原作はバイブルといっても過言でないくらい大切な作品です。深すぎて、感想書いたら論文になってしまうので、書きませんが、映画もそこそこ悪くなかったですね。
原作は、文学という分野にとどまらず、哲学的だし、心理学的だし、歴史的だし、本当に何度読み返しても新しい発見があります。
2009/11/21(土) 午前 0:18
これは鑑賞予定で録画してます。
時間の長さにびびってなかなか手を伸ばせずにいるんですが。
また観賞後に記事の内容じっくり読ませてくださいね。
ダニエル・デイ・ルイスはまた今年も(来年か)オスカーに絡んできそうですね。楽しみ〜。
2009/11/21(土) 午前 3:54
かな〜り前に観たきりです〜
私は逆に、観た時はビノシュの方に目がいってしまっていたのですけど、画像観ると、レナ・オリンこんな綺麗だったっけ〜〜?って感じしました(笑)
これにこれ3時間近くあったんですねぇ。当時も長さは感じなかったけど、また再見したくなりました〜
2009/11/21(土) 午後 4:45
これ観ましたが内容は完全に忘れてました。
モテ無い人生を歩み続けている自分とはまったく正反対の人生の方が感情移入しやすいと思いますね(笑)
ダニエル・デイ・ルイスだったのかぁ、どうりで♪
2009/11/21(土) 午後 5:54
こんばんは!
映画って自分が変化すると違って見えますよね〜!
特にこういう男女の話はそうかもしれません。
つい最近も精神と肉体は別なのかなぁーと思わせるような映画を見ました。
男の身勝手とも思えたりもするけど、こういうのはアリなのかなぁ、って考えてしまいました。
ジュリエット・ビノシュが良かったです♪TB、お願いします♪
2009/11/21(土) 午後 9:50
Onemuさん、映画とともに原作の記事も検索でたくさん出てきましたが、原作の記事は確かに論文みたいでした。語ることがたくさんある原作みたいですね!
久し振りに観たら、彼らの生き方についていろいろ考えるようなところがあって、もっと深く知れたら面白いと思いました。
原作も探して読んでみたいです。
2009/11/22(日) 午前 0:30
観終わったら、けっこうな時間が過ぎていてびっくりしました!
3時間もあるとは思えないほど、面白く観れました。
pu-koさん、「NINE」でダニエル・デイ・ルイスが久し振りにモテ男役なので、期待してます♪81/2のミュージカルリメイクだそうで、豪華女優陣も楽しみです。元も好きだったのですが、またまた随分前に鑑賞したので、見返そうかと思ってました。マルチェロ・マストロヤンニが良かった♪
ダニエル・デイ・ルイスは最近の作りこんだ感じよりも、この映画のような感じが好きなので、「NINE」楽しみです!
2009/11/22(日) 午前 0:35
じゅりさん、ビノシュはこの前に観た「汚れた血」でのあまりのかっこいい美少女ぶりにびっくりしていたので、この映画では素朴さが出すぎて当時は?と思うところもありましたが、今観るとやはり可愛いです。お肌なんか真っ白で初々しい!
レナ・オリン、かっこよかったです!でもこの後の「蜘蛛女」が強烈過ぎて、このいい女ぶりを忘れてしまうところでした(笑)最近では老け役もあって(「愛を読む人」)久し振りに観るとびっくりですね。
トマシュとテレーザの関係など、今観るとまた違って観えたように思いました〜。
2009/11/22(日) 午前 1:19
随分以前に観たわりには、なんとなく覚えてたような気がしました、marrさん。
トマシュは会う女性会う女性にモテてましたね〜(笑)
この頃、ダニエル・デイ・ルイス自身もかなりのモテ男だったような覚えが・・・。
あのイザベル・アジャーニ様を振ったのには驚きました。
2009/11/24(火) 午前 1:33
以前観た時は、あまりよくわかってなかったのかなーとも思いました。どうしてもテレーザ側の被害者意識で観てしまうところもあって、それでとてもテレーザが嫌だったりしたのかもしれないですが、彼女の精神と肉体が一致した重さが、トマシュには生きる上で必要になっていったのかな、それも幸せなのかなと思ったりもしました。
ラストの解釈もいろいろあるようですが、私は彼らに幸せがあったと思います。
ジュリエット・ビノシュ、可愛かったですね!感情表現が上手くて、やはり名女優なんでしょうね〜。
TBありがとうございました!ラルフさん。
2009/11/24(火) 午前 1:42