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北温泉に久し振りに行って、そこに古い柱時計がたくさんあったような覚えがあって、その時計を観ながら、この映画を思い出したなーと思い、久し振りに寺山修司の「さらば箱舟」を観賞しました。 演劇実験室・天井桟敷の主催者でもある1983年5月に死去した寺山修司の遺作なんですよね〜。原作はノーベル文学賞受賞の南米の作家マルシア・ガルケスの「百年の孤独」なんですが、「百年の孤独」という題名にしていたら、原作と内容が違うとクレームがあって、公開が寺山の死後になってしまった映画です。 映画館で公開されたときに観たんですよね〜。天井桟敷のお芝居は観たことなかったので、これを観たあたりに、他の「田園に死す」「書を捨てよ、街に出よう」「草迷宮」、実験的映画の短編、などをまとめて観てました。天井桟敷からのメンバーの劇団万有引力などのお芝居も観に行ったり。 でも、正直、ちょっと苦手だったかも。毒々しいのと、俳優が俳優ぽくなく、ビジュアル系っていうか見世物系っていうか、舞踏系というか・・・。当時は、お芝居する側の気持ちで考えちゃって、ちょっと拒否反応。 今、客観的に観ると、面白いなーと思えるかな。。。寺山さんのエッセイや言葉は、とても素敵で、そうだよねーと共感するところが多いのですが・・・。青春歌集「ひとりぼっちのあなたに」なんか読むだけで涙でそうだった。 48歳で亡くなったのですね。若過ぎでした。濃密な時間を過ごされていたのですね。。。 (そういえば、第三エロチカの主演女優だった深浦加奈子さんも48歳でお亡くなりになってショック。 第三エロチカのお芝居も2回くらい観ましたが、第三エロチカはあんまり好きじゃなかったけど、深浦さんは綺麗で大好きだったです。最近ドラマ「SP」で観たばかりの気がします。ご冥福をお祈りします。) 寺山映画では、物語的な要素が強い、泉鏡花原作の「草迷宮」と、この「さらば箱舟」が好きです。 この2作は、邦画全体の中でも、ベスト10内に入るくらい好きな映画でした。 今回、再見して、沖縄でロケしてたんだなーと。あと、原田芳雄が出てて、「ツィゴイネルワイゼン」といい、これといい、好きな邦画に原田芳雄出演作が多いかもなんて思いました。「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言」とか「我に撃つ用意あり」とかも好きだなー。 ストーリーは、ある閉鎖的な村社会の百年のお話し。 老人と、少年・本家の時任大作が村中の柱時計を盗んで穴に埋めている。数年後、大作(原田芳雄)は本家の主人となっていた。ある日、いとこ同士である分家の捨吉(山崎努)とスエ(小川真由美)が結婚した。それを犯そうとする娘のことを案じたスエの父は、彼女に蟹の形の貞操帯をつけ性生活を持つことができぬようにしてしまう。捨音とスエは、何とかしてそれを外そうと焦るが外れない。夫婦生活が持てぬことから、村では捨吉が不能だという噂が広まる。大作は捨吉に女中テマリ(高橋洋子)を抱くのを見せつけたりする。ある朝、皆の前で大作に不能と嘲け笑われた捨吉は、カッとして彼を刺し殺してしまう。捨吉は、スエを連れて村を逃げ出す。しかし、一晩中さまよい歩いて漸く見つけた空家に泊まった翌朝、二人はそこが同じ我が家であったことに気づいた。 やがて捨吉は大作の亡霊を見るようになる。そして、徐々に彼は、物の名前を忘れていく。狂気が兆してきたのだ。(goo映画より) 柱時計の独占、犬の顔をした子供の絵(合田佐和子さんの絵ですね!合田さん好きです♪)、見世物小屋の人々、闘鶏、死の世界に通じる大穴、死者への手紙、ケチャダンスにも似た村の踊り、犬憑きのお払いの儀式、彼女の裸を見ると死ぬといわれるようせいのような女の子(若き日の高橋ひとみ!死ぬ村の若者に三上博史!)宙に浮く巨大な石、文明化された百年後の世界での村人たち、生と死の境目のわからない混沌さ。。。印象的な寺山修司らしいシーンの数々。。。 中でも、凄いのは、物忘れしていく山崎努!「私の頭の中の消しゴム」状態なんですが、ものの名前を忘れないように書いて貼っていく作業が、狂気に満ちていきます。鶏も殺しちゃうのね。。。(NHKのドラマでもにわとりの羽をむしりまくってましたね。子供の頃観て、怖かったです。)ド迫力の演技。 小川真由美も、優しく色気溢れる素朴な女性をなりきり演技で凄いです。色っぽいですねー。 花嫁衣裳着て狂ったような独白シーン、よーく覚えてましたよ。 寺山修司の遺言のような言葉に思えて、泣けました、あのシーン。 石橋蓮司、天本英世、小松方正、宮口精二など、個性的な脇役の人々。天井桟敷の役者さんたち。 猥雑さや毒々しさはあるけれど、やはり面白かったです。
いろんな意味が読み取れる、深さがある映画だと思います。 寺山映画、私では語りきれないんですが^_^;好きな人はこの世界が大好きなはずです! |

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