kariokaの「極楽鳥シネマ」

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ハピネス

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シネマート六本木の昨年の韓流フェスティバルで上映された「ハピネス」をDVD鑑賞しました。

「八月のクリスマス」や「四月の雪」のホ・ジノ監督の作品で、イム・スジョンとファンジョンミンというトップ俳優の共演なのに、その映画祭でしか上映されなかったのはもったいないと思いました。

ホ・ジノ監督の映画は、淡々としているので、観る前はのれるか不安でしたが、この映画は、哀しいんだけれど、主人公ふたりの気持ちが、いい悪いは抜きにして伝わってきて、人にとって「幸せ(ハピネス)」ってなんだろう?自分にとっての「幸せ」って・・・と考えてしまうようなところがたくさんありました。

恋愛映画の巨匠ホ・ジノ監督が、『四月の雪』に続いて贈る、切ないラヴストーリー。大人の愛の"幸福"を誇張することなく、ありのままにあぶり出した、涙なくして観ることのできない感動作だ。肝硬変を患った男ヨンスは、夢破れた都会生活を捨て、田舎の療養院に入所する。そこでヨンスは、肺疾患患者のウニと恋におち、陽気なウニの支えで、健康を取り戻す。しかし、そんな彼の前に昔の恋人が現われる。ウニ役には『サイボーグでも大丈夫』のイム・スジョン。従来のはかない少女のイメージを脱ぎ捨て、成熟した女性役で新生面を発揮する一方、優柔不断のダメ男ヨンス役に『ユア・マイ・サンシャイン』のファン・ジョンミン。愛に揺れる男の本音を繊細に演じ、観る者の目をとらえて離さない。

ストーリー
ソウルで自由奔放に生きるヨンス(ファン・ジョンミン)。しかし、経営していたクラブは潰れ、恋人スヨン(コン・ヒョジン)とも別れた彼は、深刻な肝硬変に侵されていた。田舎の療養院<希望の家>に入院したヨンスは、そこで重い肺疾患患者のウニ(イム・スジョン)と出逢う。やがて、病気を恐れないウニと恋におちたふたりは、療養院を出て一緒に暮らし始める。1年後、健康を取り戻したヨンスの前にスヨンが現われた......。(公式より)

長い間、闘病生活をしてきたウニ。彼女は、だからこそ瞬間瞬間を幸せな気持ちで生きたい!と望み、軽い気持ちで接近してきたかもしれないヨンスに、心を許して、この出会いを大事にしようと、思ったんだろうと思います。

女性慣れしたヨンスには、ウニも、たくさんの女性たちのひとりなのかもしれない。たまたま「希望の家」にいた若く可愛い女性がウニで、仲良くしたかっただけだったに違いない。

でも、ウニには一期一会の出会いだった。ウニが愛しているという気持ちは、心からの純粋な一途な思いから。誰よりも愛し、誰よりも尽くせる・・・彼女が、自分が好きになってしまった気持ちを抑える必要が全くなかったのに、驚きと感動を覚えました。

好きと思ったら、どんどん自分から行動に移していくウニの勇気!

たとえ、その場限りかもしれない愛の言葉であっても、後で傷つくかもしれない予感なんて吹き飛ばすように愛していくウニ。凄く綺麗なものを見た!と思えました。

たとえ田舎の質素な暮らしでも、ふたりが愛し合っていて、毎日元気で、おいしくご飯が食べれれば、これ以上の幸せがあるだろうか・・・と。

でも、ヨンスは、ウニの健康管理のおかげですっかり元気になり、都会からの友人や恋人の訪問を受けて、都会での派手な暮らしが懐かしくなって・・・。ウニの愛が重荷になってきて・・・。

酷い男なのかもしれないけど、ヨンスの気持ちもわかるような気もしました。どちらかというと、私はヨンス側に近い心の弱い優柔不断な人間かもしれないとも思えて、ヨンスの揺れ動く気持ちの方がわかりました。

愛を素直に行動に移せる素晴らしい相手に、自分の自堕落さが負い目になってきたのかもしれない。彼女の迷いのない心の強さが、辛くなってきたのかも知れない。

ヨンスを愛してしまったウニは、ヨンスの気持ちに気付き、肺が悪くて走れないはずなのに、走って、その苦しさよりも心が苦しくなってしまっている様子は、本当に可愛そうでした。。。

ウニの「あなたに会えて本当に良かった。」というのは嘘のない正直な気持ちだったんですよね。「でも、今のあなたは大嫌い。」と、自分の気持ちが不幸になることは、拒否した潔さ。。。心が「幸福」な状態を保つ難しさはあるけれど、つかの間だったかもしれないけれど「幸福」な気持ちを優先させて選択した彼女の強さを尊敬しました。

ウニ役のイム・スジョンの、彼女を観ているだけで、台詞を聞くだけで、なんだか涙が止まらなくなってしまうような透明な存在感は健在でした。

ヨンス役のファン・ジョンミンも「ユア・マイ・サンシャイン」の一途な愛を貫く純朴な男とは全く正反対のどうしようもない男性像なのに、特有のあたたかさをなおも感じさせる愛すべきところが出ていたのが、彼だからできたヨンスだったと思いました。酷い男だけれど、恨めない憎めない愛すべき人物像でした。

単純にハッピーエンドなお話じゃなく、人生の苦さや思いどおりにならないもどかしさはあるんだけれど、でもなお恋や人との関わりって素晴らしいんじゃないかな、と思えるようなラブストーリーになったのが、奇跡のように思えました。

ホ・ジノ監督の次回作、チョン・ウソン主演の「きみに微笑む雨」も観たくなりました。

(ヨンスの都会の恋人役のコン・ヒョジンも、好きな女優さんです。彼女もヨンスへの混沌とした気持ちを抑えられない感じが上手かったです。助演女優賞をこの映画で受賞してました。)

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