kariokaの「極楽鳥シネマ」

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東京フィルメックスで観たかった映画のひとつ。まだ一般公開が決まってないみたいです。
渋谷のユーロスペースあたりで上映してくれないかな〜。レイトショーじゃなくて。

ツァイ・ミンリャン監督作は「ふたつの時、ふたりの時間」「黒い眼のオペラ」もレンタルになく、観れていないので、「ヴィザージュ」上映時に、ツァイミンリャン映画特集で一緒に上映して欲しいです!

この「ヴィザージュ」は、ルーブル美術館から正式に依頼された映画で、ルーブル初の美術館収蔵作品になったそうです!

ツァイ・ミンリャンは台湾の監督で、監督の映画でお馴染みの台湾の俳優リー・カンションたちも出演していますが、フランスが主な舞台なので、パトリス・ルコントの「歓楽通り」主演のレティシア・カスタ、そして、ジャン・ピエール・レオ、ファニー・アルダン、ジャンヌ・モロー、ナタリー・バイ、マチュー・アマルリックも出演しています。

内容は「フランスで「サロメ」をモチーフに映画を撮ろうとする監督(リー・カンション)をめぐる夢幻的な世界」だそうですが、とても難解だそうです。難解でいいと監督は話しています。

予告篇観ると、観たかったなーと思いました・・・。


臉_Face_預告片
https://youtu.be/_kYXcoQ5I9A

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「春風沈酔の夜」を東京フィルメックスという映画祭で鑑賞。有楽町マリオンでした。

東京フィルメックスは、毎年観たい作品が多いのですが、銀座という場所が遠く感じられて、行ったことがありませんでした。でも、この映画祭で上映された観たい映画はなかなか一般公開されないし、DVD化もなかなかない。DVD化されても近所のレンタルには置いてない・・・という映画ばかり。。。

ロウ・イエ監督の「春風沈酔の夜」が、どうしても観たかったので、映画祭のチケットを獲りました。

ロウ・イエ監督は東京フィルメックスの第一回のコンペ部門で「ふたりの人魚」でグランプリを受賞。
「ふたりの人魚」が好きだったので、「春風沈酔の夜」が観たかったのです。

観たら・・・なにか胸がいっぱいになりました・・・。「ブエノスアイレス」や「欲望の翼」みたいな絵もありドキッとしたり、5人の男女の思いの先が見えなくて、画面に釘付けでした。カンヌ映画祭で脚本賞を受賞したそうですが、それも納得でした。

解説: 現代の南京を舞台に、中国ではいまだタブー視されがちなホモセクシャルを重要な要素として、5人の男女の錯綜する関係を物語る。スリリングな心理サスペンスが仕掛けられ、カンヌ映画祭コンペティションで脚本賞受賞。(東京フィルメックスより) 

この作品の前に作られた「天安門、恋人たち」で、天安門事件を背景にしたテーマや性描写が問題とされ、中国当局から5年間の映画製作禁止を命じられてしまったロウ・イエ監督。

そのため本作の南京での撮影は、ハンディーカメラでゲリラ的に敢行。当局の検閲を受けずにカンヌで上映されたそうです。

ロウ監督は、「中国の映画人が、自分の構想を自由に作品にできるようになれば」「性は自由で自然な営み。いかなる拘束も受けてはならない」と話していて、その証明のように作られたのが、この「春風沈酔の夜」という映画でした。

NHKスペシャルのチャイナパワーの回で、大作の映画作りについて語られていましたが、ロウ・イエ監督の映画つくりは、まさに対極にありますね〜。

映画の冒頭は、男性ふたりが郊外にドライブに行くシーンから。どうも、恋人同士で、密会をするために郊外に泊まりに来たらしい。。。ごく普通の男性ふたりに見えましたが、いきなりのベッドシーンから。
本当に普通の人たちに見えたので、びっくりしました。ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」では、美しい男ふたり(レスリー・チャンとトニー・レオン)だったので、この普通さにちょっと違和感。。。ウォン・カーウァイのスタイリッシュさに較べて、ロウ・イエは、ドキュメンタリータッチの映像で、かえって生々しい感じがしました。

どうも、この同性愛カップルのひとりの奥さんが怪しんで、いわゆるフリーター?のような青年を素人探偵で雇って、尾行させていた模様。奥さんは女子高の国語教師、ご主人は古本屋の主人らしい。いわゆるインテリ夫婦。まさか男性と逢引しているとは・・・。相手は旅行代理店に勤めている様子。怪しまれないように、友人として紹介するといって、奥さんと恋人と一緒に食事をするご主人・・・。しかし、奥さんは逆上して、次の日に相手の職場に乗り込んでののしりまくりでした(@_@;)ののしられた彼はすっかり嫌になり、連絡を絶つ。恋人からも拒否され、妻とも関係が破綻したご主人。

フリーターの彼は、貧しい工場勤めの女の子が恋人。しかし、尾行した同性愛カップルの片方が気になりだし、夜の街を彷徨う彼をまた尾行する。南京には、あんなアンダーグラウンドなゲイバーなどがあるんですね〜。すっかりディープな世界に驚きました。その世界に入っていくと、普通の会社員に見えた彼がすっかり輝き出し、とても魅力的な人になっていきます。よく観ると、彼はチャン・チェンにも似てる♪
そして、「有名な女装の人!」とゲイバーで紹介され、女装し、ステージで歌うのです。
ちょっと残念だったのが、この部分。女装してかつら被るのに、髪が乱れたままだし、歌が有名人のわりに下手でした。。。もっと「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニや、たとえば歌手の時のレスリー・チャンみたいにキメてくれたら、もっと良かったのに・・・。ここだけ不満でした。

好奇心で近づいた若い彼は、彼に近づいて、彼の部屋まで行きます。レスリー・チャンにちょっとだけ似た顔立ちの彼は、「欲望の翼」をきどって?下着姿で踊るのです。(もちろん、レスリーのほうが断然素敵なのですが・・・。)からかい半分か、本当に魅了されたのか・・・。

工場勤めの女の子は、工場長に可愛がられていますが、不法就労のガサいれで工場長が警察に捕まり、彼女は工場長を助けるために、保釈金を持っているであろう工場長の友人に自分を犠牲にして・・・。

恋愛で傷ついた女装の彼と若いフリーターの彼は、ともに小旅行に行こうとしますが、そこに傷ついた彼女が加わり、男性ふたり、女性ひとりの小旅行が始まります・・・。

五人の男女の思いが錯綜して、次に彼らがどんな行動をとるのか、全く読めない。ゲイの彼を女性に紹介する・・・という行為が続きますが、ゲイの彼は本当は嫌だろうに拒否できない、女性も面白くないだろうに、すぐには言えない、紹介した本人は、やはり彼を女性とは見てないんですよね〜。可哀想でした。

でも、一番ズタボロになってしまったゲイの彼と工場づとめの彼女が、とても美しく優しい人たちだったんですよね〜。それを思うと泣けてしまいます。。。

結局、中国で同性愛者だって認めて生きていくのは、本当に大変なことだと思うんですが、彼は強く認めて生きていく決意をして終わるんです。この思いが、ロウ・イエ監督の中国での映画製作の思いと重なって見えて、感動もしました。

俳優さんたちは初めて観たひとたちばかりでしたが、それがかえってリアルさもあって良かったです。
これを有名俳優で綺麗に撮ったら、美しく作り物になりすぎちゃったかもしれない。。。

どんなに心身ともにズタズタになっても、睡蓮の花のように、この世を漂いながら生きていく・・・という儚さと美しさと哀愁に満ちた映画でした・・・。

題は、魯迅に並ぶ中国人作家・郁達夫の著書から命名。郁達夫は南京出身の作家で、ロウ・イエ監督が好きな作家だそうです。物語の中で、その詩が何度も繰り返し読まれます。
「高校生の時にこの小説を読んだ。そこに描かれていたのは、人と人の間のなんともはっきりしない感覚。愛なのか、それとも愛と呼べないのか、非常に曖昧な雰囲気。創作において、そこから私は非常に啓発を受けた。」そうです。一回観ただけなので、読まれた小説の詳細がよくわからなかったのが残念。知っていれば、更にこの世界に入り込めるかもしれませんね。

そして、ロウ・イエ監督は、「特に、フランスのヌーヴェルバーグや日本のヌーヴェルバーグの映画の影響を強く受けた。この映画は純粋なラブストーリーで、人と人との間の本当に身近に起こる具体的な日常のこと、そういうものを描いている。ヌーヴェル・ヴァーグの特徴だと思うのは、カメラと被写体の間に何も存在しないところ。映画を撮る最初の動機というのは、そこにいる人物の顔をしっかり撮りにいくこと。」と東京フィルメックスで語っていました。

とてもよい映画だったのですが、まだ日本公開が決まっていないのは、残念です。。。

追記!!!2010年11月6日より渋谷シネマライズで公開決定です!
順次全国公開予定です。横浜ジャック&ベティでも公開あるようなので、また映画館でこの世界に浸りたいです。


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カンヌのレッドカーペットでの監督と、主演のふたりです。このふたりの俳優さん、好きになりました!

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