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東京フィルメックスで台湾のツァイ・ミンリャン監督の新作を観損ねたので、レンタルでまだ観ていなかったツァイ・ミンリャン作品を借りてきました。 「楽日」という映画なのですが、古い映画館の閉館する日の様子を描いたまさに楽日を描いた作品です。 かつてたくさんの観客でいっぱいだった様子が冒頭映し出されますが、時代とともに、古く汚くなったこの巨大な映画館も人々に忘れ去られて、閉館の日を迎えてしまったようです。 この映画では大きなドラマは全く起こらず、雨の中、寂れた映画館が、まばらな客の中、ひっそりと閉館する様子だけを映し出しています。 台詞がほとんどなく、中盤頃に5つくらいの台詞があるだけなので、静かで淡々とした映画が苦手だと、観ているのが苦痛になるような映画ですが、この映画を観ていると、まるでその閉館の日に、この映画館の中にいるような感じがしてきて、妙にノスタルジックな思いになりました。 上映されているのはキン・フー監督の「血闘竜門の宿」。かつてこの映画に出演した今は老人になってしまった2名の俳優も客席でこの映画を鑑賞していました。特にツァイ・ミンリャン映画常連俳優のミャオ・ティエンは「血闘竜門の宿」が映画デヴュー作。そして、実はこの映画が遺作になってしまったそうです。孫と映画を観ている設定で出演してました。 映画館で映画の画面でなく、映画を観ている観客の方を撮影しているので、なんだか不思議な気持ち。 みんなじっとスクリーンを見つめていて。 ただマナーの悪い観客もいて、音を立てて食べ物を食べてたり、足を椅子にのっけていたり、客席での煙草は台湾ではいいのか?煙草吸ってました。 ひとりの日本人の青年が出てくるのですが、映画を観に来たと言うより、彼はゲイで、パートナーを探しにここに来たみたい^^; この古い映画館はそういう場所にもなっていたんですね〜。大きな映画館を彷徨う彼は、巨大迷宮を彷徨う異邦人でした。 「この映画館には幽霊がでるよ。」と、ある男に言われた日本人の彼。彼が映画館で出会った誰が幽霊だったんでしょうね・・・。 そして、この映画館を彷徨う人物がもうひとり。受付の足の悪いお姉さん。大きな桃饅頭をふかして休憩に食べていましたが、大きすぎて半分しか食べられません。残りを映写技師に持っていこうとして、不自由な足をひきずりながら、映画館を桃饅頭を持って歩きます。映画館が大きすぎて、なかなかたどりつかなくて、たどりつくと彼はそこには居ませんでした。 お姉さんは雑用も兼ねているのか、いつもどおり淡々とトイレ点検、会場清掃などの作業をこなしていますが、閉館の日なので、どこか寂しそうでした。 映写技師を、ツァイ・ミンリャン映画の主演でお馴染みのリー・カーションが演じてました。 映画の内容を思い出すと、いろんな出来事がこの閉館の日にもあったようですが、何しろ廃墟のような巨大映画館で、外はシトシト雨が降り、寂しく閉館。。。ゆっくりゆっくり静かに映画は進み・・・。 何箇所か私は睡魔に襲われて沈没しそうになりながら観てました(笑)本来あまりゆっくりで静かな映画はかなり苦手なのですが、頑張って観て、思い返すと、何かいいものを観たような、実際にこの古い映画館の閉館の日を体験したような気持ちになりました。誰にでもお勧め出来る映画ではないのですが、嵌ると大傑作と思うかも?(私は、こういう映画と知っていたので、なかなか観ることができませんでしたが、今回は挑戦?してみました。。。) こういう大きな古い映画館で小学生の頃は映画を観ていたかも。寒い日はとても冷えて、よくお腹が痛くなってた記憶があります(笑)そんな昔の映画館の最後の一日でした。この映画館を知っている台湾の人々が見たら、いろんな思い出が蘇ってくるのでしょうね。。。 ラストに雨の中映画館の外観をバックにかかる音楽が、またノスタルジーをかきたてるような台湾歌謡曲でした。作曲は服部良一でした! 「愛情萬歳」「ふたつの時、ふたりの時間」のツァイ・ミンリャン監督が、実在する古い映画館を舞台に、閉館前最後の上映時に繰り広げられる人間模様をペーソスとノスタルジーいっぱいに描き出す。台北の古い映画館“福和大戯院”。閉館となるこの日、巨大なスクリーンにはキン・フー監督の「血闘竜門の宿」が映し出されていた。まばらな観客の中に、真剣にスクリーンを見つめる2人の老人の姿があった。それは、往年の映画スター、シー・チュンとミャオ・ティエン。彼らは「血闘竜門の宿」の主演俳優でもあった…。(allcinema ONLINEより) Goodbye Dragon Inn/不散 trailer
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