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大好きな3人の映画監督、ミシェル・ゴンドリー(「エターナル・サンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」)レオス・カラックス(「汚れた血」「ポンヌフの恋人」「ポーラX」)ポン・ジュノ(「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」「グエムル」)が、東京を舞台にオムニバス映画を撮る!!!
この話を最初に聞いたときから、観たくて観たくて!ずっと待ってましたよ〜。
やっと観ることができました。やはり面白かった!!!私はね♪
パリを描いたオムニバス映画の「パリ・ジュテーム」も大好きだったけれど、この「TOKYO!」も興味深い映画だった。
東京は、やはりパリほどおしゃれじゃなくて、全体に鼠色で、薄汚れていて、綺麗な街ではないんだなーと映画を観て、少し寂しくも思ったけれど、でも、それぞれの監督の東京に対するイメージが、それぞれの個性で描かれていて、観てて本当に面白かったのです。
ミシェル・ゴンドリー監督「インテリア・デザイン」──映画監督の恋人と上京したばかりのヒロインに降りかかる不思議な出来事を綴るファンタジー・ストーリー。主演は藤谷文子と加瀬亮。映画監督の恋人アキラと一緒に上京してきたヒロコ。高校時代の同級生アケミの部屋に居候しながらバイト探しを始める2人だったが、アキラとは対照的に都会の水になかなか馴染めないヒロコは、次第に疎外感を感じ始める。
ゴンドリー監督は、いろんな雑貨やインテリアが置いてあるような可愛い楽しい部屋が大好きみたい。
「恋愛睡眠のすすめ」でも主人公たちのお部屋がとても可愛かったのですが、この映画でも、東京での一人暮らしの若者の部屋ということで、とても狭く小さい部屋なんですが、狭いなりに工夫してるというか、友人がいても、ソファーベッドを出して、部屋中ベッドだらけになってもなんとか寝てたり、そのあたりも面白かったです♪大森南朗の部屋も、CDや本がたくさんあって、趣味の部屋という感じがして、とってもいい感じだったし。
また、狭い家と家との間の空間に、ぺったんこのお化けがいるとか、ラッピングのバイトとか、雑誌を切り抜いて貼り付けるとか、ゴンドリーっぽいところが散りばめられてて。
主人公が映画監督というのも、またゴンドリー監督自身がモデルなんだろうなーと思えて、国は変わっても、そこに存在するのは監督そのもの。加瀬亮は本当にそこにピッタリ嵌ってましたね。
加瀬亮は、本当はスケジュールがいっぱいで、参加できなかったかもしれなかったのですが、ゴンドリー監督がどうしても加瀬がいい!と言って、スケジュールが空くまで待っていたみたいです。
心優しくて、映画作りの奇妙なアイデアで頭がいっぱいで、無邪気な若者にぴったりでしたね!
そして、彼の映画作り、上映、手配など手伝う彼女は、なかなか器用に物事をこなしていけなくて、いっつもいろんな事柄と格闘してしまうというか、おっとりしてるから後手に回ってしまうというか、そういうところ、何か昔の自分を観てるような気もして、観ててなんともいえない気分になりました^_^;
ちょっと恥ずかしくても、車で運べないので電車で大荷物、それも首にホースみたいなものをグルグル巻きつけて運ばなきゃ行けないとか、ああいう似たようなことはたくさんあったかもなーと、可笑しいような哀しいような。ああやって、学校、街を彷徨ってたこともあったあったと、懐かしくも自分に近いような話にも思えました。
藤谷文子、ナチュラルで良かったけど、あんまりたくさん映画に出演しないですねー。いい感じなのに。
友人役の伊藤歩も、藤谷文子とちょっとイメージが似てて、彼女も映画専門の人なのかな?あんまりテレビとか出ないですね。ふたりとも、可愛くて、ゴンドリー好みの女優さんたちだったかも。
寂しさや疎外感からか、彼女が物体化しちゃうというところにはびっくりで、映像的にも衝撃だったけれど、そこがまたとーってもユニークで面白かったです♪
レオス・カラックス監督「メルド」──監督の盟友ドニ・ラヴァンが東京中を震撼させる謎の怪人に扮する不条理劇。マンホールの中から突然現われては、街中で奇行を繰り返し、道行く人々に危害を加える神出鬼没の謎の男メルド。メディアでも大きく取り上げられ、いつしか“下水道の怪人”と呼ばれ、東京の人々を恐怖に陥れるメルドだったが…。
「ポーラX」から9年も映画撮ってなかったんですねー!!!伝説の人でもあるから、簡単には映画が撮れなくなってしまってるのかもしれないですね、カラックス監督。
今回は、自分自身の分身として映画に登場させていたドニ・ラヴァンが主人公の怪物「メルド」に。
カラックス監督って、なかなかの2枚目なんだけれど、ドニ・ラヴァンを自分自身として描いてるのがなんだか面白い。野獣のような可愛くも恐くも見える風貌のドニ・ラヴァン。今回は特に恐さを強調させてて、片目がつぶれ、赤毛で、変わった髭の形。醜悪にも狂暴にも見えるメルドは、また監督自身の深層の部分の分身だったのでしょうかね〜。
東京の銀座と渋谷で、メルドは大暴れしますが、私も東京では銀座や六本木歩いてると、いつもなんだかとっても嫌な気持ちになります。だからこう言っちゃーなんですが、メルドがその場所で傍若無人に振舞うのもわかるかも・・・、なーんて観ながら邪悪な気持ちにもなってしまいました^_^;撮影が困難にもかかわらず、カラックス監督は、絶対に銀座と渋谷で撮影する!と譲らなかったそうで、大変なゲリラ撮影だったそうですよ。それは、でも正解だったのかも。
カラックス監督のイメージする東京は、カラスが鳴き、灰色で、地下には軍国時代の名残もあり、オウム真理教のようなカルトなテロ集団が存在してた街・・・なのかなー。。。
メルドは、歪んだ世界にどこからともなく登場して、暴れては去っていく邪悪な存在であり、次はニューヨークで!とあったように、人間が生きていく上で、自分がそこに存在するということに違和感を感じてしまうことも多いような大都市に出現して、そこで邪悪のかぎりをつくしていく存在なのかな?
「ダークナイト」のヒース・レジャーが演じていたジョーカーのことを、このメルドを観てたら思い出しました。似通ったところが多分にあったように思います。
ポン・ジュノ監督「シェイキング東京」──香川照之と蒼井優を主演に迎え、引きこもり男とピザの宅配少女との奇妙な心の交流を描くファンタジー・ラブストーリー。10年間引きこもりの生活を送る一人の男。土曜日には必ずピザを頼むその男の家に、その日、配達に来たのは美しい少女だった。思いがけず、少女と見つめ合ってしまう男。その瞬間、突然大地が揺れ、少女は気絶してしまうのだが…。
監督は映画撮影の準備のため、家族とともに東京で暮らしてみたそうですね。そのとき、東京に暮らしてる人々が、どこか寂しそうだと思い、その寂しさを突き詰めて考えて、ひきこもりという設定にしたそうです。外を歩いていると太陽が眩しくて、いろんな人と接するのが億劫になって。お金と住むところさえあれば、一歩も家から出なくても、生きていけるんですねー、東京。宅配でなんでも届けてもらえるし。
ただ、みんながみんなお金持ってるとは思えないので、全員が引きこもりになってしまうとは思えないけれど、アパートやマンション、一戸建てでさえ、隣に誰が住んでるとか、迷惑かけたりかけられたりしなきゃ、誰でもいいというか、興味ないというか。。。
でも、引きこもって、誰とも接触せずに一生を終えちゃうって、どうなのよとも思えて、「人は触れ合うために生まれてきた」とか「愛するために生まれてきた」とか、そういう歌があるんだけど。。。という気持ちになってしまいました。
10年間読み続けた本、食べ続けたピザの空き箱、ペットボトル、カップラーメン、生活に必要な様々なものが、整然と家の中に並んでいるのは、完璧で圧巻だったけれど、整然と、静かに暮らしてれば幸せ?面白いの?とも思えて。天変地異でもあったら、それは崩れ、いろんな人と助け合わなきゃ生きていけなかったりもするんだし。そしたら、どうせなら好きな人と生きていきたいんじゃないの?という思いもそこにはあって、この話はそんな風に、希望ある光ある終わりだったかも。。。(最近の村上春樹の小説の主人公の心情にも似通ってたようにもみえました。整然と規則正しい生き方をしてるだけではいられないってところで。。。)
あと、主人公にひとめ惚れされる蒼井優ちゃんの可愛さは、もうとてつもなくなってきてて、監督も彼女の可愛さに参ってるのが、観てて物凄く伝わってきました☆そして、人間じゃなくロボット化したいっていうピザ屋の彼女の気持ちもなんとなくわかって共感するところもあって面白かったかも。
優ちゃんのガーターベルトと、操作ボタンのタトゥーが萌え〜だった(笑)
蒼井優ちゃんは、たぶん「花とアリス」などの岩井俊二作品で、韓国では絶大な人気があって、来韓したときに優ちゃんに是非会いたい!って監督仲間にポン・ジュノ監督は色々言われてたみたいですが、申し出が多すぎだったので、優ちゃんの来韓を皆に知らせなかったそうですよ!
大好きな監督たちのオムニバス、とても楽しめました。随分辛口な視点だったかもしれないけど、元々シニカルなものが共感できるので。東京に対する愛は薄かったかもしれないけど。広告にあるようなPOPな東京ではなかったです。そこを期待して観るとがっかりなのかもしれません。
今度はまたそれぞれの長編が観たい!
ゴンドリー監督の「僕らのミライは逆回転」、ポン・ジュノ監督の「マザー」も楽しみです☆
レオス・カラックス監督も、新作観たいですよねー。。。
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