kariokaの「極楽鳥シネマ」

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ヨーロッパ映画

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オスカー受賞作の「スラムドッグ$ミリオネア」を最終上映週に、映画館で鑑賞することができました。

インドが舞台なことと、ダニー・ボイル監督作ということで、是非観たい!と待ち望んでいた映画です。

期待以上に面白かった!!!ダニー・ボイル監督らしく疾走感があり、インドの過酷な現実を描きながら、へこたれないで生きる逞しさを観ることができました!

そして、ジャマール青年の、この一途な初恋に涙してしまいました!

ジャマールの「ラティカ!!!」という叫びが、いつまでも心に響いています!

「トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイル監督が、インドを舞台に撮り上げたバイタリティに満ちあふれた社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス。原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』。日本でもお馴染みのクイズ番組で史上最高額まであと1問と迫ったスラム育ちの青年が語る過酷にして波瀾万丈の生い立ちが、多彩な要素を巧みに織り込みつつスリリングかつ躍動感いっぱいに描かれてゆく。世界中で数々の映画賞を獲得し、ついにはアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた。

インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”。この日、ムンバイ出身の青年ジャマールが、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来た。ところが、1日目の収録が終わりスタジオを後にしようとしたジャマールは、イカサマの容疑で警察に逮捕されてしまう。スラム育ちの孤児でまともな教育を受けたこともないジャマールがクイズを勝ち抜けるわけがないと決めつけ、執拗な尋問と拷問を繰り返す警察。ジャマールは自らの無実を証明するため、これまでに出された問題の答えは、すべてストリートで生きながら学んだと、その過酷な過去を語り始めるのだったが…。
(allcinema ONLINEより)

混沌としたインドでのロケは大変だったはず。それを疾走感溢れる、イキイキとした映画にしたのは、ダニー・ボイル監督の天才的な手腕なんだと思いました。お見事でした!

インドの子ども達の現実を描いた映画で、以前「サラーム・ボンベイ」という映画を観ましたが、あまりの悲惨さに呆然とさせられ、嫌な後味を心に残したままになっていました。ストリート・チルドレンになってしまった子ども達に、助けるどころか、更に過酷な現実を見せる大人たち。自分の生活や利益のために、痛めつけられた子ども達を更にいたぶる。胸が張り裂けそうになりました。

この映画も観ていくと、その頃からほとんど好転していない社会情勢のように見えます。この兄弟も、宗教の対立により孤児になってしまって・・・。

無一文で生き延びるために兄弟は知恵を働かせて助け合って生き延びていく。

そんな子ども達に救いの手を差し伸べるどころか、利用し働かせ搾取する大人たちはここにも存在していました。「サラーム・ボンベイ」と変わらないようですが、この兄弟は途方にくれたりはせず、なんとか自分たちで知恵を絞り、危機を回避し、逞しく生き延びていきます。そこに光が見えるストーリーでした。

いろいろ問題はあるけれど、暗く落ち込んでいる暇はない。行動力と賢さで生きていく彼らの様子がとても力強かったです。酷い目にあっても、そこで落ち込みすぎず、生き延びていくパワーが、インドにはあるようにも見えました。

テレビ番組クイズミリオネアで勝ち進めたのも、運だけじゃなく、やはりジャマールがとても賢い子だったからでしょうね。ちょっとしたことにも注意が行き届き、よく記憶している。自分で仕事も持って真面目に働いている。スラム出身だからと、番組に出演時にも司会者に馬鹿にされ、警察官に拷問される理不尽さには腹が立ちましたが、そんな扱いを受けても、ジャマールのへこたれないまっすぐな正直さ、純粋さに感動しました。

そして、そこには、初恋の女の子ラティカへの一途な思いがあって・・・。ラティカに対して、なんてまっすぐな気持ちなんだろう!!!って感動で、涙がいつのまにかこぼれてしまいました。愛する彼女が、どんな状況に陥ったとしても、愛し続ける彼の強さが眩しく感動させられました。若いって素晴らしいーーー。

兄も賢い少年だったけれど、自分の有利になるためには手段を選ばないしたたかさがあって、でも、本当の危機が迫ると、弟思いのところも見え、上昇志向だけれど、優しさが最終的に邪魔をする・・・という人物でした。「スカーフェイス」の主人公のような、気持ちはわかるけれど、どうしてあげられることもできないような、見ててたまらないものがありました。

いろいろ難しく混沌とした世の中だけれど、一途な思いを爽やかに貫いたジャマールのまっすぐさに希望が見えていたようにも思えます。過酷な社会だからって、暗いだけの描き方ではなく、ユーモアもあり、よく出来た(出来すぎのところはあるけれど、それもまたいいんですよねー。)ストーリー展開でした。
ハラハラドキドキもさせられて・・・。

ラストはインド映画のように、みんなで音楽に合わせてダンス!!!

ホント、「社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス」でしたね☆面白かったです。

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「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」をレディースデイに鑑賞。

公開したばかりということもあり、メチャメチャ混んでました!
イ・ビョンホンファンとキムタクファンが多かったみたい・・・。

私はとりたてて誰のファンでもないのですが^_^; 「青いパパイヤの香り」や「シクロ」のトラン・アン・ユン監督作ということで、映画館で鑑賞したいなーと思っていたのでした。

どうなんだろうなー?と思いながらの、おそるおそるの鑑賞。

解説: 『HERO』などで映画俳優としても活躍する木村拓哉が、ハリウッド俳優ジョシュ・ハートネット、韓国の大スター、イ・ビョンホンと共演したサスペンス超大作。キムタク演じる他人の傷や痛みを自分の体に引き受ける特殊能力を持つ男をめぐり、香港マフィアも巻き込む壮絶な逃走劇がアメリカ、フィリピン、香港をまたぐ壮大なスケールで展開する。監督は、『青いパパイヤの香り』『夏至』のトラン・アン・ユン。製作には『バベル』の製作陣があたり、音楽をレディオヘッドが担当している。(シネマトゥデイ) 
 
あらすじ: 他人の痛みを身代わりとなって引き受ける特殊能力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪(しっそう)。元刑事の探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は彼の行方を追って、ロサンゼルスからフィリピン、そして香港へとたどり着く。そこでシタオがある女性リリ(トラン・ヌー・イェン・ケー)と一緒にいて、彼女を愛する香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もシタオを探していることが判明する。(シネマトゥデイ)

思ったよりも猟奇な作品だった。。。でも、嫌いじゃない雰囲気で、どちらかというと私は好きな感じでした。

トラン・アン・ユン監督らしく、しっとりとした美しい映像で、残酷な場面でも美しさがある。
美男ばかり使っているので、たとえ泥だらけだろうが血まみれだろうが、悩んでのた打ち回っていようが、美しさがありました。以前観た監督の「シクロ」を彷彿しました。ただ、「シクロ」は、主人公があんまり好きな顔立ちじゃなかったので^_^;見てて嫌な気分になってしまったんです。ペンキまみれになって悩むところもあんまり・・・。不快さが勝ってしまって。観てた時の気分にもよるんだろうけど。
ただ、「シクロ」に出演していたトニー・レオンは、やくざで詩人で退廃的人物を演じてましたが、トニー・レオンが演じた中で、私は一番かっこいい役柄だった!と思ってます。

今回も、それぞれの俳優たち、かっこよかったんじゃないかな?
かっこよさのポイントをその人がどこに持ってるかによって、ただ不気味で不快と思う人もいたかもしれないけれど、私は好きでした。泥まみれ堕ちたかっこよさはあると思うし。(ツボだったりするし。)

ただ、トラン・アン・ユン監督、ホント雰囲気だけっていえば、雰囲気だけみたいに見えるところがあるので、タメが多くて、後半はちょっとイライラしたかも。短気な私だからかもしれないけど、猟奇殺人について、もういろいろ映画化されてるし(「セブン」とか「羊たちの沈黙」とか。)あんなにもったいぶって撮らなくてもいんじゃないの?と感じてしまいました^_^;こんな奴は早く撃ち殺してしまえ!とも追った。キリストの受難と猟奇殺人に同時に美しさを感じている人間に同化してはいけない!とは思いました。(でも、あのオブジェはどうやって作られたんだろーと、不謹慎なことも思いましたが。。。)

イ・ビョンホンが、かっこよかったです。役柄について徹底的に追求して、深いところまで解釈して演じてるんだなと思いました。ビョンホンファンはビョンホンのことどう思ってるのかよくわからないけど、こういった残酷だけれど一人の女性を愛しすぎてしまって感情をコントロールできない男というのは、得意とするところなんじゃないかな?鍛え抜かれた身体も凄かった!

ジョシュ・ハートネットは、こういった意味ありげな内容のアートな作品に挑戦するのが好きなのかな?
過去のトラウマにとりつかれて、煩悶して、猟奇ではない、自己犠牲的痛みに共感し癒される役柄は、伝わってきました。ジョシュもやたらにシャワーシーンが多かったですね(笑)

そして、キムタクですが・・・キムタクをあんまり良くないって思ったことはなかったけれど、今回はラストの大事なところが、もっと深かったら・・・ととても残念に思いました。
ヴィジュアルも、いつもよりは、もう少し。多忙だったからなのか、顔が後半は少しむくんでたみたいにみえた。蛆虫が顔を這い回り、泥まみれになるところは、さすがに鋭く、いい映像になっていたと思うので、残念です。ウォン・カーウァイ監督の「2046」でも、近未来でボロボロで悩む映像は、とても鋭くて良かったと思うので、そういうシーンに美しさを出せる人なんだとも思いました。

ただ、こういった映画を即興的な勘に頼って演じるのは、難しいと思いました。脚本自体に、あまり深く描かれてなかったのかもですが、この役はとても重要な役柄だと思うので、もう少し自己犠牲的なところが出ていれば・・・と思ってしまった。リリへの優しさは、マグダラのマリアへのキリストの優しさみたいに見えて良かったけれど。(新約聖書が、物語のベースになっているそうです。)

香港から、ショーン・ユーとサム・リーも出てたんですね!ショーン・ユーはなんでおっさんぽい刑事になってしまうの?もっとかっこよくしててもいいじゃないかと思ったけど、主演の3人に遠慮したのか、それがカラーと思ってるのか・・・。サム・リー、救世主を待つ男として、とてもいい存在感だったので、もっと出演シーンを増やして活躍させれば、もっと物語が深みが増したかも。

収拾のつけ方がちょっと残念だったかも。

音楽が素晴らしい!と思って観てましたが、そうですか!レディオ・ヘッドだったんですね!
とても素晴らしかったです。退廃的で美しく惑わされる感じがよく出てて、湿り気を帯びた映像とマッチしてました。フィリピンのジャングルの緑や、香港の美しい夜景も、この映画の雰囲気を盛り上げてましたね〜。

紅一点のリリ役は、トラン・アン・ユン監督作ではお馴染みの監督の奥様。
「青いパパイヤの香り」の従順で貞淑な女性から、随分セクシーな雰囲気になりましたね〜。

ザ・ガーデン

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アート系の映画が観たくて、ずっと気になりつつも未見だったイギリスの映画作家デレク・ジャーマンの作品をレンタルしてみました。

デレク・ジャーマンとは?

ロンドン大学キングス・カレッジで美術などを学んだ後、映画監督ケン・ラッセルのもとで美術スタッフを勤める。その後、スーパー8ミリで撮影した作品 "In the Shadow of the Sun" で映画監督としてデビュー。特異な映像作品が先端的であるとして若者の間でも徐々に評判を呼び、80年代以降はロックミュージックのミュージッククリップなど映像制作でも活躍した(ザ・スミス、ペット・ショップ・ボーイズなど)。また、Coilやサイモン・フィッシャー・ターナーなどといった、まだ当時は無名のミュージシャンを自らの映画音楽の担当として起用し、彼らの才能を発掘した。

主に、同性愛や荒廃した近未来イメージ、耽美性などをテーマにした作品が多い。また、ルネサンスの画家カラヴァッジオや哲学者ウィトゲンシュタインといった歴史上の人物を映画の題材にした。

生前、自らがゲイであることを公表し、1986年にHIVへの感染が判明。1994年にエイズにより亡くなった。死の前年に制作された『BLUE ブルー』は、自らを蝕んだ病エイズをテーマにした作品である。
(Wikipediaより)
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残された映画作品には、以下のような作品が。
これらの長編が評判になっていたのは当時から知っていたのですが、アートな映画ということで、私、観てもわかるのか?眠くなってしまうんじゃないか?と心配で、観たことがなかったのです。

「アリア」というオムニバス映画の中での短編だけは観たことがありましたが。。。

イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・サン In the Shadow of the Sun (1974年)
セバスチャン Sebastiane (1975年)
ジュビリー/聖なる年 Jubilee (1977年)
テンペスト The Tempest (1979年)
エンジェリック・カンヴァセーション The Angelic Conversation (1985年)
カラヴァッジオ Caravaggio (1986年)
ラスト・オブ・イングランド The Last of England (1987年)
ウォー・レクイエム War Requiem (1988年)
ザ・ガーデン The Garden (1990年)
エドワード II Edward II (1991年)
ウィトゲンシュタイン Wittgenstein (1992年)
BLUE ブルー Blue (1993年)

御覧になった作品ありましたか?おすすめがあったら教えてください!

おすすめがわからなかったので、DVDジャケットの表紙が、「ナルニア国物語」で白の女王役だったティルダ・スウィントンの写真の「ザ・ガーデン」をまずは借りてみました。

ティルダ・スウィントンは、「セバスチャン」でデレク・ジャーマン作品に出演して以来、ずっと出演し続けている、いわば彼のミューズ的存在の女優さんだそうです。その中性的な魅力が良かったらしいですね〜。(デレク・ジャーマン作品じゃないんですが、彼女が両性具有的な役柄の「オルランド」もずっとビデオに録画したままになっているので、今度挑戦しなければ。)


幻想的な庭をモチーフに、宗教、夢、幼少時の記憶など、様々なイメージを織り込んだ心象風景ドラマ。 
 
『ラスト・オブ・イングランド』の撮影後、ジャーマンは、ロンドンから車で南へ2時間程いったドーバー海峡に面した村ダンジョネスに小さなコテージを購入した。コテージの先には原子力発電所が見えるという不思議な雰囲気のする場所である。彼はスーパー8で日記のようにダンジョネスの風景を撮り始め、また同時に石ころだらけの家の周りに庭を作り始めた。月日と共に庭は小屋の周りを囲み大きくなり、花が咲き、蜜蜂が飼われ始めた。映画『ザ・ガーデン』はそのスーパー8の映像とスタジオで撮影された映像をミックスして構成されている。

美術展で流されるようなアート映像で、台詞はほとんどなかったのですが、思ったよりもいろんなイメージがわかりやすく編集されていたので(あくまでも思ったよりもなんですが。)面白く観ることができました。

原子力発電所の隣に実際にデレク・ジャーマンの庭があったそう。よくあるイングリッシュ・ガーデンではない、彼独自の美意識によって流木や小石などで作られた庭園を、アダムとイブが住んでいたエデンの園に見立てて、禁断の実を食べて楽園を追い出されるシーンから映画は始まります。家の中には、このストーリーを考えるデレク・ジャーマン自身の姿が。映画作りの構想を練ったり、庭仕事をしたりする彼自身と、聖書の物語を現代に置き換えたようなストーリーがシンクロしていきます。

しつこくパパラッチされるマリア(ティルダ・スウィントン)とキリスト。

キリストの受難は、愛し合うゲイカップルが迫害されている様子と重ね合わせて。

キリストを裏切ったユダは、首を括ったパンクスの青年が演じ、彼は首を括ったままの姿で、金融会社のカードのCMに出演。

最後の晩餐のような長いテーブルでは、生命力や生活の営みや日常を暗喩するかのような様々な出来事が
あり。(グラスの縁をこすり合わせておばさんたちが音を出し続ける、ダンサーがフラメンコを踊る、老教授たちに囲まれて幼いキリスト?が勉強する、聖体であるパンを食べる・・・。)

復活したキリストは旅をしているようだが、堕落した大騒ぎする男女やジョギングする男性に、磔されて釘を打ち付けられた痕を見せても、キリストとは気付いてもらえない。

マグダラのマリアは、女装した男性で、女性たちに衣装やかつらをひっぺがされて罵られている。

様々な映像やイメージが、「ザ・ガーデン」の移り変わる自然の色彩の不思議な映像とともに、流れていきます。

面白かったけれど、80分でもかなり長く感じてしまったので、こういった実験的な映像は、60分くらいがちょうどいいかもしれないとも思いました^_^;(特にゲイカップルが迫害されるところは、不快感もあったので、耐え切れない感じもあったかも。。。)

デレク・ジャーマン自身がゲイだったので、いろんな差別を感じて生きていたのかなー。。。

ラストは、ゲイカップル、マリア、幼いキリスト、ヨゼフ?の穏やかな晩餐でした。

この庭の写真集があって、当時「デレク・ジャーマンの庭」として、話題になったそうですよ♪

また違うデレク・ジャーマン作品にも挑戦してみようと思いました。

ミスター・ロンリー

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心に響く作品という記事をいくつか拝見したので、以前から気になっていた「ミスター・ロンリー」を観賞しました。

とても繊細な映画だと思いました。

弱冠19歳で書き上げた「KIDS/キッズ」の脚本で“恐るべき子供”と注目を集めたハーモニー・コリンが、「ジュリアン」以来8年ぶりに手掛けた監督第3作。有名人のそっくりさんとして私生活でも他人を演じ続ける人々が共同生活を送る古城を舞台に、繊細で不器用な男女が織り成す奇想天外にして切ない人間模様を綴る。主演は「天国の口、終りの楽園。」「ダンシング・ハバナ」のディエゴ・ルナ、共演に「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」のサマンサ・モートン。

マイケルは、幼い頃から自分に対する違和感を抱え、いつしかマイケル・ジャクソンを演じることでようやく生きていられる不器用な青年。仕事としてモノマネを披露している時はもちろん、それ以外の時もずっとマイケル・ジャクソンになりきって生活していた。ある時、老人ホームでの仕事の際、彼はマリリン・モンローとして生きる美女と出会い、恋に落ちる。彼女は夫のチャップリンと7歳の娘シャーリー・テンプルと一緒に、スコットランドの古城で他のモノマネ芸人たちと共同生活を送り、彼らと地上最大のショーの実現を目指していた。そんなマリリンに誘われるまま、スコットランドへと向かうマイケルだったが…。(allcinema ONLINEより)

ハーモニー・コリン監督作・脚本作は、とても気にはなっていたのですが、題材があんまり好きじゃないかまたは自分のネガティブな部分に反応するような、観終わってあまりいい気分にはなれそうもないかな・・・と勝手にまた先入観を持っていたので、いままで観賞してきませんでした。観ないとわからないものなのに。。。でも、この「ミスター・ロンリー」は、少し大人になった監督が撮った作品で、ずっと自分以外の人を物真似している人々(インパーソネーター)のことを描いた作品ということで、観たい!と思い観賞しました。

子供の頃から、自分自身でいることに違和感を感じ、自分があまり好きでなく、憧れの人物になりきって生活しているインパーソネーター。私も演劇に興味を持ち始めたのは、演劇の舞台上での自由さにほっとできたというところから始まったというところがあったので、この気持ち、わかるような気がしました。
ただ、舞台上の役柄って、(映画の役でもいいんだけれど。)自分が脚本や監督しているわけではないので、その役柄になってその場を生きても、必ずしも自分の好む役柄を演じ続けるわけにはいかないのです。その点、物真似芸人として、日常も生き続けるということは、ずっと憧れの人物のままで、嫌いな自分を消して生きていけることなのかな?と思いました。ここまで徹底してしまった人たちって・・・。

その憧れの人物だったら、こんなふうに行動したり発言したりできるんだ!となるのでしょうが、それは、本来の自分を嫌いといいながらも、かえって、自分にこだわってる人なんだといえるんじゃないでしょうか。自分自身を守りたい、壊されたくない、と感じすぎて、鎧を着けているような。。。本来の自分は隠されたままなので、それでは自分自身としての人生はからっぽになってしまうかもしれない。その苦しさも、また悩みになってきたり。。。ギャップに苦しむのか、もうギャップを当たり前のこととして割り切って暮らしていくのか・・・難しいようで、こんなことは人によっては簡単なことだったり・・・。わけて考えないで、それも自分として受け入れていくのか。
自分って何か、虚構に夢中にならずに自分の人生を充実させることを考えたら?って言われたことを思い出したり・・・なんとなくいろいろなことを考えてしまいました。

そもそも自分っていうものにこだわるのが馬鹿らしい、自分であるなんて何の意味があるのか?ただ生活していく、それだけで充分なんじゃないか、もっと人って単純なものでいいんじゃないか、動物たちが自分にこだわってるの?・・・そんなところまで考えていくときりなくなってくるんですけどね。。。

もうひとつ、パナマの修道女が、飛行機で貧しい人々に物資を撒いていたところ、一人のシスターが誤って飛行機から落下。絶体絶命かと思われたのですが、神に祈ったところ、奇跡がおき、シスターが助かったというお話が同時進行していきます。他のシスターたちも、試してみると、みんな飛行機から落ちても無事生還。その奇跡をローマ法王に見せることになると・・・。見返りを求めず、純粋な気持ちでいるうちは、奇跡が起こるのに。。。純粋な信仰心を考えさせられるような、または人生にいいことばかりは続かないのだと言っているかのようなビターな寓話が挟まれています。ブルーの修道服を着たシスターたちが、スカイダイビングのように空に舞っている姿が美しく印象に残りました。

マイケル・ジャクソンの物真似をする若者をディエゴ・ルナ。ディエゴは、ガエルと出演した「天国の口、終わりの楽園」でも繊細で優しい感じがあったので、この役柄には良かったんじゃないでしょうか。
繊細過ぎて、彼の心を壊しちゃいけないような気持ちになるくらい、内気で優しい彼。派手なパフォーマンスと対照的な静かな語り口でした。

サマンサ・モートンがマリリン・モンローとは、最後クレジットでるまで、よくわかりませんでした。
それだけマリリンになりきっている女性になりきっていて、明るく可愛らしいお色気のマリリン、その裏側にある寂しい心、心の部分にシンクロしてしまった女性を哀しく無邪気に演じてました。。。

エージェント役にレオス・カラックス監督!曲者だけれど2枚目な雰囲気です。俳優でも充分やっていけそうな渋さ、かっこよさでした。
そして、チャップリンにカラックス監督の分身のようなドニ・ラヴァン。少年だったのに、一気に老けて、怪優になってきましたね〜。「TOKYO!」のメルドも怖かったけど、このチャップリンも怖かったです・・・。
神父、ちょっと胡散臭い感じだなーと思っていたら、ヘルツォーク監督だったんですね^_^;

「ミスター・ロンリー」の歌、首吊りの歌・・・映画の中で、音楽が強く心に響いてきました。
聴きながら、泣けてくるような・・・。音楽の力も感じた映画でした。
どこを切り取っても美しい詩的な映像も魅力です。

地獄に堕ちた勇者ども

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ルキノ・ヴィスコンティ監督の「地獄に堕ちた勇者ども」を再見。

ずっと前に、テレビで深夜に放映していたのを観賞したことがありましたが、とっても眠かったということと、まだ私の中身がお子様だったのか?あんまり覚えてなくて、内容も把握しきれなかったような気がして、もう一度、テレビ放映したものを録画して観賞しました。民放だったのですが、これ、もしかして随分カットもしてあるのかな〜???あらすじを読むと、ラストがカットされてるような???

でも、以前観た時よりも、内容がわかりました^_^;

ナチスが台頭してきた1933年。ドイツの工業中心地帯、ルール地方に権勢を誇る製鉄王、エッセンベック男爵の行く末にも暗雲が垂れこめていた。老男爵の誕生日、主を祝うため一堂に会する一族の面々。男爵の息子の未亡人ソフィとその息子マーチン、ソフィと愛人関係にある総支配人フリードリヒに男爵の姪の娘エリザベートと自由主義者の夫ヘルベルト、さらには甥のコンスタンチン男爵とその息子ギュンター。誰もが心の中では老男爵の財産を虎視眈々と狙っていた。おりしもベルリンでは国会議事堂焼き討ちが始まり、邸内にも不穏な空気が漂い始める…。(allcinema ONLINE)

「ルードウィヒ 神々の黄昏」「ベニスに死す」とともに、ドイツ(退廃)三部作のひとつと言われている映画。

「ベニスに死す」は好きな映画のひとつでしたが、「ルードウィヒ」も、この「地獄に堕ちた勇者ども」と同じように深夜の眠すぎる時に観賞したので、あまり覚えてませんでした。こちらもまた鑑賞しなおしたいですね^_^;

耽美の極みのような内容ですが、仄めかすような表現で描かれているところも多くて、以前だとなんだかよくわからなかったというのが正直なところですが、今回の観賞では、そのあたりも想像できました。
以前が頭悪すぎだったのかもしれないんですけどね。高校生くらいで観たんじゃないかしら?

ナチが男爵家の一家を利用し滅ぼしていくのですが、その際に、その一家の野望、弱み、恨みを知り、コントロールしていくという方法がとられます。コントロ−ルしきれない人物は、粛清していく。時代の空気が、ナチの横暴とも言える粛清を容認しているので、人殺しや大量殺戮も、犯罪にはならないのです。
その有無を言わせぬ力が、だんだん強くなっていくのが、怖ろしかったです。

この一家では、男爵の戦死した息子の未亡人と、その息子が、かなり強烈なキャラクターで、ナチの異常さと、シンクロしていくように、彼ら親子の耽美的で異常な資質が、大きくなって、この一家を破滅へと導いていくかのようでした。

特に、息子役のヘルムート・バーガー!祖父の誕生会に女装して歌い踊り、会社経営に興味がなく、ダンサーの恋人のところに入り浸り、麻薬に溺れ、隣人の幼女に興味を持ち、自分の母親にも愛憎入り混じった複雑な感情をいだいている。ただ弱弱しい子供のような人間なのかと思わせて、非情でプライドの高いキツくエキセントリックな性格も見せる。このような複雑な性格になったのは、彼の母親が、小さい頃から彼を支配し抑圧し続けたせい(「かつらとルージュで支配され続けた。」と母親に言っていた。)だったのかもしれないし、彼の元々持っていた性質だったのかもしれない。そんな複雑な人物を、美しい容姿で、神経質に邪悪に演じて、ヘルムート・バーガーは凄いです。(彼は当時、ヴィスコンティのパートナーで、ヴィスコンティによると、彼自身は普通の人間なのだが、自分がそういった面を引き出したのだ・・・と語っています。ヴィスコンティの死の直後は、ヘルムート・バーガーは荒れた生活を送りましたが、今は、自分はヴィスコンティの未亡人である・・・と語っているようです。)

母親役のイングリッド・チューリンの退廃美の塊のような存在感も凄い。(未見ですがベルイマンの「野いちご」に出演してるんですね。)ダーク・ボガード演じる、野心により成り上がりながらも罪悪感にさいなまれる人物との謀略は、まるでシェイクスピアのマクベス夫人のようにも見えます。そして、彼らも、時代に飲み込まれていくのは、自業自得な面が多分にあるとしても、たいへん哀れでした。

まだまだこの映画の時代は、ナチスの横暴が始まったばかりの時代で、これから更に怖ろしい闇の中に嵌っていくのかと思うと、やりきれないです。自分は耽美なものは好きだと思ってましたが、ここまでの耽美退廃には、気が滅入りました。。。特にファシズムと手を結んだような破滅的耽美に溺れていくマーチンは、怖くおぞましく、美しさと残酷さが同居して、デカダンの極みなのかもしれないですが、惹かれるよりも、怖い気持ちの方が勝ってしまいました。(でも、ヘルムート・バーガーはずっと気になる俳優で、「家族の肖像」も「ルードウィヒ」も観てはいたので、またヴィスコンティとの代表的なこの2作品も再見したいです。)

いろんな思想を持った人々が、ナチス一色に飲み込まれていくのも、遣る瀬無くて。。。

知らなかったのですが、ヒトラーが、邪魔になってきた突撃隊を粛清した歴史に名高い〈血の粛清〉の日、突撃隊員がヒトラーの親衛隊によって急襲されたという「長きナイフの夜」も描かれています。男娼の宿で、彼らが騒いでいたところを惨殺。(あそこは男娼宿ですよね?あの頃は、普通にそういった店もあったのでしょうか?それとも、ヴィスコンティの趣味?で映画ではその設定に?)映画全体のイメージを形成するような印象的な血生臭いシーンになっていました。

若き日のシャーロット・ランブリングも出演してます。(珍しく退廃的な役柄じゃなくて、家族を愛する優しい可憐な悲劇的な役柄でした。)

本当に凄い内容の映画でした。。。後味も大変よくないです。観終わった後は、気持ちが暫らくガサガサになってしまいます。でも、ヴィスコンティの貴族主義、耽美主義が、凝縮されたような代表作であり、傑作なんだと思いました。

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