kariokaの「極楽鳥シネマ」

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ヨーロッパ映画

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華麗なる恋の舞台で

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「華麗なる恋の舞台で」を観ました。イギリスの作家、サマセット・モームの「劇場」が原作だそう。
これも、とても観たかった映画。一番の理由はジェレミー・アイアンズが出てるからですが^_^;
でも、バックステージものって大好きなので、舞台女優のお話だし、観てみましたよ!

思わず拍手喝采を贈りたくなる、
爽快なクライマックス!
1938年ロンドン。満たされながらも変化のない生活にうんざりしていた人気女優ジュリアは、親子ほども年の違う米国人青年トムと出逢い、恋に落ちる。だが、それもつかの間、トムは若い女優と恋仲になり、ジュリアは傷心。それでもジュリアは、その女優を彼女の舞台に抜擢してほしいというトムの勝手な願いを聞きいれ、余裕の素振りを見せるのだった。現実を受け入れ、すべてを譲ってしまうかに見えたジュリアだったが、傷ついただけでは終わらないのが、大人の恋。彼女の人生の第2幕は、まるで華麗な舞台のように、ドラマティックな結末を用意して、今、幕をあけようとしていた―
軽やかで大胆、そしてちょっと意地悪な大人の恋の駆け引き―
女として、女優として、自らの転換期をしなやかに受け入れ乗り越えていくジュリアの姿と、彼女が仕掛けた痛快なクライマックスに、誰もが拍手喝采を贈りたくなるだろう。

ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞アネット・ベニングと豪華スタッフ陣が創り出す、
サマセット・モーム「劇場」の世界
女優という才能に恵まれておりカリスマ的存在感を持ちながら、誰もが持つ、葛藤や悩み、自尊心との闘いをチャーミングに表現した、アネット・ベニング。本作でゴールデングローブ賞主演女優賞受賞、アカデミー主演女優賞ノミネート他、世界中の映画祭で賞賛を浴びた。(公式より)

監督は「太陽の雫」のハンガリー人のイシュトヴァン・サボー監督。「太陽の雫」の重厚さと較べると、軽いコメディタッチの映画ですが、でも、とっても面白かったです!(「太陽の雫」はレイフ・ファインズがハンガリのユダヤ人一家を三代に渡って演じる第一次世界大戦から100年あまりに渡る壮大な映画で、重厚で苦しくなるような、でも素晴らしい映画でした。)

アネット・ベニングが上手い!容姿はニコール・キッドマンをちょっと老けさせたような感じで、とっても美しいんですが、愛嬌があるんですよね。わがままな大女優の役なんだけれど、彼女が演じると、とっても無邪気でキュート。観てるうちに、どんどんジュリアを好きになってしまうんです!男性だけでなく、女性のスポンサーもジュリアを愛してるし、お世話をする女性もいろいろ言いながらもジュリアが大好き!故郷のお母さんもとても優しくて、とっても可愛がりながら育てたんだろうなーと少しの登場でも思わせてくれます。人気女優って、人に好かれるというのが、やはり大きな条件ですよね〜。ちらっと観たテレビで今人気の女形の男の子が「みんなに好かれたい。無理かもしれないけど、好かれたい。」って言ってたんですが、スターになる人は、みんなに好かれるのが絶対条件なんだろうなーと思ってしまいました。

ジュリアは恵まれていて、英国一の美男子のご主人(もちろんジェレミー!)、素直で好青年の可愛い息子もいて、女優としても名声がある。でも、何か、最近は同じような毎日に疲れて・・・。息子くらい歳の離れたファンのアメリカ人青年と恋をするんです。あんまりかっこいい子じゃなかったけど・・・。(私が好みじゃなかっただけかも?)息子が「彼には母さんはもったいない。」って言ってましたが、そう思いました〜。でも、彼女は無邪気にはしゃいで、若い彼に恋するみたいにみえる。恋に溺れてるようで、でも実は単純な彼を軽蔑したり、その恋する気持ちを舞台の演技に利用しているところもある。

彼女を育てた演出家が、何年か前に亡くなったのですが、亡霊のように彼女にお説教に出てきます。(ここ、面白いですね。)
「舞台の上だけが真実、劇場の外がまぼろしだ!」と言う。その言葉が彼女の身に染みすぎていて、どれが本当の感情かわからなくなっていたのが、面白かったです。観ている方もわからなくなってしまうんです。ただ、上の写真の息子と抱き合うシーン、長年の友人との抱擁、ご主人との同志としての喜びの抱擁は、とってもいいシーンで、彼女の心からの喜びのシーンだったんじゃないでしょうか。(私は特に、息子とのシーンが泣けちゃいました。この子、とっても繊細でシャイな表情でいいんですよね〜。)

新進女優に男性も主役も奪われて、へこんだかに見えた彼女、そのままでは終わらない!
ラストは痛快でしたねー。さすが、大女優でした。したたかだー。このくらいじゃなきゃねー。
アネット・ベニングも楽しそうでした。少し前に観たオゾン監督の「エンジェル」の主人公とは違って、とっても強い女性ですね。全部舞台に生かせて。でも、喧騒の後、「馬鹿馬鹿しい」とひとりになりたかった彼女が、少し孤独にも見えました。

ジュリアを本番です!と呼びにきた男の子、アメリカ人の子よりハンサムだなーと思ってたら、彼はジェレミー・アイアンズの次男だそうですね。さすが、ジェレミーの息子、一瞬の登場でも美男ぶりが光ってました!(一瞬でもチェックしちゃう私もどうなの〜^_^; )

俳優もみんな上手くて、面白かったです。ジェレミーは、歳なのか、最近はこういったコメディが多いですねー。さすがに破滅型を演じるのは疲れたのかな?でも、なかなかの食わせ物で、面白かったです☆

「太陽の雫」の監督らしく、ラスト、劇場の外の客に、これから社会が戦争一色になるかのような台詞を言わせてるのが、印象に残りました。1930年代のロンドンは、まだ幸せな時代だったのかも。劇場の華やかさ、人々の優雅さも楽しめる映画です!

こわれゆく世界の中で

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この映画もとっても観たかった!「こわれゆく世界の中で」
監督が大好きな映画「イングリッシュ・ペイシェント」「コールドマウンテン」のアンソニー・ミンゲラだったし、ジュード・ロウ主演だし。監督にもジュードにも馴染み深い現代のロンドンが舞台のこの映画。アンソニー・ミンゲラの映画、好きだなーと益々思いました。
主演の三人も子供たちも、俳優みんなが素晴らしい!!!
ロンドンに暮らしている監督は、ロンドンのいいところも悪いところも愛着をもって描いて、そこも素晴らしいんです。

現代のロンドンを舞台に、それぞれに問題を抱えた子供との関係に苦悩する2人の女性と、そんな2人と恋に落ちたひとりの男の葛藤を描いたドラマ。出演はジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン。監督は「イングリッシュ・ペイシェント」「コールド マウンテン」のアンソニー・ミンゲラ。
 ロンドンのキングス・クロス。建築家のウィルは、この地区にオフィスを開き、都市再開発の巨大プロジェクトを請負っていた。私生活では映像作家リヴとその娘と暮らしていたが、心のバランスを崩して苦しむ娘の存在がリヴとウィルの間に暗い影を落としていた。そんな時、彼のオフィスが2度も窃盗の被害に遭う。やむを得ず自ら夜のオフィスを見張り始めたウィルは、やがてオフィスに侵入しようとしていた少年を発見、少年の身辺を探るうち、次第に彼の母親アミラに心惹かれていく。(all cinemaより)

ジュード・ロウ演じるウィル。わざわざ複雑な女の人に関わっていこうとする。一緒に暮らしているリブは、学校も行かず体操ばかりに打ち込んでいて睡眠をとらない自閉症傾向にある娘がいる。ウィルとの実子ではなく、娘を眠らせるために真夜中車を走らせていたときに、どうやらウィルと知り合ったらしい。娘を心配するあまり鬱病気味になってしまい、ウィルと最近は目を合わせることも少なくなっているリブ。
ウィルは忙しい仕事を抱えながらも、リブ親子と家族になりたいと努力はしているが、彼女の娘への思いが強すぎて、その関係が最近はあまり上手くいかない感じ。でも、彼女と娘への愛情は大きいみたい。
3人の誰が悪いわけではないのに、みんな傷ついて疲れてしまってるみたい。投げ出さないで、頑張ろうとしてるのが痛いけれど、偉いなーと思った。

ただ、ウィルは、いろんな人と深く関わるのが好きな人物みたい。浮気性とは違うんだけれど、窃盗犯の見張りのときに出会った売春婦とさえも、友人のようになり、その人物の心の中に入っていくような会話をしてしまう。彼女はそれがかえって自分への侮辱と感じて怒り出すんだけれど。(この頭のいい女性の役、「ディパーテッド」のヒロインだった人なんですね。全然違うからびっくりしました。こちらの役の方がいいです。監督はケイト・ブランシェットのように役になりきる才能を持った女優と、とっても評価していて、わざわざアメリカに会いに行き、「ディパーテッド」の撮影スケジュールと重ならないように調整して、出演オファーしたらしいですよ。)

そして、窃盗犯の少年の母親であるボスニア出身のアミラに出会う。最初は少年のことを探ろうとしていただけだったんだけれど、彼女の人間としての誠実さや苦労、逞しさ、明るさなどに触れていくうちに、アミラを好きになってしまうんですよねー。また〜!複雑な事情を抱えた女性を好きになってしまって!と思いましたが、心からの対話、繋がり、真実・・・いろんな辛さを知ってしまった女性と語るうちに、助けてあげたいと思ってしまうのかな〜???支えになることで、自分も救われたいのかな?父性が強い人なのだろうか・・・。アミラを愛するようになりながらも、リブたちのことも考えて・・・。なかなか複雑な状況に自ら陥ってしまう人なんですよね。人として、悪い気持ちはない、純粋な思いが強い人たちなんだけれど、みんな傷ついてしまう・・・。自分がその渦中だったら辛いなーと思うけれど、逞しいというか、話を重ねることによって、乗り越えていこうとする、相手を思いやりながら本音を語り再生しようとする物語が、心に響いてしまいました・・・。

ジュリエット・ビノシュとロビン・ライト・ペンは、監督が語るように、全く反対のキャラクターなんだけれど、まさに適役。ビノシュは巧い!ボスニアからの女性を徹底的なリサーチで説得力ある演技でみせる。彼女、よくもてる役を演じてるんですが、最初はそう?と思ってたのに、あの逞しさや生命力の強さをみせられたら、男性が惹かれるのもわかるかも・・・と、初めて思いました。ビノシュの出演映画はやはりいい映画が多いので、ほとんど観てしまうんですが^^; ミンゲラ監督もかなうならあと300回は一緒にやりたい!ってラブコールを送ってます。

ロビン・ライト・ペンは初めて見たけれど、ノーメイクも嫌がらない、何かに耐える女性を演じていいですね。感情が爆発しながらも、次の場面では反省して彼を受け入れたり。つかみどころがないようで、優しさもあったり。監督がその不可解さがいい!と言ってました。(初めてって違いました。フォレスト・ガンプの可愛いヒロインだったんですね〜。知らなかった!他のショーン・ペン絡みでは観てなかったので。)

子役のふたりもいいですね。時にアミラの子供の少年は、「ヤマカシ」(リュック・ベッソン映画)のひとりかと思うほど身軽で、賢そうで可愛い少年でした!

もっと子供たちが問題を抱えてても、笑いやおおらかさがあったなら、ここまで深刻にならなかったのかなーとも思ったりもちょっとしましたが。。。勘が強い子を持つと、ピリピリしてしまうのかな。体操で変なポーズ取ったり、電池を隠しても、もっと親がおおらかな対応ができれば違うのかな。私もピリピリタイプですが^^;

ジュード・ロウは自分に一番近い役柄だったようですが、ジュードの映画では観た中でもかなり良かったです。ミンゲラ監督と相性がいいんですね。

かなり気に入った映画になりました。監督が前向きな作品ばかりが映画じゃないし、登場人物をたとえ道徳に反したことをしていても、映画の中で裁きたくない・・・と、語っていたのが印象的でした。
自分の心だってわからないことも多いのに、人とわかりあうのはもっと難しい。でも、わかりあいたい気持ちも強くて・・・。いろんな葛藤がある映画ですが、私は好きです。
ロンドンが抱える再開発、移民、貧困などの問題も描かれていますが(監督自身が移民だったそうです。)いつもの灰色の街ではなく、美しい色彩のロンドンも丁寧に描いてもいます。

さらば青春の光

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ずっと気になっていた「さらば青春の光」をレンタル。ザ・フーが出資して、アルバム「四重人格」をサントラに、ピート・タウンゼントらが脚本にも参加した作品。こういうロックがベースになってる映画って、気になります。でも、ザ・フーにはそんなに詳しくないです^^; 楽器壊しながら演奏してるイメージ。でも、歌詞を理解しながら聴くと、やはりいいですね。特に冒頭とラストの歌はいいです!

私が昨年から、大好きになった元ブランキー・ジェット・シティの浅井健一ことベンジーが、一番好きな映画とあげているのが、この映画でもあったので、観なくては!と。ベンジーの歌、もうずっと聴いてます。JUDEやSHERBETSというベンジーのユニットの曲も。聴けば聴くほど大好きになる。。。

ザ・フーのアルバム『四重人格』を原作として製作されたフランク・ロッダムの情熱的な作品。ロックを基盤にした作品としては、ザ・フーの別のロックオペラ『トミー』やピンク・フロイドの『ザ・ウォール』、ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』などの成功に並ぶ。1960年代の英国ブライトンを舞台に、自分の道を模索する若者グループ、モッズとロッカーズの対立を描いたストーリー。ザ・フーのアルバムに即したストーリー展開ではあるが、完全な映画化にはなっていない。この作品は、自分のアイデンティティーや服装、一緒にいる仲間さえロックを基準に選択する10代という揺れ動く年代を淡々と描いている。スクーターを乗り回し、イカしたファッションを自認するモッズのジミー(フィル・ダニエルズ)。聴く音楽はアメリカン・ソウルとブリティッシュ・ポップ・ロック。一方、対立するロッカーズは、皮ジャンと革靴で身を固め、オートバイで駆け回るタフな集団。こちらの音楽はアメリカン・ロックンロールだ。若者のポップ・カルチャーを完ぺきにとらえた作品である。また、ホテルのベルボーイとして働く表の顔を持ったモッズ青年にスティングが登場しているのも見逃せない。(Jim Emerson, Amazon.com)

イギリスの青春音楽映画の代表という感じでした。もう少し後の世代だと「トレインスポッティング」になるのかな〜?トレスポよりは、激しくない、まだのんびりとした雰囲気もあるけれど。主人公はモッズ。どこにでもいる調子に乗りやすいちょっと愛嬌もあるお兄ちゃんですね。ベスパ、ミラーがいっぱいついててかっこいい。うーん、でも、私ももっと若い頃に観てればよかったかも。哀しいかな、この子達のお母さん目線になってしまうんだよねー。たいして面白い仕事につけない不況の世の中みたいだけれど、仕事するって大変なことなんだから、もっと真面目に働きなさいよーとか、人の店暴れて壊すなーとか思ったりして。。。十代の頃は、会社員なんてみんな同じに見えたりしたけれど、お給料稼ぐって大変なことなんだよーと、主人公にイラッとする自分がいました。でも、この主人公以外は、もう仕事は仕事、遊びは遊びってわりきってるみたいで、それもなんか虚しいかななんて、勝手に思ったりもして。モッズであることにのめりこむ彼が、器用な仲間たちよりも純にも思えたりもして、だから、ラストはとってもほろ苦い。崖から落ちていくベスパが哀しいです。

そんなに深刻な雰囲気じゃなく、みんな馬鹿みたいに騒いでて、だからその後の取り残された感じが寂しいのかも。突然襲う一人な感じがとっても哀しい。あんな思いしたこともあったなーとか思えるような・・・。馬鹿なんですけどねー。結局、可愛い彼女に振り回されただけかもしれないんだけど。

ポリスのスティングは「グッド・ルッキング」って映画で言われてるように金髪で目立っててかっこいいけど、そんなにたくさんは出てきません。でも、この映画で、象徴的な存在ではありました。
あと、一番可愛いあの女の子、安室奈美恵ちゃんに似てるなーと、観ながらずっと思ってました(笑)

おしゃれなバイクもたくさんでてきて、かっこいいファッション、可愛い女の子、パーティー、ドラッグ、ロック・・・青春映画だなーと、十代で観なかったのが残念な映画でした。でも、十代で観たら、もっと気分が刹那的になってたかもねー。。。それはそれでいいものですが!

予告篇。音楽かっこいい!「四重人格」ちゃんと聴いてみよう。。。

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善き人のためのソナタ

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2007年度のベスト映画を発表してらっしゃる方が多いですが、その中でどの方もあげている映画がこの「善き人のためのソナタ」でした。アカデミー外国語映画賞も受賞。

ベスト10に入るような新作を昨年あまり観てなかったのに気がついたので^_^;
レンタルにあったので、借りてきてみました!

善き人という題名にちょい、抵抗があったのですが・・・。(自分は善い人じゃないかなーなんて思ってしまって。)ベルリンの壁崩壊前の東ベルリンの監視国家について描いた、いままで観たことがない映画でした。文化大革命時代を描いた中国映画にも似た、隣人を監視、密告するような、人の絆を疑わざるをえないような社会が、描かれていました。その中で、真に善き人であることができるのか、善き人になれるのかと、問われるような・・・。

「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」 

1984年、東西冷戦下の東ベルリン。 
壁の向こうで、何が起こっていたのか?
ようやく明かされた“監視国家”の真実――。 

あの日、聴こえてきたもの。それを聴いたとき彼は、生きることが与える歓びに震える。

国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。しかし予期していなかったのは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、いつの間にかその自由な思想、音楽、文学、生活や愛に影響を受け、今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく・・・。初監督作にして世界で大絶賛を浴びるのは、弱冠33歳のフロリアン・ヘンケルス・フォン・ドナースマルク。歴史学者や目撃者への取材、記録文書のリサーチに4年を費やし、人類史上最大の秘密組織“シュタージ”の内幕を驚くべき正確さで描いた本作は“近年のドイツでもっとも重要な映画”と称賛された。出演は、自身も監視された過去を持つ東ドイツ出身の名優ウルリッヒ・ミューエ。変わりゆくヴィースラーの哀しみと歓びを静かに物語る。また、『愛人/ラマン』や『イングリッシュ・ペイシェント』を手掛けたオスカー受賞者のガブリエル・ヤレドが台本から参加し美しいソナタを提供した。(アルバトロスより)

ヴィースラーが、心動かされる「善き人のためのソナタ」は、レーニンがベートーベンのピアノソナタ「熱情」を真剣に聴いた人間は、善き人になり革命を非情に行えない・・・と言ったことが、元になっているエピソードでした。また、ドライマンが好んで読んでいたブレヒトは、ナチス政権化、弾圧を避けて亡命し、その先のアメリカでは赤狩りにあい、戻った東ドイツでも、社会に対して目を向けようと啓蒙するような内容の戯曲により、当局に活動を制限されたという反骨の作家でした。あー、もっと、そのあたりの文化的なところを深く理解していたなら、もっと深くこの映画を理解することができたのに・・・と、自分の知識の浅さが残念にもなりました・・・。

ヴィースラーは、自分が忠実に勤めてきた国家側の上司が、下劣な人間であることに、だんだん嫌気がさしていたのかもしれません。そこに、ドライマンのように、東ドイツで制限を受けながらも、芸術家として正直に生きている、そして、常に善い方へと考えを持っていくドライマンに、人として、男として、惚れていったのだろうなーと思いました。ドライマンは男女問わず、人に尊敬され好まれる素晴らしい人物だった・・・。何故彼のような人が、彼の愛する芸術を取り上げならなければならないのかと、彼らを盗聴していくうちに、ヴィースラーは思うようになったのではないでしょうか。ドライマンを演じた俳優セバスチャン・コッホは、サム・シェパードにも似ていて、男が惚れるような男性だったのでは?そして、彼の恋人のクレスタは、あまりにも女優としての自分に固執しすぎて、実人生では弱い人物でしたが、あのような状況では、誰が誰を裏切っても、紙一重というか・・・。(「さらば我が愛、覇王別姫」の近衛兵に責められる主人公たちのシーンも思い出してしまいました。。。辛すぎますね。)でも、このような社会はおかしいと、少しずつでも良心に基づいてひとりひとりが行動をおこせば・・・それが、ベルリンの壁崩壊へと、繋がっていったのかもしれませんね。

ラストの数分で、映画が大きく変わるというのを、この映画は示してもくれました。そこで、涙が自然と流れて・・・。クールな終わり方でもありましたが、すっかり参ってしまいましたね。(一緒に観ていた主人は喜怒哀楽が激しいタイプなので、このラストはおしゃれすぎると言ってましたが、私はこれもありだなーと。それまでの苦悩と残酷な運命を考えるとね。。。)

しかし、東西統一後に、記念資料館で、自分を監視していた秘密の資料を閲覧できるなんて!!!びっくりしました・・・。

知らなかった東ドイツの監視社会の様子を、実際に監視された経験のあるウルリッヒ・ミューエが、微妙な表情の変化と演技で、私たちに伝えてくれました。(昨年の夏にお亡くなりになったのは残念ですね・・・。)

33歳の若い監督とは思えないようなしっかりしたリサーチにも基づいた、力のあるドイツ映画でした!

若者のすべて

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風邪で寝込んでいたお正月ですが、私が熱が下がった途端、子供が高熱でうなされたので、昼夜逆転してしまい、調子悪いながらも眠れなくなってしまった日があって、このHDDに入っていた3時間の超大作、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティの初期作品、「若者のすべて」を鑑賞しました。

長年、観たいなーと思っていた映画でした。「太陽がいっぱい」とちょうど同じ年1960年のアラン・ドロンが三男ロッコで主演しています。アラン・ドロンって凄い美形ですが、野心家で冷たいイメージであんまり好きじゃなかったんです。しかし、この映画のドロンは全く違った魅力でいい!と評判だったので、観てみたいな〜とずっと思ってました。

巨匠ヴィスコンティが悠揚迫らぬタッチでつづる、兄弟愛の大ロマンである。南部で貧窮にあえいでいたパロンディ家は、先に北部の大都市ミラノに出稼ぎに来ていた長兄ヴィンチェを頼って、老いた母と兄弟4人でやって来る。長兄には同郷出身の婚約者ジネッタ(カルディナーレ)がいたが、田舎出の彼らに対する風当たりは厳しいものだった。次兄シモーネ(サルヴァトーリ)は三男のロッコ(ドロン)と共にプロ・ボクサーを目指しジムに入ったが、娼婦ナディア(ジラルド)に夢中になり、自らその可能性を潰して、自虐の一途を辿り(バカンス旅行の豪華な園遊会を開くホテルを前にたたずむ二人が妙に寒々しかったのが記憶に残る)、ナディアは突然彼の前から姿を消す。一方ロッコはクリーニング店で地道に働くが徴兵され、寄宿舎へと赴くのだった。その後ロッコは寄宿地で偶然にナディアと出会い、ロッコの優しさに触れた彼女は急速に彼と愛し合うようになる。しかしそれに嫉妬したシモーネは仲間を引き連れ、ロッコの目の前で彼女を犯してしまう(まさに圧巻の場面!)。ナディアは愛するロッコの前での辱めに心深く傷つき、再び街娼へと逆戻りし、結局シモーネと退廃的な生活を送っていくのだが……。このネオ・レアリズモの総集編のような壮大な叙事詩を放ってのち、ヴィスコンティは、より典雅で耽美的かつ様式的な、貴族階級を描く独自の世界に没入していくことになる。(all cinemaより)

南部からでてきたばかりのバロンディ家の兄弟は、誰が誰だか区別がつかないほど、最初はよく似ています。みんなハンサムで立派な若者たち。ただ、社会の貧しさから、田舎から出てきた若者たちにには、仕事がありません。でも、お母さんは5人の兄弟を誇りに思って、なんとか貧しいだけの生活から抜け出させてあげたいと都会にやってきたのです。

映画は、5人の兄弟の名前がついている五つの章から成り立っているのですが、この兄弟が、都会に出てくることによって、それぞれが違った運命を歩き出すようになるのです。子犬のようにじゃれあっていた、良く似た仲のよい兄弟たちだったのに。。。子供って、生活環境の違いよりも、その人間の生まれ持っての性質というのが、その人間の人格形成に随分影響してるんだなーと思えてくるくらい、運命は変わってしまうのです。

長男ヴィンチェは最初に都会に出て、愛する女性をみつけて、彼女との愛を中心にした幸せな家族を作ることに成功します。しかし、自分のもとの家族の心配までは、する余裕はなくなってしまいます。

次男のシモーネは陽気ですが、みんなが努力するところを要領よく嘘をついたりさぼったりするところがあるようで、その性質は、せっかくボクサーとしての天賦の才能があったにもかかわらず、堕落していく原因にもなっていたようです。みんなが早起きしても寝坊する、約束を破る、嘘をつく、平気で兄弟からお金を借りていく・・・と、だんだんと傍若無人になっていき、しまいには、娼婦ナディアに夢中になりすぎて、自分をどんどん見失うことになるのです。なんでそこまで・・・というくらい堕ちる人物です。

その反対に三男ロッコは、常に家族のことを思いやり、兄の望むことを聞いてやり、娼婦のナディアのことを心から可哀想に思って愛し始め、その彼女のことで心身共に痛めつけられながらも、そうしてしまった自分の方を悔やみ・・・と常に人のことを考えて赦している聖人のような人間です。ボクサーなんて好きじゃないのに、そのストイックさから、どんどん成功していき・・・。しかし、兄を思うが故に、彼女への自分の気持ちを抑えたばかりに、悲劇が起きてしまった。。。そのあたりの心の美しい人物像をアラン・ドロンは、なりきって演じていて巧いです。「太陽がいっぱい」とは正反対の人物像でした。。。このドロンは本当に美しく見えましたが、現実では生きていくことができないような人物でした。昔ならこんな人物像は好きじゃなかったんですが、ここまで他人のことしか考えない人物に、心打たれるようになっている自分がいました。ロッコの哀しみに涙してしまいました。ここまで自分を抑えられるものなんだろうかと・・・。

四男のチーロは、真面目に勉強をして学校へ進み、資格も獲って、大手の自動車会社に勤務することができます。しかし、家族の足をひっぱるシモーネを赦すことができず、腐った種は排除するべき・・・と語ります。最も、シモーネを愛していたはずなのに。

五男はまだ小さく、みんなから愛されて、家族の未来への希望でもあります。

似たようにみえた兄弟を、このように描き分けたヴィスコンティの力はさすがに素晴らしかったです。とても見応えのある3時間の映画になっていました!

娼婦ナディアを演じたアニー・ジラルドも、美しい悲劇的な女性を刹那的に演じて素晴らしいです。一番の被害者になってしまったのですが・・・。

シモーネ、ロッコ、ナディアの苦悩も、それぞれわかるようなところがあるので、辛いところも多い映画でした。辛いんですが、この刹那的になってしまった人たちのことを、いつまでも忘れがたいような映画でもありました。。。ヴィスコンティ自身が一番愛した映画でもあるそうですよ。

やっぱりヴィスコンティ、好きです。この後の退廃的な貴族社会の映画も、また観て記事書けたらなーと思います。いまのところ「ベニスに死す」が一番好きなんですが。

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