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私は今この場をどう逃げるかすごく考えていた。
私の隣にはなぜか元彼女が座っていて、楽しそうに反対側に座っている女性と話している。
とても和やかな雰囲気に見えるが、私にとっては全然和やかではなかった。
今すぐにでもこのファミレスから逃げたかった。
そもそも、なぜ元彼女が私の隣に座っているかというと、それは数十分前に遡る・・・・
私はなんとか元彼女を退けトイレへ逃げ込もうとしていたが、その時!元彼女に名前を呼ばれ、私はとっさ彼女の方を振り向いてしまったことが、もっともの原因だろう。
元彼女は私の顔を見ると、泣きそう顔をしながら話しかけてきた。
「やっぱり・・・泰司さん、泰司さんなんですね!」
「あ・・・・由梨子さん」
わたしはぎこちない言葉でつい元彼女の名前を呼んでしまった。
「私の名前まだ覚えていてくれたんですね・・・こんな私のことを・・・」
元彼女は涙を必死に抑えていた。
私はどうしたらいいのかわからず、ただその場で一人慌てていた。
「ゆ、ゆ、由梨子さん、あ、あの泣かないでください!」
なんとか彼女を泣かせまいと必死になっていた時、私はふと思った。
なぜ私は彼女に名前を呼ばれた時振り向いてしまったんだ?あの時、振り向かなければこんなことにはならなかったはずだ、なのにどうして振り向いてしまったんだ。
もしかして私はまだ彼女のことをあきらめきれていないのか?
だとしたら、私は―――。
そんなことを考えていたその時、すぐ近くで座っている女性と男性こちらを不思議そうに見ている視線を感じた。
「あのーそちらの方は泰司さんのお知り合いの方ですか?」
や、やばいこの状況はまずい!!なんとか女性に元彼女だと悟られないようにしなければと私はめちゃくちゃ焦っていた。
女性の唐突な質問に私はなんとか答えた。
「えぇ・・・まぁ・・・知り合いです」
私はなんとか元彼女を単なる知り合いの人で押し切ろうとした。
私の素っ気ない返事を聞くと女性は元彼女の方を向いて・・・
「あの泰司さんのお知り合いの方なんでよね?」
「はい、そうですけど・・・・」
「でしたら、私達と一緒にお茶しません?」
まさかの言葉に私はえぇー!!という言葉しかでなかった。(心の中で言っています)
「え?わ、私とですか?」
元彼女も突然言われたので呆然としていた。
「あ、でも今お仕事中ですよね・・・」
そうなのであった、元彼女はまだ仕事中なのである。
これで元彼女との関係はばれないとほっとしていたら・・・・・・・。
「いえもう仕事終わるところだったので、あの出来ればご一緒させていただけるとうれしいです!」
私はもうなぜだー!!!としか叫ぶ以外どうしたらいいのかわからなくなっていた・・・・。
こうして今に至るのであった。
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物語
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私は本当にそこに固まることしかできなかった。
(もし今彼女からティッシュを受け取れば、確実に彼女に顔がバレてしまう!)
どうしたらいいものかと私が考えている間に彼女がまた声をかけてきた。
「あのーこのティッシュお客様のものですよね?」
焦った私はつい咄嗟に彼女に嘘を言ってしまった。
「ち、違います!私のものではありません!!」
「え?でも、お客様のポケットから落ちたように見えたんですけど・・・。」
「えっとーき、きっと気のせいです!!」
「そうですか・・・。」
私は初めて付き合ってくれた元彼女に嘘をついた。
付き合っていた時、一度だって私は彼女に嘘をついたことはない。(多分)
でも、きっとこれでいいんだと思い、そのまま逃げるようにトイレに向かおうとしたら・・・。
彼女が一言私の方に向かって言った。
「あの・・・・もしかして泰司さん?」
彼女がその言葉を放った時、つい私は彼女の方を向いてしまった!
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彼女と会うのは何年ぶりだろう・・・・
私の事など覚えていてくれているだろうか
いや忘れているに違いない、あれからもう十年も経ってしまったのだから
あの頃は本当に幸せだった
そう彼女が私のもとを去っていくまでは・・・・
私はどうするべきかと迷い、その場で固まってしまった。
まさかこんなところで、十年も前に別れた彼女と出くはしてしまうなんて私はなんて不幸なんだ。
「どうかしたんですか相田さん、顔色が悪いようですけど?」
女性が心配そうに私に声をかけてくれたおかげか、私は何とか我に変えることができた。
「あっ、すみません!少し気分が悪くなってしまって・・・」
やばい・・・早くこの場から離れないと彼女とご対面してしまう!
「そんな大丈夫ですか!どうしましょう・・・・近くに病院はあったかしら。」
やばい!このままだと女性にまで迷惑をかけてしまう!!
「いや、病院いくほどじゃないで・・・大丈夫です。」
「本当に大丈夫ですか?もし気分が悪くなったら言ってくださいね。」
危なかったーもう少しで女性や男性にまで迷惑をかけるところだった。
とにかく、このままだと迷惑をかけるだけだと思い、私はトイレに逃げ込もうと席を動こうとした。
だが、私が席を立とうとした時、自分が配っていたティッシュをポケットから落としてしまった。
落としてしまったティッシュを取ろうと私が手を伸ばしたその時!!
「あのお客様、何か落とされましたよ?」
もう会うことはないと思っていた彼女が私のティッシュを取ってしまった。
もう私はその状態で固まることしかできなかった。
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私が真実に近づくにつれて
私が今どのような立場にいるのかが、少しずつわかってくるのだった
ファミレス内で私は、女性の問いに答えるために、すごく顔を真っ赤にさせて答える。
ただ自分の名前を言いうだけで、こんなに顔を赤くされても気持ち悪いだけにちがいない。
だが、私にとっては大きな一歩に変わりはないのだから・・・
「わ、私の名前は・・・あ、相田泰司(あいだ やすし)といいます!!」
すごく声が大きくなってしまったが、だが何か大きな達成感が自分の中で込み上げるのだった。
女性と横の男性は2回目の私の大きな声を聞いて、少し驚きながら笑っていた。
「そう、お名前は相田泰司さんっていうんですね。」
女性は少し笑い混じりで私の名前を言ってくれた。
女性が名前を呼んでくれた時、私はもう有頂天でした。
そんな幸せもつかの間、女性が放った言葉を私は聞き逃さなかった。
「実は横の彼も泰司なんですよ、まさか下の名前が彼と同じだなんて思ってもいませんでした。」
ま、まさかの名前が一緒だなんてーっとつい私は心の中で叫んでいた。
それになんて親しげなんだ、やっぱり彼氏なのかと不安が過ぎっていたその時!!
一人のウエイトレスが私に近づいてきた。
その顔を見て私は女性のやっぱり彼氏なのかなという不安がどうでもいいものと化してしまった。
なぜなら、私に近づいてくるウエイトレスは・・・・
私の元彼女だった人なのだから。
真実はこのあと
私に大きな選択をえらばせるのだった
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ファミレスの外は雨が止もうとしていた。
しかし、ファミレス内いる私はずっと沈黙を続けていた。
私はこれからどうすればいいんだと悩んでいた。
女性となんとかファミレス内に一緒に入るが、どうすればいいのかわからない。
それに、彼氏かもしれない男性まで一緒にいる時点で、もう私に勝ち目なんてないと思った。
そんなことで悩んでいる私に女性が・・・。
「そういえば、お名前なんって言うんですか?」
急に黙っていた私に名前を聞いてきたので、焦って私はテーブルの上に置いていた水をこぼしそうになった。
「わ、わた、私の名前ですか!!」
ファミレスに私の声が響き渡った。
女性も男性も私の声にびっくりしていたが、他のお客もびっくりしていたので正直恥ずかしかった。
自分の名前を聞かれただけなのに、こんなに緊張したのは初めてだった
言うんだ私!!と思ったが、男性も入るんだと思うと少し落ち込んだ。
そんなことを思いつつ、私は自分の名前を心込めて言おうとする。
すると、この後ついに真実があきらかになるのだった。
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