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なぜヒトは父系社会に転じたか
(産経新聞 2006/1/13 竹内久美子 動物行動学研究家)
伝統ではなく実質的問題
昨今の皇位継承問題に対し、ぜひとも生物学の観点を導入して欲しいと
私はあちらこちらで主張している。まずはその概要を述べると・・・。
日本の皇室は、代々男系の男子を天皇としてきた。
それは単なる伝統などではなく、実質を伴った問題である。
人間の性染色体は男でXY、女でXXという状態である。
生殖細胞をつくる過程である減数分裂の際、女はペアをなすXを二つ持つので、
互いに一部を交換した後(これを交差という)卵ができる。
ところが男は、XとYがペアをなさないので交差することなく精子ができる
(とはいえ、Yの両末端にわずかにXとペアになり得る部分があって、
そこで交差が起きることもある。が、大勢には影響がなく、実質的に
交差しないといえる。交差しないのは、常染色体のうりYのみ)。
精子にはXを載せたX精子、Yを載せたY精子があるが、
X精子が卵を受精させると女の子、Y精子が卵を受精させると男のができる。
こうしてわかるのは、父から息子へは、あたかも
家紋のように同じYが受け継がれるということだ。
つまり皇室は千数百年にもわたり、ほとんど同じY
(ほとんど、というのはまれに突然変異が起きて少し変化するから)
を継承してきたし、そのために側室を何人もおいて男子を得るとか、
血縁は遠いけれども男系の男子を皇位に就かせる、女帝は男系男子に
継がせるための中継ぎとしてのみ認める、などの努力をしてきた。
Yの存在も、その意義も知らないまま、父から息子に純粋に
受け継がれる何かあると直感し、受け継いできたわけなのだ。
今後、Yの意義にピンと来る人が、どんどん多数派になっていくだろう。
その際、第一子優先のような、わざわざ皇室伝統のYを途絶えさせる
ことになる愚かな結論を、なぜあの時の世の”識者”たちは
下したのだろうかという批判が起こるに違いない。
霊長類もサルまでは母系
しかしながら今回はこの問題を、少し別の観点から考えてみようと思う。
父系制の社会は、南太平洋の島々とか中国の奥地の辺境地帯を除けば、
見事なくらい父系制である。よほどの理由があるからだろう。
とはいえ哺乳類の社会は本来、母系制である。何しろメスが子に乳を与える。
母、娘、そのまた娘という、授乳を介したきずなが出来上がり、
それが社会の起訴となる。
霊長類でもサル類の段階までは事情は同じで、社会は母系が圧倒的。
父系制はマントヒヒなどごくわずか。
ところがこの原則が、類人猿、それも大型類人猿である、
ゴリラやチンパンジーとなると覆されてしまう。
ゴリラは一頭のリーダーオスが数頭のメスとその子供たちを率いている。
リーダーが死ぬと、その息子が後を継ぐのが普通である。
チンパンジーは複数のオスとメス、子供たちからなる乱婚的な社会を
つくっているが、集団を出ていくのはメス。つまり父系制である。
彼等はなぜ、父系に転じたのだろう。父系のメリットとはいったい何か?
父系であると当然、血縁のあるオスが集団に留まることになる。
それだけならどういうことはない。ポイントは他の集団と争う際。
つまりオスどうしが、血縁のない場合よりもはるかに強固な協力関係を
築くことができるという点なのである。
実際、サル類では体重が数キロから20〜30キロであるのに対し、
大型類人猿では、ゴリラのオスが150〜200キロ(メスはその半分)、
チンパンジーもオスが40〜50キロ(メスは幾分小さい)と、
随分大型化している。
それは血縁のあるオスどうしが連合し、他の集団と激しく戦うという
過程があったからこそではないだろうか。体が大きい方が戦いに有利であり、
より大きな体が進化してきたのである。人間にしても同類のはずだ。
安定社会から得る安堵感
類人猿からわれわれに続く歴史は数百万〜一千万年と考えられている。
父系制の社会で過ごしたこれらの年月の間に、集団(国家)は、
オス(男)の血縁者やオス(男)の連合、そしてオス(男)の
リーダーによって守られていることに安堵するという心も同時に
進化してきただろう。
皇位は、中継ぎとしての女帝は別として、
男系の男子(皇室伝統のYを持っている)
でなくては意味をなさないのではないだろうか。
■コメント■
動物学・遺伝子学からみても男系維持を守る必要性を感じてしまう。
竹内氏のような人を本来有識者会議のメンバーに入れるのが妥当であって、
ロボット工学やヨーロッパの文学の長けた人や経済人で構成された
有識者会議などの出した案など説得力に欠け改悪案と言われるのは当然だ。
よいよ政局は混迷の兆しが見えてきた。
皇室典範で解散総選挙になれば真の政界再編となるだろう。
それは靖国参拝とリンクしているからであるが、小泉総理の靖国参拝を
支持した圧倒的多数は皇室典範改正案には反対と思われる。
支持層を裏切ってまでも法案を強引に提出するのか?
彼は喧嘩相手を見付け抵抗勢力と見なして挑み結果的には勝ってきた。
それは本当の敵では決してなくて真の敵はスルーしてきた。
今回もそれに該当し、朝日新聞・社民党・共産党などの左翼が
支持する改正案を通すということが如何に危険で愚かな行為か分かってないらしい。
国家観・歴史観が欠如した首相ならではの発想だが本当に困ったものである。
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この話は非常に貴重ですね!以前、Y染色体を認識する学問も発達していない時代から、なぜ男系の伝統があったのかを疑問に思いましたが、その結論の糸口が見事に説明されています!閣僚でも改正に慎重な姿勢を見せ始めている方が複数いるようなので、今後の展開を注視したいと思っています。
2006/2/4(土) 午前 1:32 [ gol*t*to*t2006 ]
私もそう思いますが、女系推進者は取るに足らないと言います。歴史・伝統を重んじる保守主義VS改革・廃止に持ち込みたい左翼・新自由主義の戦いと言って良いでしょう。このまま強引に押し進めれば、真の政界再編が行われる可能性は高いと思ってます。
2006/2/4(土) 午後 3:16
この前、「SAPIO」を読んで、男系の持つ歴史的な重みを初めて知りました。何事にも歴史と伝統にはかなわないですよね。
2006/2/5(日) 午前 0:50 [ - ]
皇室の万世一系は日本が世界に誇れる歴史と伝統と文化であります。それを簡単に左翼有識者会議の案に沿って変えては絶対に駄目です。皇室の歴史と伝統にはかなうものなどは見当たらないですね。
2006/2/5(日) 午前 1:34
雅子妃殿下の出自は不明です。家系が四代前で消えています。日本には墓もありません。女系になれば、子供の代から別系統の皇統が始まります。そうなれば日本の皇室と呼べません。それが本来の目的と思われます。喜ぶのはどこの国でしょうか?
2012/3/4(日) 午前 6:58 [ - ]