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《金融庁行政処分に連発に潜む、主導権奪取の事情》
(週刊ダイヤモンド 2006・6/10号 新・永田町の暗闘 鈴木棟一〜より抜粋 )
〜村上氏の海外脱出は金融庁の検査逃れ?〜
小泉政権の "落日" のなかで、改革への切り込み隊長として辣腕を
振るった竹中平蔵氏の凋落と、代わって与謝野馨金融・経済財政
担当相が、中川秀直・政調会長と結んで存在感を増している
四月末からの一ヶ月、与謝野氏率いる金融庁は、突然変異のように
金融業界への業務停止命令など制裁行政を連発する電撃作戦に出た
これまで「不良債権処理以外には何もしなかった」と言われた
金融庁の変身だった
長期間、小泉政権の金融行政を牛耳ってきた竹中氏は次の方針だった
「事前規制はやらない。民間の活力が損なわれるからだ。民間は
勝手にやりなさい。問題が起きた時はその時点でチェックする」
だが、実態は業界、特に米国や外資の移行を抑えるものだった。
これが竹中、伊藤達也氏の二代の金融担当相で続いた
しかし、この1月23日に堀江貴文・ライブドア前社長が逮捕され、
規制緩和行政の中で違法。脱法行為が見逃されていた事が明らかに
なり、「今までの行政はおかしい」という反省が金融庁に生まれた
4月27日、三大メガバンクの一角である三井住友銀行に対し、
「法人営業部の一年間営業停止、デリバティブ商品の販売を
5月15日から半年間停止」との業務停止命令が出た
法人への貸し付けに、抱き合わせて為替デリバティブなど
金融発生商品を押し付けていた違法行為である
「業務停止は銀行にとって凄い打撃になる」と
金融庁関係者が語った。罰金などにせず強硬姿勢に出たのだ
5月8日、消費者金融のアイフルに対し、
「全店舗で3日間、問題を起こした3店で25日の業務停止」
の処分が出た。闇金融並の脅しで回収していたのだ
関係者の話
「消費者金融は政治家と関係を深めており、行政も業界側に
立っていた。だから大手はやられない、と思われていた」
5月10日、中央青山監査法人に対し「カネボウの粉飾決算に加担した」
として、7月1から2ヶ月間の業務停止命令が出た
中央青山は四大監査法人の一つで、トヨタ自動車やソニーなど
トップクラスを含む上場会社契約820社の監査をしている
5月25日、損保業界第2位の損保ジャパンに「6月12日から2週間の
業務停止」の処分が出た。本来払わなければならない保険金を、色々
な理由を付けて不払いにして、不当利益を得ていた、との判定だった
これより先、1月27日に新生銀行の100%子会社である新生証券に
業務改善命令が出た。さらに4月26日、同じく新生信託銀行に対し
「一年間の新規受託業務停止命令」が発令された。「不動産を金融
商品にする際に査定を適正にしなかった」ためだった
新生銀行の外国人重役がこう漏らした。
「検査体制がガラリと変わり厳しくなった」
今、事態急変で困惑しているのである
金融庁筋の話
「村上ファンドに県債に入ろうとした。投資顧問業法にする認可企業
であり、企業買収の資金の入手先を含むカネの流れを?もうとした。
しかし村上が事前に察知して、すぐに廃業届を出した」
シンガポールに本拠地を移し金融庁の検査を逃れた印象は拭えなかった
〜相次ぐ行政処分は竹中人脈へのメスか〜
金融庁の激しい動きの背景に、これまで金融行政を
支配してきた竹中氏への、報復の意思がうかがえる
「昨年、三井住友が大きな赤字決算を出し、自己資本率の8%割れの苦境
に陥ったとき、西川頭取は米投資銀行のゴールドマン・サックスから
増資のかたちで5000億円の緊急融資を受けた」
このとき、ゴールドマン・サックスのCEO、ヘンリーポールソン氏が
自家用ジェット機で来日し、竹中、西川氏と三者協議をした後、官邸で
小泉純一郎首相と会見した
当時、次のように言われた。
「小泉は日本の証券トップとは一切会わないのにゴールドマンと会った」
ポールソン氏は5月30日、スノー長官の後任として
ブッシュ大統領から財務長官に指名されている
このときのゴールドマン・サックスによる緊急融資は?4.5%の配当
?手数料として86億円払う、?ゴールドマン・サックスの日本での買収
に三井住友が2200億円の債務保証をするーなどの密約があったとされる
三井住友が処分を受けたデリバティブ商品の押し付け販売は、西川氏の
ワンマン頭取だった頃の負の遺産で責任は大きく「退職金の返納が」
焦点になっている
西川氏が昨年暮れに日本郵政会社の社長になった時もかなりもめた
日本経済団体連合会の奥田碩会長はこう主張した
「民営化する郵政会社の初代社長は、できれば経団連が
推薦したい。銀行出身は利害が絡むので反対」
奥田氏は、東京証券取引所で東芝出身の西室泰三氏を推したが
首相は、竹中氏が推した西川氏に決めた
郵政の完全民営化は2017年とされているが、竹中氏、西川氏の
コンビは次の腹案だ、と伝えられた
「今年10年の予定を早めて、5年で外資に売却する
最有力はゴールドマン・サックスだ」
竹中氏のブレーンだった木村剛氏の
日本振興銀行にも疑惑の目が注がれている
「銀行の免許を竹中が超スピードで下ろした
ネットのソニー銀行が一年半かかったのに四ヶ月ぐらいで取れた
しかし、『親類や身内への貸し付けが不自然だ』と告発もあり
金融庁は次のターゲットにしている」
こう見てくると、金融庁はこれまで金融行政を牛耳ってきた竹中氏の
人脈にメスを入れ、これにトドメを刺そうと攻勢に出たと受け止められる
金融庁は、今
与謝野担当相の下、五味廣文長官、佐藤隆文監督局長の布陣である
関係者の話。「6月末に佐藤が長官になるが
必然的にアンチ竹中、アンチ西川の流れになる」
ある証券会社社長が言った
「監査法人の業務停止など考えられないこと
監査法人さえまともなら、堀事件の粉飾など起きなかった
監査法人が知っていてやっていた」
金融庁にやる気が出てきている
「ガラッと変わったので最初は戸惑ったが、現場としては働きがいがある」
大臣が代わると、行政はこれほど変わるのだ
〜ソデにされる竹中氏、重用される与謝野氏〜
すべては昨年10月の人事で与謝野氏が金融・財政担当相になり
竹中氏が総務相に横滑りして、経済財政諮問会議の主導権を
与謝野氏が握ったことから始まった
与謝野氏が中川秀直氏と組み、政府・与党による
「財政・経済一体改革会議」を5月22日に設置した
これに竹中氏が翌日の記者会見で反発した
「今迄は経済財政諮問会議が改革のエンジンだったが、今のエンジンは
中川さんの主導で党にある。諮問会議は意見をぶつけ合うアリーナ
になった」
経済運営の主導権が与謝野・中川組に移った口惜しさがにじみ出ていた
党幹部がこう漏らした
「竹中が小泉にソデにされている。飯島(勲秘書官)が竹中を
小泉に会わせないよう、かなりブロックしている、との話だ」
確かに、首相が竹中氏に会う回数は極端に減っている
なぜ首相は竹中氏を敬遠し始めたのか
平沢勝栄氏が語る
「竹中はゴマすりの天才で、イエスマンだという事で小泉が重用した
しかし、小泉は最近になって『竹中の言う事を聞いていると、色々
問題が起きる』と気づいた。ホリエモン事件は竹中事件というのは
永田町では常識だ」
一方、脚光を浴びつつある与謝野氏とはどういう人物か。
今は竹中氏に皮肉を浴びせている。「消費税アップは3%ぐらいで
良いのではないか」と言ったのに、こんな言い方をした
「 "神の啓示" でもあったのではないか」
その程度で済むのか、という意味である
今、党政調で歳出削減を五分野に分けて
それぞれ責任者を置いて洗い出している
しかし、与謝野氏は次の考えだ
「歳出カットばかりと言うと経済が萎縮する。一方で政庁政策で
増収策を採らねば、クルマの両輪でやらねば経済が失速する」
このバランス感覚が与謝野氏である
5月11日、与謝野氏と二階俊博経済産業相、中川政調会長の3人が
「経済成長戦略大網」で合意し、署名した。与謝野氏の指名で、
大網案のとりまとめは二階氏が行うことになった
与謝野氏は選挙に弱かった
3年前に落選から復帰したとき「どうせ無役だろう」と量子力学の
本を十数冊、シリーズで買い込んで勉強しようとする程の学者
タイプの仕事人である
政調会長時代にこう言っていた。「オレは職人だ
いつまでに頼むと言われれば期限までに作る。これに徹する」
このバランスの取れた職人が、なにも特別なことをせず、ルール
通りに行政を動かして「初めて国民の側に立った金融行政」
という金字塔ができたのだ
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今年から相次いで起こった金融の取締り強化はカラクリは竹中の凋落が原因
だったのである。前金融相の伊藤達也は竹中の子分であり、堀江・村上の
愚行を「違法ではない」と述べた売国奴だ
竹中の仲間である西川が三井住友頭取時代に自己資本率が8%を割る苦境とは
これが『BIS規制』と言われる自己資本率規制の事で、自己資本を総資産で
割った自己資本率が8%以上でなければ、国際業務を行えない
根拠なき自己資本率8%以上は、米国の日本の金融封じ込め戦略の罠であり
バブル時代に世界の金融を仕切っていた日本が、バブル崩壊により疲弊して
いた金融を『BIS規制』を導入した御陰で日本の金融業はトドメを刺された
記憶では10あった都銀は、今や事実上4行となり、長銀・日債銀は破綻して
外資に売却された。ハゲタカ外資に蹂躙されたのだ
米国の犬である竹中とその仲間の西川が米国に簡保を売却する密約がある
と文中から読み取れる。竹中は旧長銀をリップルウッドに売却した前科が
あり、有り得る話だ。しかし、竹中の目論見は外れ頓挫したようだ
与謝野金融相の誕生で日本の市場原理の流れはストップが掛かった
来年から導入される『三角合併』の税制の問題も期待できそうだ
しかし決して喜んでばかりはいられない
選挙に弱い与謝野馨は選挙協力を得る公明党の影響で『人権擁護法案』
推進派とされ、二階俊博・中川秀直も同じく推進派なのである
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よくここまで調べましたね。感動です。与謝野金融相は発言が慎重でいい人選と思っていましたが、上記にようなやり取りがあったことは存じませんでした。私のブログにトラックバックさせていただきます。今後ともお邪魔させていだきます。
2006/6/15(木) 午後 6:16
有り難うございます。資料は抱負に持っていますので大変ではありますが、纏めてみました。政治家は経済政策でも見る必要がありますが、どんな法案を推進しているか?思想、どんな議連に加入しているか?など幅広く見る必要があります。(テレビでの発言、雑誌での主張など)与謝野馨は左右にぶれるようですが、二階俊博・中川秀直は特定アジアにかなり近い政治家ですから、彼らの躍進はとても喜べないのであります。
2006/6/16(金) 午後 4:56