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《ゴーマニズム宣言・嫌米流・年次改革要望書に怒る》
(わしズム 2006冬号 小林よしのり〜より一部抜粋中略編集 )
「年次改革要望書」という米国政府が毎年、日本政府に対して提出する外交文書がある
それを読むと今後の日本政府の政策課題に関する方向性・見通しが分かるというのだ
その奇妙な文書の正式名称は、(をクリック↓PDFで見られる)
「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府要望書」
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-econ.html
〜アメリカを警戒せよ〜
20年前の1986年、江藤淳は
『日米戦争は終わっていない』と言う本を出した
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4890360301/250-1464711-5901839?v=glance&n=465392
日米戦争を "世界最終戦争" を規定したのが、希代の戦略家
石原莞爾のおかした最大の誤りだったと、江藤氏は言う
それは "最終戦" ではなく "持久戦" であり "消耗戦" であると
実はそれは "終わりなき戦い" なのだと!
アメリカは日露戦争直後から日本を敵視し、大東亜戦争の後も
再びアメリカの脅威とならないように日本を弱体化し続けている
それは共和党にも民主党にも一貫した考えであると、江藤氏は喝破していた
産経・読売系のいわゆる保守メディアでは「反米」
というレッテルを貼られたら、敬遠される傾向がある
誰もが用心深く腰が引けた構えでしかアメリカを批評できない
一方、いわゆるリベラル・護憲派の者(左派系)
筑紫哲也や田原総一郎らも「我々は決して反米ではない」
という断りを挟みながら、アメリカを語る
何が「反米」をタブーにしたのか?
かつて安保闘争をやった団塊世代が余程過去に負い目を持ったせいなのか?
新聞にしろ、テレビにしろ、スポンサーへの配慮のための自主規制か?
今や生命保険のCMを流さないテレビ局はないだろうから!
ちなみに、わしのところには『おぼっちゃまくん』をCMに使いたい
という話が来たが、外資の保険会社だったので断った
言論人には仕事を干されないように、アメリカ批判を控える者は多い
狂牛病(BSE)牛肉の輸入圧力、国連常任理事国入り潰し、米軍再編
自衛隊吸収、何が起こっても文句一つ言わない、保守派の言論人
(某番組では橋下弁護士や宮崎哲弥氏は米国批判を堂々としている)
何もアルカイダと共に戦争するわけでもあるまいし
たかが言論人の領域ですらアメリカには文句一つ言えないとは
何のための言論の自由だ!?
やはり今の日本人には「宗主国への恐れ」が
日々、年々拡大しているのではないか?
政治の分野だけでなく、もはや言論の分野ですら
「反米」的言説は日本人を怖じけづかせる
これは植民地の民の性質である
江藤淳が言った、日米の "持久戦" も
そろそろ終わりが見えてきたのかも知れない
「アメリカを警戒せよ!」「日米戦争は続いている!」
という江藤淳の感覚は今のわしと非常に近いのだが
当時、江藤氏が「反米主義者」のレッテルを貼られ
保守論壇からバッシングされたという話は聞かない
この20年の間に保守論壇そのものが
「閉ざされた言語空間」に嵌り込んでしまった証であろう
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4167366088/250-1464711-5901839?v=glance&n=465392
20年前、江藤氏が指摘したのは、当時の中曽根首相の私的諮問機関が
発表し「内需拡大」「規制緩和」「国際化」の大合唱を起こして
バブルの呼び水となった「前川レポート」が、アメリカの意向を
受け入れたものだということだった
そして今やこのような構図はよりあからさまに日米政府間で
公式のシステムとして出来上がってしまっている
アメリカ政府は、毎年、日本政府に
【年次改革要望書】というのを突き付けている!
これは秘密文書でも何でもない
在日米国大使館のホームページに過去数年分
日本語訳して掲載されているので誰でも読める
2年前、平成16年にノンフィクション作家の関岡英之氏が
『拒否できない日本』(文春新書)で、この文書を検討し
ベストセラーになったので、わしはもう安心していた
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4166603760/250-1464711-5901839?v=glance&n=465392
「これで小泉改革路線に疑惑を、知識人も
マスコミも国民に伝え、世論は変わるだろう」
「何しろこれは靖国参拝への中・韓の圧力より
もっと凄いアメリカによる、日本改造圧力だからな!」
「ところがマスコミが全然騒がない・・・」
結局、小泉首相の「郵政民営化」選挙の前に、
この「年次改革要望書」が問題になることはなかった
選挙が終わってから、「文藝春秋」など一部メディアで取り上げられた
(文藝春秋 2005年12号 奪われる日本 関岡英之)
http://blogs.yahoo.co.jp/karyudo111/folder/1406657.html?m=lc&p=2
「遅すぎるんじゃねーのか!?」
「文藝春秋も財界の者が読むから
わざと選挙後に載せたんじゃねーのか!?」
今回は関岡氏の研究に依拠しながら
少しでもこの事実を世に拡めるために描くことにする
例えば2004年の「年次改革要望書」にはこんな事が書いてある
本年の要望書において米国は、日本郵政公社の民営化計画が
進んでいることを受け、勢いが増している日本における
民営化の動きに特段の関心を寄せた
これに関して、日本経済に最大限の経済効果をもたらすためには、
日本郵政公社の民営化は意欲的且つ、市場原理に基づくべきだ
という原則が米国の提言の柱となっている
「郵政民営化がアメリカの関心である理由は
もちろん、アメリカの国益になるからである」
「言うまでもなく、外資が簡保を狙えるからだ!」
「年次改革要望書」の提言は、電気通信、情報技術(IT)
エネルギー、医療機器・医療品・金融サービス、競争政策
法務制度改革、商法、流通とありとあらゆる分野に及んでいる
そしてその提言どおり日本では、持ち株会社解禁、NTT分離・分割
金融監督庁設置、独占禁止法改正、商法大改正などが次々と実現し
現在更に医療制度改革、司法制度改革などが着々と進められている
これらは全てアメリカ企業が日本市場に参入しやすくする為のものである
この文書を読めば、今、日本政府が何をしようとしているのか
数年後の日本がどうなっているのか、よくわかって実に便利だ!
日本の将来はここに書かれている
アメリカ好みの御国になりたい
それが日本の国家ビジョンである
何しろこちら側のルールばかりを改革するのだから・・・
「年次改革要望書」は
1993年の宮沢喜一首相とクリントン大統領の
首脳会談で毎年提出されることが決まった
(宮沢喜一は首相時代は要望書を認め、官房長官時代に近隣諸国条項という
中韓に内政干渉される条項を認めた、歴史に名を残す売国政治家)
http://blogs.yahoo.co.jp/karyudo111/31045305.html
形式上は日本もアメリカに対して「要望書」を提出し
対等・双方向ということになっているが
そもそもこれはアメリカが外圧の手段として作ったものである
アメリカ政府の要求は日本の各省庁の
担当部門に割り振られ、実行されていく
そしてこの要求が実行されたかどうか
日米の担当官が定期的に会合を開いてチェックし
アメリカ通商代表部(USTR)は、毎年3月にその成果を
「外国貿易障壁報告書」で報告し、アメリカ議会から勤務評定を受ける
そんな内政干渉システムが出来上がっているのだ!
更に遡れば、アメリカが日本に具体的要求を突きつける事は
1989年の「日米構造協議」から行われている
この「日米構造協議」というのは、外務省の「意図的な誤訳」である
英語では、「Structural Impediments Initiative」
で、『構造障壁イニシアティブ』となる
『イニシアティブ』は『主導権』で、主導権があるのはアメリカだ!!
つまり『構造障壁アメリカ主導権』というのが正しい訳だろう
「日米構造協議」とは、実は『アメリカが日本市場に参入する際の
障壁になるものを、アメリカの主導で取り除く』という意味である」
そこには「協議」などなく、日本はひたすら一方的に要望を飲まされていた
これは第二の占領政策である
外務省はその実態を「日米構造協議」などと
わざと誤訳して、隠蔽し続けていたのだ
これが具体的な「年次改革要望書」に変わり
ブッシュ政権にも引き継がれ、もはや日本の政策を決定しているのは
永田町で霞ヶ関でもなく、ワシントンだということになっている
それを10年以上も国民に隠していたのである
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ゴー宣より抜粋した「年次改革要望書」批判の出来は非常に出来の
良いものなので漫画から敢えてテキスト化してアップさせて戴いた
郵政民営化推進者、親小泉・竹中派、新自由主義者
米国依存親米ポチ保守は、反米主義者だ、論理矛盾だ
そんなことはない、などと批判することであろう
言論の自由がある日本では批判は大いに結構なことである
私は日本人として日本の国益を考えこんなものは
容認できるわけが、納得できるわけが、有り得ない!!
当時「年次改革要望書」の存在を、米国の思惑を
知らない私は、昨年の総選挙は自民党を熱心に応援していた
それは郵政民営化とは関係ないある危機感からくるものだった
〜続く〜
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