|
対中国「強い米国」訴える
(2007/3/2 読売新聞)
イラク政策を焦点に早くも論議が本格化している2008年
米大統領選で、「中国脅威論」を全面に選挙戦を展開し
ている共和党候補がいる。
前軍事委員長のダンカン・ハンター下院議員(58)。
現時点で支持率は低く、当選が厳しい現時点で支持率は低く
当選は厳しい状況ながら、安全保障問題で政権にも影響力を
持つ同議員は、読売新聞とのインタビューで、中国への製造
拠点移転弱体化を憂え、「強いアメリカ」の堅持を訴えた。
ー中国脅威論を重要施策に掲げた真意は。
米国の産業基盤は「民主主義の兵器工場」という事にある。
20世紀、1次と2次の世界大戦と冷戦の3度にわたって米国は
世界を救った。
冷戦は、軍備競争でソ連に負けるはずのない産業基盤を持って
いたからこそ勝てた。
それが今、(製造拠点の一方流出もいつながる)一方通行」
の通商政策のため、バラバラになっている。
ー「一方通行」の政策とは具体的に何か。
中国は、自国の輸出業者には17%の付加価値税を還付し、
米輸入業者から税を徴収している。
さらに人民元レートは実勢より40%は安い。
つまり自国輸出業者への17%の補助金、来輸入業者への17%
の課金、それに40%の為替操作という計74%の格差がある。
フットボールの試合にたとえるなら、キックオフの瞬間、敵の
得点板に74点が入っているようなものだ。
ーどう是正するのか。
私は通商交渉を軍縮交渉と同様にとらえている。レーガン大
統領は、米国の強さを押し出して競争国を交渉の場に引きずり
出した。通商交渉では、米国市場という手段を活用すべきだ。
ー軍事面での中国の動きについて。
明らかに超大国として台頭しつつあり、米国との貿易で蓄え
たドルが、米軍に対抗する軍備の調達に用いられている。
ロシアから購入した対艦ミサイルは米空母の撃破を狙ったもの
だ。米国は技術・開発に資金を投じ、強力な国防力を維持しな
ければならない。
中国が最近、行った人工衛星破壊実験は、宇宙での軍事競争に
新たな時代を開いた。
ー米国民は対中脅威論を共有しているか。
ここで述べたのは私の信念だ。ただ、多くの国民が、わが国
の自由を守れるかどうか懸念を抱いており、問題の所在が明確
になれば、私の持論を支持するだろう。
___________________________________
現在、米国の共和党大統領選候補者といえば、ジョン・マケイン氏と
前ニューヨーク市長のルドルフ・W・ジュリアー二氏の名前ばかりが
取り沙汰されていたが、知名度は低いながらもタカ派の候補者がいた
ようだ。
マケイン氏、ジュリアー二氏は穏健派とされ、対中戦略を見越せば、
タカ派が望ましいだろう。凄まじい軍拡路線で、海洋進出を狙う対中
戦略としては我が国には最も好ましい候補者ではなかろうか。
中国は対米輸出に依存した形で外貨準備高を増大させており、米国の
多額の貿易赤字最大の犯人とされている。米国の製造業が衰退してい
る事実も日本にとっては懸念材料の1つである。優れた製造業を持つ
日本企業がM&Aの標的とされかねないからだ。
米国の世界のGDPシェアは20%と程度に下がり、基軸通貨のドルも
ユーロの台頭で揺らいでおり、米国の一極支配から、世界は多極化へ
と向かいつつあるのが現実である。
米英主導で金融・邦銀世界一から引きづり降ろした「BIS規制」のよ
うなまやかしはユーロにはまず通用しない。まだ幸いなのは、英国が
ユーロに加盟していないことくらいだろうか。
しかし、日本政府はそのような現実を見据えているかといえば、非常
に疑問符がつく。多額のドル建ての米国債を抱え、自国の安全保障を
米国に依存している我が国にとっては困難極まりない状況と言えるは
ずであろう。
何しろ、多極化に向かう世界情勢の立ち向かうだけの政治力も軍事力
も我が国は持たないからである。国連常任理事国入りも果たしていな
い日本にとっては厳しい状況なのだ。
従って、このような「強いアメリカ」を訴える対中強硬派のタカ派の
大統領候補は、我が国にとっては好ましいと言えるだろう。
日本の保守政治家で知名度が高く人気がある政治家の代表格はタカ派
が多い。石原慎太郎・安部晋三・中川昭一・平沼赳夫・など。
一党独裁・共産主義に対する姿勢は、強硬派が最も望ましい。
力を信望する勢力には力で対抗し抑え付けるしかないのである。
|