|
[日豪安保宣言]「東アジア安定の基盤の一つに」
(2007年3月14日 読売新聞・社説)
東アジアや国際社会の平和と安定のための
重要な基盤とすべき新たな動きである。
安倍首相と来日中のオーストラリアのハワード首相が、
「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。
日本が、同盟国である米国以外の国と包括的な
安全保障の協力関係を構築するのは、他に例はない。
東アジアには、北朝鮮の核兵器開発や中国の軍事大国化
など、地域の平和と安定を脅かす憂慮すべき課題が多い。
混迷するイラク情勢、アフガン情勢の悪化、イラン
の核など、国際社会は不安定化を深めている。
1957年の通商協定署名以来、半世紀に及ぶ緊密な経済
関係に加え、安全保障面での協力を強化する背景には、
こうした国際情勢の急速な変化がある。
日豪両国は、ともに市場経済の国だ。自由、民主主義、
人権、法の支配などの価値観を共有する。それぞれ、
米国と軍事的な同盟関係にある。
安全保障面での日米豪3か国の協力関係の中で、比較的
弱かった日豪の連携強化は、東アジアのみならず、広く
国際社会の平和と安定に貢献するだろう。
軍事的な同盟関係にない日豪両国は、安保協力と言っても、
軍事的な共同行動は難しい。だが、日豪協力は既に、多く
の実績を上げている。
例えば、日本が人道復興支援活動のために陸上自衛隊を
イラク南部に派遣した際、豪軍が陸自の安全確保に協力した。
ともに北朝鮮などに対する大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)
の主要構成国でもある。インドネシア・スマトラ島沖地震・
津波災害の援助活動でも、豪軍と自衛隊の連携が成果を上げた。
共同宣言は、国際平和活動や大量破壊兵器拡散阻止などのほか、
テロ対策、海上・航空の安全確保など広範な分野での協力の強化
をうたっている。具体的な行動計画も策定するという。
こうした協力関係の発展、深化が、地域の平和と安全につながる。
今後の課題は、共同宣言に基づき、どう協力の実を上げるかだ。
それには戦略的な対話の強化が必要だ。
日豪両国は既に、外相、防衛相がそれぞれ対話を重ねている。
今回の共同宣言はさらに、外務、防衛の担当閣僚の合同協議、
いわゆる「2+2」の創設を明記した。
日本が、米国以外の国と2+2を行うのは初めてだ。
無論、豪州との経済関係の枠組みの一層の拡充強化も重要だ。
日豪の戦略的関係の構築の為に、日豪経済連携協定交渉を推進し、
安全保障と経済という二つの安定した柱を築かねばならない。
___________________________________
日豪が日豪安保宣言を行い、「2+2」の創設を明記したという。
米国以外では初の試みとなり、日本の安全保障強化に一役かってくれそうである。
しかし、懸念材料もある。産経の報道によれば、今年後半に予定されている豪州の
総選挙で野党・労働党が政権をとれば安保構想が変質する可能性があるという。
その理由は、野党が中国との関係が深いからだそうである。
この流れは米国と同じであり、厄介な問題だ。しかも、豪州には駐留米軍がおらず、
米国や日本の思い通りには動かないと思われる。人口も2000万足らずと、日本の
六分の一であり、核武装もしていない。手放しで喜べる相手ではないと思われる。
安倍総裁誕生後、NATO・豪州・インドとの関係強化に乗り出し、米国依存の小泉
政権からすれば安全保障は飛躍的に強化されつつある。その点は評価したい。
(NSC、防衛庁省昇格なども)
だが、19年連続の軍備拡張と衛星破壊など、中国の凄まじい軍拡にはとても対抗
出来るレベルではない。まず国内問題である政界再編、憲法改正を含めた、足元
から抜本的な対抗策を講じなければ、とてもではないが一党独裁・共産中国には
勝てはしない。
自民党・中川昭一政調会長は、週刊新潮(2007年2月22日号)で櫻井よしこ氏
との対談で「2010年までが勝負」だと主張している。
|