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【オピニオンワイド】新聞時評
(2007/7/31 毎日新聞・ジャーナリスト・上杉隆)
参院選で、紙面は選挙一色の観がある。毎日新聞も、
不偏不党の立場を前提としているため、公示後は
とくに紙面作りに苦心している様子がうかがえた。
毎回のことではあるが、選挙報道に歯岸さを感じるのは
この為だろうか。今回も、公平性という呪縛の中で苦し
み試行錯誤の域を脱していないように思えた。
たとえば、社説では、与党を批判したかと思えば、野党に
注文をつける。本文記事でも公平であろうとするあまり、
具体性に乏しく、単にデータを羅列するものが多くなった。
候補者を同等に扱わなければならないためか、結局、政党
幹部の動向ばかりが活字になっている。
読者の本当に知りたいことは、政党党首の演説内容ではなく、
これから投票しようとしている個々の候補者たちの政策と肉
声だ。公平性を求めるぱかりに、無所属候補のように声がか
き消されてしまっている者もいる。
ー「中立」は偽善ー
そもそも、この世の中に、真の公平
中立な報道など存在し得るのだろうか。
毎日新聞の一連の選挙報のは、明らかに安倍政権への批判的
な旗幟を鮮明にしている。それを中立という見え透いた言葉
で覆い隠すのは偽善以外の何ものでもない。
政権に対して懐疑的であるのならば、
もっと堂々としたらどうだろうか。
現に「自民惨敗」を伝えた30日朝刊見出しには少しも迷いがない。
〈安倍人気もろく〉〈大敗でも政権執着〉「余録」も分かりやすい。
また、記者の目やコラムでの主張は、いつも極めて明快だ。
このように毎日新聞は安倍政権発足からの10カ月、終始
一貫した論陣を展開してきた。
他紙が近視眼的に揺れ動く中、そうした姿勢を
崩さなかったのは毎日新聞だけである。
客観性を理想として掲げるのは確かに重要だ。だが現実
離れした偽善に、読者は気が付いているのではないか。
この際、思い切って筆者は提言したい。どうせならば、
選挙前に各党の実績やマニフェストを検討した上で、社説
などで支持政党や候補者への賛否を明確にしてみたらどうか。
ー米国では実施ー
実際、米紙では選挙のたびに毎回、実施されていることである。
選挙直前、共和党か、あるいは民主党支持かを明確に打ち出す。
さらに、同紙面に意見を異にする人物の反対意見も載せる。
よって読者は各紙の立場を知った上で、政党や候補者の姿勢を
判断することができるのだ。
多様な意見を載せてこそ新聞だ全てが一致する必要などない。
世の中(社会)がさまざまな価値観で成立している以上、
完全な中立公平などありえない。
よって読者に自らの政治スタンスを示した上で、
選挙報道を行う。これが米紙に共通する考え方だ。
主張する新聞はいらない、という向きもあろう。
だが、秘かに主張されることほど厄介なことはない。
政策論争でも、選挙予測でもいい、勝負の世界である選挙を
扱うのならば、毎日新聞も、曖昧な言葉に逃げ込むことなく
報道して欲しい。
読者に判断を丸投げするのではなく、取材した者が判断し、
その是非を読者に決めてもらう。政治的な無関心願が増えた
現在、そうした親切な新聞があってもいいと思う。
曖昧な政治家の言葉を、曖昧な記事で括られても、
読者には少しも響いてこないのである。
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〜新聞は左派と右派に分かれているという現実〜
反日毎日新聞にしてはマトモなコラムを掲載していたのだが、
そこは毎日、産経新聞や読売新聞ではまず見ることが出来ない、
落合恵子と保阪康正ら醜悪な左翼の反安倍論文を掲載していた。
さて、本コラムの提言だが大まかには賛成である。
しかし我が国の新聞社は、各党のマニフェストや実績は関係がない。
いくら優れていようとも、首相や党首が「靖国参拝」をするような
人物ならば、毎日や朝日はあらゆる難クセをつける。
あるいは、毎日や朝日がこよなく愛する、中国・韓国・北朝鮮の意向を
毅然とはねつけるような首相や党首ならば、間違いなくイチャモンをつ
けるだろう。
政党別では、「首相の靖国参拝は駄目」だという小沢民主党なら支持で
きても、「中国は軍事的脅威だ」と述べる前原民主党ならばまず支持で
きない。自民党でも安倍首相は大嫌いでも、福田康夫首相ならば容認す
るはずだ。
あるいは、両党とも左派の党首が誕生する可能性もある。
やはりわかりやすく左派か、右派かとハッキリと明示すればよい。
それが無理ならば、「毎日新聞は小沢民主党を支持します」とか
「毎日新聞は前原民主党は支持しません」と載せればよいではないか。
選挙前とはいわず、常に情報公開してもらいたいものだ。メディアが
左派と右派に分かれているという現実を知らない者が多すぎるからだ。
〜米国は選挙前に!?〜
米国は選挙前にどちらを応援するか公開するという。
ウォール・ストリート・ジャーナルは共和党寄り、
ニューヨークタイムズとワシントンポストは民主党寄り
なのは有名な話だが、これらの新聞も選挙前に選択するのだろうか!?
米国では地方紙も多い。選挙前にどちらを応援するか決めるということ
なのだろう。その方が分かりやすく、読者は新聞で検討できる。
米国では地方紙も多い。選挙前にどちらを応援するか決めるということ
なのだろう。その方が分かりやすく、読者は新聞で検討できる。
両論併記は、国益を見据える米国だから出来る技だ。
本来、両論併記が好ましく思うが、戦後、国益を一切見失ってしまった
多くの新聞社を抱える日本の現状では到底無理な話だ。
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