|
いま この歳になって (といっても 私は自分が何歳なのか知りません。)
ようやく わかってきたことなのですが
私は 生まれてはいけませんでした。
この家にとって 私の「生」は 迷惑なものであったらしく
生まれてすぐに 屋敷の隅にある 蔵に入れられていたのです。
それが乳を飲む頃からなのか どうか
記憶という概念のない私は 何も 何も わからないのです。
なぜ 死ななかったのかと 聞かれたら
時折来る 黒い影が カチャカチャと運んでくるものを 口に入れていたからだと思います。
(本能のしたことです。)
すぐに口に入れたいときもあれば 全く口にしないときもありました。
いまとなっては 口にしていたものが 何だったのか 知りたい気持ちになります。
天窓は 高いところにあったので 光の具合を見るだけでした。
せめて 空や鳥がみえていたなら。。。。
・・・・いいえ、見えなくてよかったのかも知れませんね。
私が暗いそこから出られた理由は
どうやら屋敷が火事になり 蔵のほうまで火の手が回り
黒い影が 私を運び出したからです。
どうして私を助けたのでしょう・・・
このときだけではありません。
生まれていらない子どもなら どうしてすぐに 殺さなかったのでしょう。
どうして食事を与えたのでしょう。
どうして私は 生かされているのでしょう。
こんなことを考えられるようになるまでに
蔵の中にいたときよりも もっとおびえた毎日がありましたが。
私は まだ 生きていて そのことに 何の意味があるのかも わからない。
うれしいとか かなしいとか そんなような感情も うすっぺらく
肉の塊として ここに いる。
次の様子も 数えられず
あの頃見ていた 天窓の光の傾きが やたらと いつもある。
ああ、 私が 男か女か 聞いてくる人がおりますが
それが どちらでも
だから どうとも ないようなので 答えていません。
|
花でないもの
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
|
瞼がピクリと動いたのと同時に |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用
|
天窓が白く光る日だった |
|
天窓の斜めの明かりで 一日の始まりを知る |
全1ページ
[1]



