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香椎うっちゃんのブログ
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パブリックアート散歩(天神 -1)
 
福岡市都市景観室が「景観」という言葉の持つ意味を次のように説明しています。
 
● 私達は山や川、建物、道路、公園、看板など、さまざまなものに囲まれて暮らしています。「景観」とは、眺められる対象(=景)と、それを眺める(=観)ことによって生み出されます。ですから「景観」とは、私達の価値観を反映したものなのです。
 
私たちが暮らすまちの景観が、美しく快適で、魅力が溢れるようにと願って、福岡市は取り組みの一つとして、昭和58年(1983)から彫刻のあるまちづくり」を推進してきました。
 
彫刻=(芸術・アート)の類となると、うっちゃんの一番苦手な分野になるのです。美術館に入ったとしても・・・「何でこの絵がいいの?」・・・作品の良さが、まったく解らないのです。 つまり、芸術鑑賞の力が足りない、目がない、と言うことでしょう・・・が、市が発行した冊子「パブリックアート」に次のように書かれていました。
 
● 街にはアートがあふれています。 愛好家以外の人々にとっては、アートは「理解できないもの」、「関係ないもの」でしょうね。 でも、少しだけ足をとめて欲しいのです。 短い時間見つめて、そして何も判断しない。 ただ、それだけ。 「ふーん」と知ったかぶりをした表情を浮かべてみれば、さらにいい。 そんな事を繰り返しているうちに、気が付くかもしれませんよ。 少しだけ街と自分が変化したことに・・・。
 
うっちゃんの場合、退職後は好きな歴史を学ぶ為の町歩きが多くなりました。好む好まないに係わらず、自然に街中のパブリックアート目に入ってくるようにになります。 他の書籍でアートについて、こんな話も読みました。 何度も何度も良く見ることが肝要」、「気軽に勝手に見ることが重要」、「自分の主観的観賞が一番大切」、「気になる作品には心で対話をする」、など等。 以後、立ち止まって、軽い気持ちで見つめていくようにしたり、興味を持った作品には、作者の経歴を調べて訪れるようにもなりました。 
 
現在は、何と言うのか、理屈ではなく「目が慣れて来た」感じです。幾つかの彫刻との何気ないちょっとした会話から、今までとは違った安らぎを感じますし、新しい感性を見つけ出している最中かもしれません。
 
今回、紹介する彫刻(パブリックアート)は、うっちゃんが街中で何気なく気になった作品です。 忙しい毎日の中では、確かに関係ないものかも知れませんが、僅かな時間でも足を止めて見つめてみませんか? 
 
最初に向かって紹介したいアートは戦災から復興した福岡市を記念する像です。でも、これはなかなか普段は目にしてないでしょう。 分かりづらい場所に建っています。赤煉瓦文化館と那珂川の間に設けられている小さな緑地(公園)の中です。

  ① 歩く・生まれる・昇る    作者:冨永 朝堂
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戦争で焦土と化した福岡市は復興土地区画整理事業に着手します。戦後の混乱した状況の中、多くの苦難を乗り越え、25年以上の歳月を経て完了しました。 タイトルの「歩く・生まれる・昇る」は復興を意味しているのでしょう。 昭和47年(1972)、事業完了を顕彰し、記念群像が建立されました。 亀山上皇像で有名な山崎朝雲の弟子・冨永朝堂の作品です。群像は三つのグループに分かれています。 それぞれ、歩く生まれる昇る、で復興を意味しているようです。 どれがそうなのか、群像の前でじっと見つめていたら分かりますよ。
 
  ② 風のプリズム    作者:新宮 晋
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福岡市が昭和58年(1983)から推進してきた「彫刻のあるまちづくり」の第1号作品です。水上公園の中に建てられたので、「何気なく」と言う意味では一番見慣れたアートではないでしょうか。大阪府出身で世界的に有名な新宮 晋の作品です。

イタリア、フランス、アメリカで展示されている彼の作品タイトルは「風の光」、「波のこだま」、「雲の牧場」、「風のメッセージ」、「光の海」、「水の花」など、自然の営みを伝える造形がが多いようです。それも高さが数メートル級のスチール製で、自然と一体になり、風や水で動く立体作品で一貫しています。形状の変化によって何を表現しているかは、見る人々の各々の感じ方で良い、と彼は言っています。 

うっちゃんが感じた「風のプリズム」の動きの表現は・・・「古代より博多には、大陸や半島から新しい文化・技術が風に乗って集まって来た。博多の人々は長い歴史の中でその文化・技術を独自に育てあげ、幾つもの新しい輝く光として日本全国に伝え届けた」・・・どうでしょう。 この動く作品は、結構いろいろと表現できますよ。
 
  ③ スターゲート     作者:菊竹 清文
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スターゲートはアクロス正面入り口前に建っています。 作者・菊竹 清文は1944年、福岡生まれの彫刻家です。 彼の作品で一番馴染みが深いのは、平成10年(1998)、第18回冬季オリンピック長野大会の聖火台です。CO2削減をコンセプトにした聖火台は当時のサマランチ会長から賞賛されました。フランスでは芸術文化功労勲騎士章と言う、とんでもない名誉を授与されたのです。 どんな功績かと言うと・・・「自然や街中の環境の変化を、情報ネットワークの概念として、芸術に取り入れた情報彫刻」と言うことらしいのですが、「情報彫刻」・・・?? さっぱり解りません。

「スターゲート」と言うSF映画がありますが、何かそんなSF世界も感じられますよね。 造形を良く見ると、上部に星(スター)を形取った丸い円があります。 SF映画では、その円を潜ることによって過去や未来に瞬時に行けるタイムマシンとなっています。「アクロス」は国際文化・情報の交流・発信拠点とする複合施設ですから、スターゲートは未来へ通じ伝える意味として設置されたのですかね。

情報彫刻」とは?? 調べて解りました。円形の中に二つの楕円形が見えますが、良く見ると動いています。アクロス建物内の人の動きを、情報としてセンサー感知し、分析した結果をきにしているらしい。
 
 ④ バランス & オリエンテーション 作者:グレゴリウス・シッダルタ
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場所はエルガーラ、パッサージュ広場の市庁舎側です。 作者には悪いのですが、最初はアートと言うより、異次元の物体に感じられました。 人、鳥、猿の顔のようなもの4面が4方向に突き出ています。 その下には異なった家紋のような円が三つ付いていて、上にはイソギンチャクのような突起物が生えています。 そして、もしかしたら・・・と感じさせてくれるのが、それらを支えている一番下の亀です。 博多区の東長寺や長崎の孔子廟、或いは東南アジアのお寺で良く見かけますが、墓や廟の前で石碑を支えてるのが亀ですよね。 つまり、宗教的なものが含まれています。 しかも、バランス & オリエンテーション=均衡 & 説明・教育をどこで感じればよいのでしょう。

作品の後部に作者(インドネシアの彫刻家)のコメントが添えられていました。
私がこの作品を通して表現したいことは、互いに対立しあう様々な価値観に満ちた生活の中では、人間は方向性を失うと自分自身のバランスをも乱してしまうのではないかということです。この作品は様々な差異を互いに順応させながら、調和し合うものに変えることのできる成熟性を象徴的に表現しています。福岡の皆さんに理解していただけることを願っています」と。 バランス & オリエンテーション均衡 & 方向性なんですね。 ウ〜ン、それでも難しいですね。次の機会にもう一度見つめてみましょう。
 
  ⑤ プリーズ・リクエスト   作者:黒川 晃彦
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良く見かけていると思います。 市役所ふれあい広場です。作者は1946年の東京生まれ、東京芸術大学彫刻科卒業の彫刻家です。 これこそ、対話がしやすい作品です。何故かと言うと、「対話をする」が作のコンセプトだからです。

彼を有名にしたのは「第一回横浜彫刻展(ビエンナーレ)」への出品で優勝したことです。その作品が「プリーズ・リクエスト」です。メタボっぽいオジサンがサックスを持って、笑顔で「やあ、今日は天気がいいね。気分もいいから、今からサックス演奏始めるよ。何かリクエストあるかい」・・・こんな風に、作品の方から語りかけているんだとおもいます。作者は「隣に人が座った時が完成」だと制作意図を語っています。 つまり、ベンチも含めて作品なのです。

市役所ふれあい広場の作品が優勝作品そのものではありません。兄弟作品です。北海道、岩手、福島、埼玉・・・全国各地から要請が来て制作・設置されました。楽器はサックス以外に、トランペット、フルートのスタイルもあるようです。 とにかくホンノリと楽しくなる作品です。九州内はあと2箇所(長崎市と諫早市)に黒川作品が設置されています。


以上五つの作品は次の場所に置かれています。
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本格的にアートが解るようになろう、とは毛頭思っていませんが、街の景観魅力あるようにする」との福岡市の計画ですから・・・これからも拘りながら、自身の感性を高めるべき、作品を見つめて行こうと思います。 天神地区にはまだまだいっぱい・・・それから博多地区も探しにこう!
 
続*福博まちなかアート ② に続きます。
 
 
*参考文献:ホームページ
●福岡市彫刻のあるまちづくり
●まちなかアート探索
●アルタミラの洞窟の謎
 
 

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