ここから本文です
香椎うっちゃんのブログ
ホームページ 「香椎浪漫」(検索)も時々覗いて下さい。

書庫全体表示

香椎クスノキ参道と博多バイパス
 
香椎宮の参道(勅使道)はクスノキの並木が800mに渡って続きます。 香椎の住民にとっては、このクスノキのトンネルが心の拠りどころとなっているのです。

              香椎宮参道クスノキ並木  
イメージ 1

この参道の途中に、JR九州の香椎線が横切る踏み切りがあります。 数年前から、踏み切りの上に博多バイパスを通す工事が始まりました。 博多バイパスとは、福岡市東部地域における国道3号線の渋滞を緩和するために、二股瀬と下原を結ぶ建設中の道路です。 二股瀬から松崎(千早)までの4.4kmは開通済み。 松崎(千早)から下原までの残り2.3kmは、平成29年度内の開通を目指しています。 JR九州香椎線踏み切りの上を通る博多バイパスの橋が、参道クスノキの一部を覆ってしまいます。 これらのクスノキは切り倒されてしまうのか?と、我々香椎地区の住民は心配していのでした。 
 
香椎地区の住民が、何故そんなにクスノキの事を心配するのか?・・・それは・・・香椎宮参道にクスノキが植えられた91年前に戻ります。 大正15年(1926年)2月11日は紀元節(現在の建国記念の日)です。 この日の午前11時、香椎宮前の広場(現駐車場)付近に、県内各地から一千人近くの人々が集まって来ました

柴田県知事の挨拶が始まりま 「大正11年貞明皇后が香椎の地に行啓されてのち、行啓記念事業のひとつとして香椎参道の整備を続けて参りました。昨年、道路の改修もほぼ終了し、この参道は”勅使道”と名付けられました。そして本日、古くから皇室と関係深い香椎宮で、記念すべき勅使道にクスノキを植栽することは、最も意義あることであります・・・」。 要訳すると以上です。
 
集まって来たのは県下市・郡・町・村からの行政、団体の皆さんでした。 其々クスノキの苗木を大八車や小型トラックで朝早くから搬入しました。 苗木の大きさは背丈が3以下と指定されていたようです。
柴田県知事挨拶のあと鐘を合図に一斉に植え込みます。その団体の数は162 参道(勅使道)の両側に等間隔でクスノキが植えられていきます。午後2時に全てが完了しました162本に加えて柴田県知事のお手植が1本、勅使の長谷子爵のお手植が1本、福岡県庁が追加でもう1本、3本が加わって合計165本のクスノキ植栽が終わりました。

あれから91年、3だったクスノキは見事な大樹に育ち我々や県外からの参拝者を和ませてくれています。 香椎地区の住民が参道のクスノキを大切に思うのは、クスノキの一本一本に福岡県各地域の皆様の暖かい心が込められているからです。                       
香椎宮の資料室には、165の団体名が記された「クスノキ植裁図」が残されています。
 
             香椎宮所蔵「クスノキ植栽図」 
イメージ 2

時が経ち、参道の両側には道路や建物が造られ、止む無く取り除かれたクスノキもあります。 枯れてしまった木もあるようです。 うっちゃんはノートを片手に、何度も参道を往復し、欠けてしまった木を26本確認しました。 そして、それらを表で訂正し、お店なども書き入れた「新・クスノキ植裁図」を作成したのです。
 
下の図は、「香椎宮しょうぶ園前」バス停付近の「新・クスノキ植裁図」です。

                 新・クスノキ植裁図  
イメージ 3
   
印がクスノキで、×印が欠けている木を表します。 それらの内側に木の番号、外側にそれを植えた各地域の団体名が記されています。 クスノキには1番から162番までの番号があって、「香椎宮しょうぶ園前」バス停の右側から1番が始まります。 追加になった3本の内の福岡県の1本が・・・番号はありませんが・・・1番の手前(印)に植えられています。 その周辺にも後から植えられたクスノキがあって・・・どの木からスタートするのか分からない、との声があります。 次の写真は”二の鳥居”前のバス停付近を撮っています。

              ”二の鳥居”前バス停付近 
イメージ 4

福岡県が植えた木は印です。 ここから始まります。 手前の2本(×印)は、大正15年に植えられた165本には含まれません。 

香椎線の踏み切りまで、右側を歩いて移動します。 ”香椎原病院”に右折する道路(パナソニック家電屋さん前)に近づくと、踏み切りの上に架かった橋が見えます。 国土交通省が発表した橋の名称は”香椎高架橋”となっています。
 
                                      香椎高架橋   
イメージ 5

この付近の新・クスノキ植裁図を覗いてみます。

                 新・クスノキ植裁図  
イメージ 6

”香椎高架橋”(青線の範囲)が覆い被さるクスノキは6本です。 久留米市青年団が植えた33番、山門郡青年団が植えた36番、糟屋郡大川村軍人分会が植えた127番、同じく128番、糟屋郡大川村青年団が植えた129番、同じく130番の6本。
 
              香椎高架橋 (国土交通省画像)
イメージ 7イメージ 8











本格的な工事が始まると、これらの木は幹の途中から上を切られました。 驚いて香椎宮に問い合わせしたのです・・・神職の方から「これらの6本は国土交通省が管理して、大切に育てられていくそうです」と聞いて、ホッとしたことを覚えています。 それでも橋が架かると、日当たりは悪くなるし・・・心配していたのですが・・・現在の状況を写真で報告します。
 
     久留米市青年団が植えた33番        山門郡青年団が植えた36番
イメージ 9イメージ 10











   糟屋郡大川村軍人分会が植えた127番        同じく128番
イメージ 11イメージ 12











  糟屋郡大川村青年団が植えた129番         同じく130番
イメージ 13イメージ 14










新芽が繁って、まずは安心です。 あとは国土交通省に宜しくお願いするばかりです。 この6本には久留米市、山門郡、糟屋郡の皆さんの温かい気持ちが籠もっていますから。

香椎線の踏切を越えると、”和菓子のいしむら”の前を歩きます。 そして、洒落た店が立ち並ぶエリアに入って来ます。

イメージ 15
 
                新・クスノキ植裁図  
イメージ 16

次の写真はクスノキが植えられた大正15年2月11日の翌日、毎日新聞に掲載された記事中の写真です。 
            毎日新聞に掲載された植栽中の写真  
イメージ 17

うっちゃんはこの写真1枚だけで、写っている苗木が現在のどのクスノキかを推理することに挑戦したのです。 ”馬鹿な野郎だなあ”と思いでしょう・・・でも、興味ある方は「大正15年に写されたクスノキを探す」を覗いて下さい。 結構、真面目に推理したのですヨ・・・結果、珈琲「NANの木」の前の54番に辿り着いたのです。

         筑紫郡処女会(婦人会)が植えた54番のクスノキ 
イメージ 18


中華料理店の”宇宙軒”を過ぎると、JR九州鹿児島本線踏み切りです。 香椎宮から右側を歩いてくると、クスノキは81番まで数えてきます・・・そして向かい側の82番から折り返すのですが・・・追加になった3本の内2本が踏み切りに近い両側(◎印)に植えられています。
 
                 新・クスノキ植裁図  
イメージ 19

踏み切りを渡った旧唐津街道側から見て、左側印が柴田県知事のお手植、右側印が勅使・長谷子爵のお手植のクスノキです。
 
                  鹿児島本線踏み切り  
イメージ 20

現在残っている139本のクスノキには、福岡県各地域の皆様の温かい”心”が宿っています。末永く見守って行きたいものです。

■「新・クスノキ植裁図」の全ては「香椎参道のクスノキ並木」を覗いて下さい。 香椎宮社務所にもコピーを届けてあります。
 
■ クスノキの漢字は「楠」と「樟」の二つがあります。 「どっち?」・・・気になる方は「楠と樟、どっち? 」を覗いて下さい。
 
■ 参考文献:「香椎東校区創立35周年記念誌」
 



この記事に

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事