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久しぶりに食い入るように映画を見た。第二次安部政権になってから起こっている様々な異様で稚拙な国民を欺く出来事。ニュースの伝え方一つで「ああこれは政府からの意図的リーク情報だ」と分かる昨今。
そういう事までも、この映画(本当は東京新聞の望月記者の「新聞記者」という本)は、現場で起こっている事実として伝えてくれる。各新聞社、NHK等から一斉に流れる政府からのリーク記事。それで国民に一挙にイメージを擦り込む手法は、もうこの政権の常套手段だ。
近年では森友・加計問題、文科省への報復、基本データの恣意的統計、対韓国、そしてカルロス・ゴーン事件までも。官僚の人事を掌握した官邸が官僚達を意のままに従わせ、時の政策の基本となるデータまでも自らの都合の良い収集(サンプルデータ)にすることをはじめ、時には改ざんまでしてしまう政権。
その内部と新聞記者とのありようが、新聞記者でなければ分からない現実感で展開される。原作者である東京新聞の望月衣塑子(いそこ)氏の活躍は、官房長官への質問責めとその報復とも云える質問制限で既に「戦う記者」として勇名を馳せているのだが、それが更にこの映画にリアル感を与えていると思ったものでした。
でも、映画を見ていて終始考え続けた疑問は、何故官僚は死を選ぶのか、だ。自分の正義と政権の意向が食い違い正義に反する行為を強いられ、実行したあとに何故死を選ぶのか。死の覚悟があるのなら、組織からスピンアウトする選択があるのではないか。
政府から目を付けられ、一生冷や飯を食うことになったとしても生きていれば何か出来るのではないか。まして妻子がいるのであれば、生きて、生き延びてこその人生ではないか。
ズーとその事の疑問(と言ってもそれは映画だけではなく、現実に官僚の自殺があることから現実への疑問でもあるが)として頭を支配していた。
映画では官僚の「国の為」という正義にも配慮していたが、内容は「国の為」でも何でもなく、為政者やその周囲の人々の利益の為だ。為政者が行うから国の為、なんていうことは全くない。為政者のばかばかしい程の思い込みや無能さに忖度する国家組織。
むしろ、その事こそ問うて欲しいと思ったものでした。
ps:最近では韓国への報復輸出禁止措置があります(官房長官の説明は「信頼関係が失われた」とのこと)。その措置は結果として天に唾するもの。トランプが中国に高関税を果たして、自らも徐々に経済失速を招いているという教訓がそばにありながら、同じ過ちをするこの政権。残念な人々は選挙で再び大勝するのでしょうか。
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