ユーザーさんチューンエンジン組み立ての時に、当社のTT250ボアアップキットのピストンを「WPC処理&モリブデンショット」加工してからのボーリング、組み込みの依頼を受けました。同時にXRのボアアップキットのピストン(自分用>写真右)も加工して貰いました。
昔からテフロンや二硫化モリブデンのコーティングは初期馴染み(または焼きつき防止)であったものですが、コレはWPC処理の表面改質とその処理による定着向上があると思います。フリクションがどの程度軽減されるか?は不明です。ノーマルに比べてμが低いなら、当然1秒間に平均15〜25mの速さで上死点と下死点を0から加速して移動で0に戻るレシプロエンジンのピストンの往復運動でのロスは減るでしょう。実際に次の自分用XR250Rエンジンに組み込んで試してみます。
ピストンの往復運動について
平均ピストンスピード=回転数rpm÷ 60xストロークmx 2
XR250Rの最高出力付近の回転数での平均ピストンスピードは?
8000÷60X59.5X2X1000=15.8m/s
有名な話でVTECエンジン(B18C)のインデグラは(もともとロングストロ−ク系エンジンだったせいもあるが)22m/sというバイクのSSモデルやレースエンジンのようなスピードでした。高回転型と回転数だけではエンジンの判断材料にはならず、平均ピストンスピードを計算してみると面白いでしょう。
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WPCの後でMoショットですか…
最表面を塑性流動させて硬度UPしてしまった後では、Moショットの拡散効果は半減以下だと思ってしまいますが…
2009/8/9(日) 午後 0:44 [ pen**000 ]
僕は、この手のコーティングは組み立て後の初期馴染みを良くするものだと思っていました。特に進んで自分のバイクや作業には取り入れていませんでした。しかし、HP(http://www.ne-jp.com/wpc/)を見てみて、そして作業依頼者の方のお話で、試してみる気になったのです。自分用新エンジンの(車体から組みなおします)ME06に使ってみますから、1年半後くらいには(なかなか、自分のは壊れないと開けないのですが)報告できると思います。
2009/8/27(木) 午後 0:09 [ G/HYBRID&H.P.O. ]
エヌイー 村田様より技術的な回答を頂きました。
モリブデンショットは、母材表層部を熱で溶融し二硫化モリブデンを母材深部(約4.3μm)まで取入れ再結晶します。処理前の母材は、WPC処理未処理でも勿論可能ですが、WPC処理によって表面の異常層が修復され、緻密な組織を作る事により、よりモリブデンが浸透しやすくなります。
モリブデンショット以外でも場合によってはWPC処理を下地処理のような使い方をする事もあります。
WPC処理は、本来の疲労強度アップ、圧縮残留応力の負加という効果以外でも、足付け(アンカー効果)として広く採用されています。
2009/8/28(金) 午後 5:17 [ G/HYBRID&H.P.O. ]