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きょうの大阪は久しぶりの大雪。
大阪では積雪深が5cmに達し、ざっと調べてみたところ、
1997年1月22日以来・約11年ぶりの5cm以上の積雪になりました。
今から30年前の1978年からのデータも調べてみましたが、
5cm以上の積雪は、なんとわずか“5回”しかないんですね。
まさに大阪では、近年では珍しいほどの大雪になったわけです。
写真は、JR難波駅前のようす。
そして2〜4枚目はわが家の近所のマンションの屋根です。
それぞれ10時半・11時半・12時半の定点観測ですが、
みるみるうちに雪が積もっていくようすがわかりますよね。
◇
さて、きょうのこのブログの記事は一般の人にはわかりにくい話題かも…。
タイトルの通り、「天気予報はギャンブルじゃない!」って話です。
気象台の昨夜17時発表の大阪の予報(9日)は、
「曇り 昼前から夕方 雨か雪 (所により 昼前から 雷を伴う)」。
天気マークは、曇りマークに雨マークがのっかる表示でした。
また、近畿のほかの地域も「雨か雪」「雪か雨」の予報で、
雨と雪とどっちを先に書くか(どっちが可能性が高いか)で悩んでいる節が分かりました。
(予報地域内の標高や気温の微妙な差、などから、各地の予報が雨・雪入り乱れていたんです)
近畿には「大雪に関する近畿地方気象情報」も発表されていたものの、
「大阪でも雪」を強調したり「大阪市内は雨かみぞれ」と解説したり、
正直、解説者や放送局によってしゃべる内容が違うように感じた方もおられるかもしれません。
それだけ、きょうの天気予報は難しかった、ということを先に申し添えておこうと思います。
◇
それを踏まえて僕はと言うと、「アンカー」をご覧になった方はご存知だと思いますが、
見ようによっては、歯切れの悪い、スッキリしない解説だと思った方もいるかもしれません。
なぜなら、
「雨が降るか雪が降るか、正直難しくてよく分からない」
といった内容の放送をしたからです。
◇
きのうの解説は、僕は自分のこれまでの雨・雪予報の解説のときの反省から、
僕の解説の原点に戻って、解説のしかたを考えました。
僕にとって原点とは、僕の師匠のTBSお天気キャスター・森田正光さんの教えです。
師匠がよくおっしゃるのは
「難しくて分からないということも、視聴者さんにとっては価値ある情報だ」ということ。
予報が難しいときは、なぜ難しいかをちゃんと話すことが「解説」だ、ということです。
◇
昨夜の予報では、平地でも雪になっておかしくない目安の
「上空1,500m付近で-3℃以下」の線がちょうど近畿の真ん中くらいで、
なにか降ってくるのは間違いないものの、降るものが「雨」か「雪」か、とても微妙でした。
(地上まで解けずに降ってこられれば雪、解けちゃったら雨、になります)
しかし、オンエア中も言いましたが、
いまの天気予報に利用しているスーパーコンピュータや観測密度の精度では、
近畿全部がこの「-3℃以下」になるかもしれないし(近畿全部で雪かも)、
近畿全部がこの「-3℃以下」にはならないかもしれない(近畿全部で雨かも)、
それが今の天気予報の技術の限界なんです、とお伝えしたわけです。
人によってはそれが歯がゆく「結局どっちやねん!」と思った方もいたかと思います。
◇
天気予報のいちばんの使命は、「災害を未然に防ぐこと」。
ですので、僕は「最悪の場合は、雪が平地でも積もるかも」とか、
「最悪の状況に備えて行動したほうが無難です」とか、「最悪の場合」という言葉を繰り返しました。
最近の解説は(特に若い人に多いような気がしますが)、
往々にして、「狙って、当てに行く」解説が多い気がします(自戒をこめて、ですが)。
確かに何も知らない一般の方にとっては、
ごちゃごちゃ並べ立てるよりも、天気マークひとつ!のほうが分かりやすいかもしれませんが、
僕は、予報の難しさや限界を、視聴者の方に分かるように解説させていただくのが、
「お天気キャスター」の役割だと思うんです。
「気象予報士」はあすの天気をひとつに絞り込んで、当てる仕事かもしれませんが、
僕ら「お天気キャスター」は、あすの天気を解説し、災害から皆さんを守る「町医者さん」だと思います。
「なんや、ごちゃごちゃ言うて、結局何なのかわけわからんわ」と思われたら
解説をもっと上手にする必要があるわけで、そのときは自分のスキルを上げなければ、と思うわけです。
◇
ハズれることが多いくせに、逃げ口上じゃないか、と言われたらそれまでですが、
天気予報の楽しさ、素晴らしさ、そして難しさ、さらにはその難しさに伴うやりがい……
こんなものを、テレビを通してみなさんに伝えられたらな、と思って、日々アンカーに臨んでいます。
強い自戒と反省を込めて、ですが、そんなことを考えてみました。長い記事でゴメンナサイでした。
追記.
気象台の地方情報は、最近はいつも、今回の雪のように予報が難しいパターンのときは、
「低気圧の進路や発達の程度、気温の変化によって降雪量は変化します。
今後、地元の気象台の発表する最新の注意報や情報に留意して下さい。」
とひと言添えられています。でも、これが放送で伝えられるのって、本当に少ない!
断定的な解説でなく、この気象台のひと言を正しく分かりやすく伝えられる
お天気キャスターになりたい、といつも強く思っています。
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