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歌は世につれ世は歌につれ
<<亡き父の思い出>>
私の亡き父は、海軍でした。
普段は人にぶっかっても話をしないような人でした。
厳格で箸の持ち方など躾に厳しい人でした。
その父は酒を呑むと一変します。
とにかく陽気になり、会話が弾みます。
本当に楽しいときには、
とっておきの歌が飛び出します。
この曲を歌う時は上機嫌な証拠でした。
父が歌うのは、藤山一郎の「東京ラプソディー」です。
「花咲花散る宵も…」と歌い始めるあの曲です。
わが家にはお客様が来ると直ぐお酒が出ます。
お茶を出して話をする習慣がありませんでした。
お客様が来ると家族でもてなします。
お酒を運ぶのは私の仕事でした。
機嫌が良いと歌い出す曲は子どもながら、
耳から覚えます。
今この曲を聞くとき亡き父はどんな気持ちで
歌っていたのだろうと考える年になりました。
このうたは父にとって青春の思い出だったのだろうと思っています。
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