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先日、遺体処理のコメントをいただきましたので関連して。
大規模震災時には火葬場(斎場)の火葬設備も破損し、たいてい長期間使用不可能となる例が多い
ようです。
なんとしても修理し大急ぎで使用したいという方の為に書きましょう。
< How to 火葬炉修理 >
<1,火葬炉本体>
火葬炉や煙突は耐熱煉瓦が作られてます。地震のような揺れにとても弱く崩れ落ちてしまいます。
崩れ落ちなくともヒビ割れ、一部破損の為、火葬炉内部に入り破損部を除去し煉瓦を積み上げなければ
なりませんが、余震が続く中では二時被害の可能性がとても高いので余震が無くなるまで作業にかかれ
ません。
とりあえず、耐熱煉瓦、耐熱セメント、ハンマー(大小)、タガネ、電動タガネ、作業灯、通気ブロワ
運搬台車・バケット(補助作業員数名)、防塵眼鏡、防塵マスク、線香、風呂を準備ください。
耐熱煉瓦を積み上げられる腕の良い職人は、ごく少数です。すぐに来てくれるかわかりません。たぶん
産業設備の修理、公共のゴミ焼却炉の修理が優先され火葬炉の修理は後回しにされると思います。
どうしてもというなら焼き物釜を作った事のある方を探してください。
ひび割れ程度なら素人でもできるでしょうが・・・ 火葬炉の中に入れる勇者は・・・・。
<2、煙突>
煙突の修理というのは非常に困難です。外観に問題が無くとも内部は破損している例が多いでしょうが
煙突の中に作業員が入り修理する事は困難です。
分割型の煙突は、クレーンで引き抜き部分交換も可能ではありますが、発注から完成まで数週間かかり
大急ぎというわけにはいかないでしょう。
<3,副燃焼炉>
燃焼するのは、火葬炉本体だけではありません。人を火葬する炉の上に副燃焼炉や第三燃焼炉まであり
ます。これは、発生した煙を完全に燃焼させ、臭いはもちろん、ダイオキシンの発生を極力抑える為に
再度燃焼させます。
こちらも耐熱煉瓦でできています。こちらの点検、修理も必要です。
<4、補機、送風機>
燃焼炉には、ガス配管、送風機、送風ダクト、測定器、制御盤、消火設備と配管が沢山ついてますが
震災のような場合は、配管も破損しています。修理、交換が必要ですが・・・。
燃焼炉機械室は、配管だらけで大きく重い部品やユニットを床移動する事ができません。
たいてい修理する事を考えた設計になっていませんので部品、配管交換がとても困難です。
では、どうやって部品・ユニットの移動、交換を行うのかといいますと、空中を空中ブランコのよう
に移動し、空中でユニット交換となります。
<5、ワイヤー・ワーク>
送風機や分割した炉のユニットは、数十〜数百kgになりますが、これを配管だらけの屋内を空間を
ぬうように数ミリ単位で上下左右に移動しながらバケツリレー、空中ブランコ式に移動させます。
屋内は、ロープ、ワイヤー、滑車、チェーンブロック、レバーブロック、チルで蜘蛛の巣が幾重にも
張り巡らされたようになり人が移動する空間も無くなってしまいます。
これをやれる職人、技術屋は大規模震災時にはライフライン復旧、産業設備復旧優先になり確保が
困難です。
公共性と緊急性が高い場合は行政と調整し、消防のレスキュー隊員を呼んでもらいましょう。
レスキュー隊員はこの技能を有すると思われますが、まだ「ロープ・レスキュー」は、普及の途中で
あり地方ではあまり普及していないようです(専門誌Jレスキュー5月号記載)。
地方では隊員も少ないので、ハイパーレスキュー隊を呼んでもらうのが一番間違いないと思われます。
<6、検査>
そうまで苦労して修理しても厳重な燃焼検査を受けなれば使用できません。最近は炉の安全性よりも
ダイオキシンの発生量の検査の方がうるさくなってきています。
<7、現実問題>
現実問題として修理の見積もりに時間がかかってしまうのと、老朽化した火葬炉の場合は修理するよ
り新しく作り直そうという話になりますが、単純に火葬炉を入れ替えるのではなく、斎場施設そのも
のの建て替えようという事になり、煙筒の高さもいままでより高くなり周辺住民との話会いも必要に
なります。
そんなわけで、単純に修理というわけにはいかず、震災後長期間放置されている斎場が多いのは、
その為です。
写真:イメージ
へたに写真を撮ると怖いモノが写りそうな気がします・・・(怖いよ〜
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