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自分が中学生のとき、社会の世界地理分野の授業で、こんなことがありました。
「日本から真東にずっと進むとどこに着くか?」という問いが出されたのです。
私はメルカトール図法の地図帳を見て「アメリカ」と答えました。
イメージ 1

しかし先生は「地図で見るとアメリカが東に見えるけど、地球は丸いから本当はブラジルが東だ」と言うのです。
そして日本を中心とした正距方位図法の世界地図を見せました。
イメージ 2
しかし私はこの先生の説明がいまひとつ腑に落ちませんでした。
これは単に地図の図法による違いでしかないではないか、と漠然と思ったものの、何が引っかかっているのか自分でもはっきり明確につかめず、うまく説明できなかったので、その授業の場ではじゅうぶん反論できずに言いくるめられるような形になってしまいました。

その後もこの疑問はずっと自分の中に残っていました。ときどきふっと思い出してなんだったんだろうなと考えてしまうこともありました。
そして成長していく過程でいろんなことを学び、知り、考え、大人になってようやくなんとなくわかってきた気がします。
うまく説明できるかどうか不安ですが…。

まず結論から言うと「設問の解釈によってどちらも正解になり得る」が正しいのではないかと今は考えています。
ではその設問の解釈とは何か?
先生が正しいと言える場合の設問の解釈はこうです。
「日本のどこかある地点を基準とし、その地点における真東の方向について、地表面に沿って直進した先はどこに着くか」(A)
これならば答はブラジルで正解なんです。
つまり横田基地あたりから直進する大陸弾道ミサイルを真東の方向に発射し、それが地球半周したらブラジルに届く、ということですね。
ところが、この設問は別の解釈ができるのです。それは
「日本のどこかある地点を出発し、常に真東の方向に向かって進むとその先はどこに着くか」(B)
この場合は実は正解はアメリカになります。
つまり船に乗って羅針盤の指す真東を目指して進むとアメリカ西海岸に到着する、ということです。

なぜこの違いが生まれるかというと、それは「進む途上で『真東』の方向を更新しているかいないか」の違いなのです。
上記(A)の場合、出発点で真東の方向を定めたら、その方向に直進するのみで、途中で方向を変更はしません。
(B)の場合、進みながら各地点において常に方向を更新し続けているわけです。
そもそも日常において「東へ進む」といえば実は(B)の認識であることが多いので、常識的思考をすると答もそちらになるわけです。

これと似たような話で、以下のような問題があります。
「山田さんは10m四方の大きさの自宅から南に1km進み、その後東へ1km、さらに北へ1km歩いた。山田さんはその時点で自宅に戻ってきた。なぜそんなことが起きるか?」
これ、答はつまり「山田さんの家が北極点にあったから」なのですが、ここでも「東へ」が前提にしているのは(B)なんですね。
実はこれ非ユークリッド幾何学の中の球面幾何学の問題でもあります。
つまり定義が変われば正解も変わるのが当然、ということですね。

こうして大人になってようやく腑に落ちたわけですけども、まあ中学の社会科教員にここまでのレベルの説明を求めるのは酷だと思うし、また中学生のときにこう説明されても理解できたかどうか難しかったかもしれません。

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