10万円

今私は、人生で最も10万が欲しいと思っています。

理由は、ソファとベッドが欲しいからです。

2つで10万でいいです。
ペーペーの落語家なので。
何十万とするやつを買ったら、その話をした時に恐らく何回かされるでろう周りの人からの
「それやったらええ着物買えたやん!」
のくだりが面倒くさいからです。

10万が丁度いいのです。
もし20万やったら本来ソファとベッドが欲しかったはずなのに、調子乗ってバルセロナとかに行ってしまいそうだからです。

仕事で稼ぐとかじゃなくて、なにもせずに欲しいです。

あと。ええスピーカーも欲しいです。
新しいニューバランスも欲しいです。
昔CanCanに出てて、最近はボルダリングに通ってる元モデルの別嬪のお友達も欲しいです。

なかなかうまいこといきません。

おかしいなぁ。
今頃予定では神木隆之介さんと志田未来さんと、1993年5月生まれおうし座の3人として「ボクらの時代」でコーヒー片手にチーズのお洒落な料理食べてるはずやったのに。

まあなんせ頑張るしかないですね。
「カット!!」

撮影が止まる。

覚悟を決めた私はどうにでもなれという気持ちを込めてジャスティンに向かって言い放った。

「お前ええ加減にせえよ!お前のせいで周りどんだけ迷惑してる思てんねん!アメリカのスーパースターかなんか知らんけどプロやったらちゃんと仕事せえや!なめんなよ!」

終わった。
全てが終わった。
これでなにもかも台無しだ。
もうこの世界とはおさらばだ。
小学生の文集で、有名人になると書き、
夢に満ち溢れてキラキラしていた自分の姿がゆっくりと思い出される。

呆気にとられる周りの大人たち

そしてゆっくりとジャスティン本人を見た

目が合う

そしてジャスティンが一言、こう言い放った

「What?」




まさかの日本語やからなにも伝わってなかった



え、うそやーん


次の瞬間、大勢の大人に取り押さえられ、そして引きずられ私はスタジオから出て行った。

せっかく勇気出したんやからせめて伝わっていては欲しかったぁ〜
What? って…
伝わってもないや〜ん
これやったら、エキストラやのにこの俺に意見した勇気ある日本人や!ってなれへんや〜ん
ただの大声で出したヤバイ日本人や〜ん


母さん、ジャスティン・ビーバーは
きれぇ〜な二重だったよ
撮影中止になって1時間が経過した。

なにやら騒つきはじめるスタッフ。

するとそこへジャスティンが姿を現した。
明らかに不機嫌である。

自分の部屋を母親だけでなく、父親にも勝手に掃除された時の中学生男子の顔だ。

本番が始まったものの、ジャスティン本来のパフォーマンスとは程遠いものがある。

まず顔が笑っていない。

カット。やり直し。カット。やり直し。カット。やり直し…

徐々にイラつきはじめるスタッフやエキストラたち。

最悪の空気だ。

私は思った。
ジャスティンに物申そうと。

そんなことしたら9割9分クビになるだろう。帰れと言われるだろう。もうこの業界にいられなくなるだろう。
でも残りの1分に賭けてみるのもいいかもしれない。

「君のような若者を待っていたよ」的なヤツだ。

どうせやめるならその方がいい。
実家の親にも、友達にも、ジャスティン・ビーバーに怒られてクビになった言うたら、ウケるかはわからんけど、スベることはないだろうから。

次のカットがかかった瞬間、あの天下のジャスティン・ビーバーに物申す。
そう心に決めたとき、監督の「カット!」という声がかかった。

つづく
ジャスティン・ビーバーさんが楽屋に戻られ、収録が中止してから15分が経過した。

徐々に噂が回ってくる。
どうやらセットの舞台の一部が納得いかなかったらしい。

しかしジャスティンサイドが新たな具体的な案を出しているわけでもないというので、平行線が続いているそうだ。

いつになったら収録が再開するのだろうか。

待ち時間にゆっくりと他のお客さん役の人たちを見たら妹に瓜二つの人がいててめっちゃニヤニヤしてしまった。
あとスタッフの中に元西武の渡辺久信さんに似てる人も。

そんなことをしていたら1時間が経とうとしていた。

つづく
ある日突然連絡が入った。

ジャスティン・ビーバーさんが日本でCM撮影をされるというので、そのエキストラとして出演させて頂くというものだった。

ジャスティン・ビーバーさんが、ライブをされてるという設定で、500人の客さんの中の1人の役でした。

ジャスティン・ビーバーさんとは同い年なので、同世代のスーパースターとしてお会いできるのをとても楽しみにしていました。

そして、ついに現れたジャスティン・ビーバーその人。

テレビで観るよりジャスティン・ビーバー。特にビーバー感強め。

彼はスタッフと軽く打ち合わせをした後すぐに、舞台へ。
1発オッケーで颯爽去って行くイメージを勝手にしてしまっていました。

しかし突然彼は舞台から降りて楽屋の方へと戻って行ったのです。

なにがあったのかみなが不思議に思ったのでした。

つづく

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