
国立公園と国定公園の二山を登る
鳥海山(2236m)鳥海国定公園
月山(1984m)磐梯朝日国立公園
2006年8月15日(火)晴れ時々霧
庄内三川道の駅7:25→月山山麓姥沢駐車場8:35 8:50→月山リフト下駅9:00 9:30→月山リフト上駅9:45 10:00→標高1570m付近小休止10:40 10:55→牛首(姥ヶ岳分岐)11:10→標高1850m小休止11:25 11:35→鍛冶小屋11:45→頂上月山神社12:00 12:40→姥ヶ岳分岐13:00→姥ヶ岳14:30 14:50→月山リフト上駅15:05→月山下駅15:20 15:35→月山山麓姥沢駐車場15:45
月山山麓さなえ温泉で入浴→道の駅「寒河江」でテント泊
月山(1984m)
8月15日(火)晴れ時々霧
前夜テント泊をした、庄川三川道の駅を7時25分に出発。月山登山口姥沢駐車場へ向かう。月山山麓姥ヶ沢駐車場へは8時35分に着いた。広い駐車場も満杯空きを見付け駐車する。
今日の山行は昨日の鳥海山とは比べ物にならない短い距離の山歩きで、しかも標高1500mまではスキーリフトを利用すると言うから、我々老人登山隊には至れり尽せりのコースといえよう。
しかし、歩くことを目的として100名山を制覇する御仁には、山麓からのルートもしっかり作られているからご心配なく。
8時50分駐車場を後にして、リフト駅へ向かう。道の両側に軒を連ねる宿泊施設もスキーシーズン外で閑古鳥かと思いきや、結構賑わっているのも月山が100名山として有名だからなのか、あるいは、出羽三山を巡る修験者の物であろうか、民宿の玄関先にある、下駄箱の中には登山靴や地下足袋が整然と並んでいることからして伺い知れる。
リフト乗場からは13分間の空中散歩。途中に咲くヨツバヒヨドリには数頭のアサギマダラが翅を休めていた。昨日の鳥海山では見られなかった、アサギマダラの北限はこの付近かもしれない。
9時45分リフト上駅に到着。昨日に引き続いて先ずますの天候である。正面に姥ヶ岳、その山を目指す登山者の姿がはっきり見える。緑の山肌に黄色く見えるのがニッコウキスゲ。目線を右へ移動する長い稜線が続き、濃緑の山肌に鮮やかなコントラストを付ける残雪の上では、夏スキーを楽しむ人影も見られる。雪渓を横断し長く伸びている登山道は、牛首から月山への登山道だ。そこにも点々と人影を見る。
牛首付近から上部は雲に包まれ目指す月山は見られない。
10時リフト上駅を出発した。広い湿原をたどる木道の登山道は、よく整備されていて歩きやすく、登山道沿いに咲くヒナザクラもイワイチョウの間から花茎を精一杯に伸ばし純白の花を咲かせていた。
私はヒナザクラの花を始めて見た。姿形はハクサンコザクラと変わりはないが、足元に咲くこの花には一片の曇りもなく、その姿は純白で侵しがたく気品さえ感じられた。
歩き始めて40分雪渓を横切った台地の上で小休止、(標高1570m、25000/1地形図の破線20ピッチ、歩行距離約1500m)
相変わらず、月山は雲に包まれて入る。目の前に広がる湿原は、一面のイワイチョウの葉で埋め尽くされていた。10時55分台地を後に牛首へ向かう。
牛首(姥が岳分岐)1690m、10時10分通過、ここで始めて昨日登った鳥海山が展望で来たが残念、山頂は雲の中だった。本州最大と言われる豪雪の鳥海山、月山の雪解け水が田畑を潤す庄内平野が目の下に広がり日本海と一つになって霞みに溶け込んでいた。
出羽三山とは羽黒山、湯殿山、月山の総称であって、三山には羽黒神社、湯殿神社、月山神社の三社が鎮座している。古くは、この三社はそれぞれ独立した神社であったものを積雪期の神社管理が困難な事から、羽黒山山頂の出羽神社合際され湯殿、月山の里宮として現在にいたっている。
いままでの単調な道は、ここから登山道らしく変化をし、岩石の積みあがる岩場の道に変わるが、老若男女を迎える信仰の山は、道も安定し不安をまったく感じさせない。牛首から10ピッチ、標高1850mで2度目の小休止時刻は11時25分。目の下には登って来た登山道が緩やかな曲線を描き、カールの底に残る雪原とそれを取巻く湿原植物の濃い緑が日差しを受けて目に痛い。「雪渓が暖められて、そこから霧が発生する!!感動ものだわ」とTさん。Tさんだけではなく、恐らく他の三人も同じ思いで周囲の景観を見詰めているに違いない。「姥ヶ岳の先に見えるのが湯殿かな」とIさん。我々はこの地点で10分の休憩をして、幾分緩やかになった登山道を一歩一歩、歩を刻んで11時45分鍛冶屋小屋跡を通過した。小屋跡は以外に広く目測間口4m弱、奥行き10m程か、周囲を2mほどの石垣で囲われた跡地を見てこんな場所でどんな物を火作りしていたのか興味を抱いた。
深田久弥氏は日本百名山の著書の中に月山をこのように紹介している「山は濃い群青で、牛の背のようにゆったりと伸びていた。どんな山でも頂上のあたりはいくらか鋭く立っているものだが、月山にはそれがない。撫でたように緩やかな線であった」そして「出羽三山とは、羽黒山、月山、湯殿山のことだが、・・・ひとり月山だけが優しく立っている。優しく―それが月山である。」
牛首からの急登は、標高差にして僅か300mその急登も岩を掴みロープに頼ることもないままあっけなく山頂の一各に立った。国土地理院1/25000地形図を見れば歴然と分るように、月山を東側から見れば深田久弥氏が著書に認めたような「撫でたような緩やかな線」であるはずだ。
私達はこの緩やかな山頂を、ある時は流れる霧の中を歩いたり、強い8月の太陽の下を歩いた。月山山頂の「月読尊(つきよみのみこと)」を祭る神社に参詣の後、神社の下に広がる草原(御室)に腰を下ろした。山頂到着12時
「御室」とは、神が宿る場所の意味だそうで、山岳宗教の華やかな頃「御身体が鎮座」する山頂の一画をその様に呼びならわした。白山の室堂も同じことで、山全体が神の山であった証しであろう。
芭蕉も奥の細道紀行の途次で月山を訪れている。芭蕉は出羽三山の羽黒山から、月山へ登り次いで奥の院の湯殿山へくだっている。「雲の峰いくつ崩れて月の山」・芭蕉
私達は出羽三山を経ることなく、あっけなく標高1978mに立ち、食事をし、食後のコーヒーを飲んだ後、12時40分月山山頂を後にした。
牛首分岐で、緩やかに下る道を分ける。姥ヶ岳への縦走が始まるが、稜線は緩やかな起伏で岩石の露出する場所や湿原には木道が作られ、昨日歩いた鳥海山といい岩手県民の山への気持ちの表現が歩いて見て良く判る。実に歩き易い快適な山歩きが出来た。
稜線の左右に広がる景観を眺め、濃い緑のなかに群生するニッコウキスゲに感嘆の声をあげ、広い雪原から水蒸気が上がりそれが霧となって気流に乗り流れていくようすに見惚れ、楽しい山歩きは姥ヶ岳山頂まで続いた。姥ヶ岳山頂で全員集合写真を取る。時刻は14時30分。23ピッチ、1700mの稜線漫歩は1時間30分とゆっくりペースで、四辺の景観を十二分に味わった。
姥ヶ岳山頂での大休止は20分に及んだ。14時50分山頂を後に木道を歩く。昨日鳥海山でも目にした「キンコウカ」が一面の群生を作っている。「周りが黄色に輝いてるね」Iさんがつぶやく。「これがみな金だったりして・・・」「そうしたらこの場から全員飛びこんだりして」と老人部隊らしからぬ若く華やいだ瞬間があったのも、この山旅が若い人達のなかで過ごした所為であったと信じたい。
山頂一帯の湿原にはキンコウカ、台地のあちこちに群生するニッコウキスゲはこの山歩きの圧巻だった。
木道を左に曲がると、眼下に月山リフト上駅の駅舎の赤い屋根が見えた。全員の足取りは何時のまにか軽く、iさんとTさんの奥さんの姿はすでに小さく目の下に横たわる雪渓の上にあった。月山リフト上駅着15時5分。
始めて登った鳥海山・月山は今月始めに歩いた火打山、妙高山と違い我々老人部隊が片隅に追いやられてしまうほどに若い人が多かったことも記録しておきたい。お盆の所為ではないことを念じて・・・。
今回の山行にお誘い頂き、かつ車の運転を最後までして頂いたTさんご夫妻には改めて感謝に気持ちを表します。
往路歩行時間2時間 帰路歩行時間(姥ヶ岳経由)2時間25分 全行程時間5時間5分
往路歩行距離3750m 帰路歩行距離4050m 全歩行距離7800m
写真説明
1) 姥ヶ岳を背景に全員集合
2) 牛首分岐への道
3) 振り返ると登ってきた登山道が小さく見える。
4) 稜線から始めて鳥海山を見た。
5) 水蒸気が気流となって流れる雪原
6) 霧の中のスキーヤー
7) 縦走路からの展望
8) 振り返る稜線
月山スキーリフト上駅舎が見える
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綺麗な山の写真に感動をしています。ニッコウキスゲの花がまだ楽しめて、残雪も楽しめていい登山をされてきたのですね。綺麗な数々の写真にポチです(^O^)/
2006/8/27(日) 午後 5:30
月山は夏スキーで有名ですね。まだニッコウキスゲが咲いているんですね。出羽三山ですか。山伏と会ったり、ほら貝の音が聞こえませんでした?そういうイメージです。
2006/8/27(日) 午後 5:46
勝爺ちゃん。美しい山々のフォトを拝見しました。ニッコウキスゲの黄色が目立ったことでしょう。ヒナザクラの花は純白なんですね。見てみたいですぅっ。出羽三山を歩いた芭蕉と同じ気分に陥りましたか。記事文を読んでいて、風景を思い浮かべつつフォトをみて楽しみました。ありがとうございます。皆さん、お若いですね!!
2006/8/27(日) 午後 6:08
月山も、鳥海山もスキーヤーにとって夏でも滑れる最高の山です。また行きたくなりました。
2006/8/27(日) 午後 7:02 [ fuji_shimizu ]
さすがに雪渓も大きいですね!クレバスとかは有るんですか?歩く位置も難しいのでは?
2006/8/27(日) 午後 9:53
格調高い山行記に圧倒されています。わいわい、がやがやと歩いた山でさえ、師匠の文章にかかれば、たちまち魔法のように、深田久弥になった気分です。山行記、我が家にとっても宝です。霧のカーテンが開いたり閉じられたり、月山は男性的な鳥海山に比べ、恥じらいを持つ乙女のような山容。それが画像で証明されていますね。山行記も画像も、重ね重ねありがとうございます。
2006/8/28(月) 午前 9:23 [ シマウマ ]
比較的快適な登山コースだったんですね。山の写真、空気が澄んでいるのが伝わってきます。(o^∇^o)ノ
2006/8/28(月) 午後 6:06
Kyonさん、ポチ有り難う御座います。若い頃は、岩のゴツゴツした山に憧れを持った物ですが、自然はやはり心を休めてくれる場所が一番ですね。この年になって始めて悟りました。
2006/8/29(火) 午前 10:00 [ 勝じいちゃん ]
hujisanさん、法螺貝の音も、山伏にも会いませんでした。でも山頂では、白い着物を着た、アルバイトのにわか神主を見ましたが・・・(笑い)
2006/8/29(火) 午前 10:03 [ 勝じいちゃん ]
loseさんおはよう御座います。「ヒナザクラ」はハクサンコザクラと同じ姿形をしています。ただ色が白い。始めは奇形種かと思ったのですが、調べて見て判りました。
2006/8/29(火) 午前 10:06 [ 勝じいちゃん ]
simizuさん、10人ほどのスキーヤーが滑っていました。リフトを乗り継げば、標高1500mで簡単に夏スキーが出来る。岩手県の夏は実に素晴らしい・・・。デス。
2006/8/29(火) 午前 10:09 [ 勝じいちゃん ]
すぎっちょんさんおはよう御座います。雪渓は巾約40m程かな。長さは150m・・もう少し長いかもしれませんね。そこで皆さんスキーをしていました。登山道は雪渓を横切る程度で巾も10mそこそこ、クレバスもありましたが、事前に手当てをしているのでしょう、大きなクレバスは見られませんでした。
2006/8/29(火) 午前 10:15 [ 勝じいちゃん ]
tidukoさんおはよう御座います。楽しかったですね。山であった人が自慢していた、朝日岳を今度計画しましょうか? 其の前に「八ヶ岳」気を付けてイッテラッシャイ。楽しい土産話待ってます。
2006/8/29(火) 午前 10:20 [ 勝じいちゃん ]
ケイさんおはよう御座います。私の友達なんか月山は山ではないナンテ豪語していたモサもいたのですが、やはり疲れましたヨ。花は綺麗でした。 まだアップしていませんが、キンコウカの群生は素晴らしかったです。
2006/8/29(火) 午前 10:24 [ 勝じいちゃん ]
結構手軽に2000m弱の山を楽しめるのが月山ですよね。私の中で月山といえば、ダム、将棋の駒という2つの印象があります。
2006/8/31(木) 午前 10:10 [ - ]