かつ爺の「山の歳時記」

ゴミを拾いながら徒然に書いた山日記

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鈴鹿の山・花の歳時記 秋
鈴鹿の山・花の歳時記 秋

朝明渓谷と庵座谷 2006・9・28

↓1)「フジテンニンソウ」 シソ科 テンニンソウ属 テンニンソウの変形 撮影場所・庵座谷キャンプ場付近
フイクションロープを伝い谷底へ降りた途端、河原の砂地のなかに一塊のフジテンニンソウを見付けた。あまり目立つ花ではないが、淡い黄色の花穂を一杯付けている。伊吹山では、山頂お花畑で大きな群生を作っているが、河原の中ではこれが精一杯の増殖であろうか。



↓2)「アキチョウジ?」 シソ科 シソ科 ヤマハッカ属 撮影場所・庵座滝直下
沢の対岸の岩影に、青紫色の小さな花が群れて咲いているのをみて、撮影した。落下する滝が風を起こし、飛沫は霧となって飛散する。アキチョウジはこの悪条件のなかで、嬉しそうにたえず揺らいでいた。私はタオルでカメラを被い急いでシャッターを切った。



↓3)「スズカアザミ」 キク科 アザミ属 撮影場所・庵座滝直下
一説によると、アザミの種類は200種類に及ぶという。生態系を少しずつ変化させ、気候風土に素早く適応できる柔軟性をこの植物は持っているのであろう。例えば、東京のど真中にあるとすれば、トウキョウアザミと名付けられて不思議ではないそうだ。
鈴鹿にもスズカの固有名詞を持つアザミがある。其の他には、鈴鹿・綿向山の固有名詞を持つワタムキアザミ、がある。



↓4)「バアソブ」 キキョウ科 ツルニンジン属 撮影場所・庵座大滝上部
バアソブ・・変わった名前の花だ。実はこの花の名前は長野県木曽地方の方言がそのまま花の名前になった実に珍しい花で、”婆様のそばかす”の意味で、「そばかす」は、方言で「ソブ」と言うそうだ。ちなみにツルニンジンを「ジイソブ」と呼ぶ別名もある。

ちづ子さんが、『ソバカスがあるよ!!』と驚いた声に振り返ると緑の葉に隠れるように咲いていたのが、ツルニンジンの花だった。後日いつもお尋ねして、アドバイスを頂く植物園の先生にお見せし教えを請うた。『実物を見ていないから詳しくは判らないけれども撮影された標高から推察してバアソブでしょう』と解答を頂いた。ちなみにジイソブは花の蕚片が大きいそうだ。



↓5)「アケボノソウ」 リンドウ科 センブリ属 撮影場所・ニ段の滝上部の草地
アケボノソウ名前を聞けば、なぜか万葉の世界に迷い込んでしまうような錯覚さえ覚えてしまう名前なのだが、万葉集の中にはそれらしい花を詠んだ詩は見られなかった。
秋の花便りが、各地から寄せられるなかに、この花の名前を見つけるとなぜかホッと気持ちが安らぐ。白い5枚の花弁には、それぞれ濃緑色の斑点を無数に付ける。この斑点を夜明けの空に瞬く星に見たてたという。こうしてアケボノソウの名前の由来は、薄明るくなった明け方の星空を見て付けられた。
この花にはもうひとつ、他の花とは違う特長がある。虫を寄せ付ける蜜腺が花弁にある。小さな黄緑色のニ個の丸い斑点がそれでこの斑点は他のどの花にもない。



↓6)「ミズヒキ」 タデ科 タデ属 撮影場所・朝明渓谷林道脇
今まで、ミズヒキは赤色とばかり思っていたが、白いミズヒキが存在することにいささかびっくりしている。写真を植物園の先生にお見せしたが、間違いなく白のミズヒキだとおっしゃって頂いた。写真のように赤のミズヒキに混じり白のミズヒキも咲くそうで、突然変異ではないとのことだった。



↓7)「ガマズミ」 スイカズラ科 ガマズミ属 撮影場所・朝明渓谷林道脇
午後の日差しのなかで、ムラサキシキブと競い合うように互いの色を輝かせていたガマズミの実、まだ小鳥も近付かないと言うことは実も熟していないのだろうか。一つ摘んで口に入れたが、本来の甘酸っぱい味はあと少し先になるのだろう。この実は焼酎漬けにして保存すれば果樹酒として重宝できる。



↓8)「ムラサキシキブ」 クマツヅラ科 ムラサキシキブ属 撮影場所・朝明渓谷林道脇
ガマズミと共に色彩の競演をしていたムラサキシキブ。初夏の頃薄紫色の小さな花を枝一杯に咲かせてくれるが、この紫色の実も実に可愛く美しい。歌人紫式部もこのような清楚で上品な女性がったのであろうと想像すると楽しくなる。

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四季の山歩き 2006年9月28日 
四季の山歩き 2006年9月28日 (木) 晴れ
鈴鹿・庵座谷から釈迦ヶ岳(1092m)を歩く


鈴鹿マウンテンセブンの完登を目指し、残る最後の一峰が、釈迦ヶ岳だと言う山仲間の中村ちず子さんとは、今年5月連休に釈迦が岳を目指したが山頂手前で時間切れとなり引き返した事があった。
9月始め、八ヶ岳完全縦走を達成した、中村ちず子さんとS・洋子さんから釈迦が岳山行に誘われ、経験や技術から庵座谷を提案し、二人から快諾を受け私自身も38年振りの庵座谷を歩いて来た。

この庵座谷は、釈迦ヶ岳を水源にして、深い谷を作り朝明川に合流する沢歩きの中級コースで、自分でルートを見つける技術も必要で、沢遡行、岩登りの技術も要求されるコースでもあり、ルートによっては上級コースに該当する。

庵座谷には鈴鹿屈指の名瀑『庵座大滝』がある。落差45m、見上げれば天から落下する飛沫は、風を起こし水煙は四辺の岩を、草木を濡らす。
今回の山行はこの庵座の滝を見ながら、大蔭のガレを詰め最後にフィナレーを飾る釈迦岳登頂コースを選択した。

8時20分朝明渓谷駐車場を出発。林道工事現場から架設の橋を渡り深い雑木林の中を歩く。ここで、38年の記憶の空間を埋めることはとても出来ないことを、歩き始めてすぐに思い知らされた。進む登山道が見当たらない。工事中の林道脇から進入する登山道が、トラロープで遮断されている。目の前には道はあるが、背の高い笹に道を塞がれていた。案内板もなくロープを乗り越しその道を進むのか、あるいはトラロープ内にある左斜面をジグザグを切った細い道を登るのか。。。駐車場まで戻り再度コースを確認。やっと遮断されたトラロープを乗り越し笹薮を抜けたが、ロスタイムを作る原因になった。先が思いやられる、危なっかしい庵座谷への第一歩だった。

※1) このあと流れ谷への道に迷い込み、約20分のロスタイムを合わせると30分近くコースを外れていた事になる。

登山口から約1時間10分、ようやく行くての樹間から庵座滝が見える。登山道から滝への道は崩れたガレを伝い谷へ下る。落差45mの直下から見上げる滝は、水量も多く垂直に飛沫を四辺に飛ばし落下ていた。
かっては、この滝の左側を直登した事もあるが、今では見上げるだけで足がすくむ。
滝の周辺では、フジテンニンソウ、アキチョウジ?の群生を見た。

ジャガイモとアジの干物で腹ごしらえをし、庵座滝の上部を右から大きく巻きこれから登る庵座谷の核心部大蔭のガレへ向かう。ニ段の滝のルンゼを、フイクションロープを使いよじ登る。ルンゼ上部には、アケボノソウの群生が緊張を和らげてくれる。

11時20分 ※2)大蔭のガレの崩壊を防ぐ鉄柵を見る。38年前の長大な柵は跡形もない。地形もすっかり変わってしまった。まさか山が動いた訳でもあるまい、あの広い大蔭のガレはどこに姿を消してしまったのであろうか。ガレを防ぐ鉄の柵の上部も背の高い樹木で覆われていて、前方に広がる松尾尾根もすさまじい崩壊の跡もまったく見る事は出来なかった。

松尾尾根の頭への急登は随所に張られたフイクションロープの助けを借り12時5分到達した。目の前に鈴鹿の主峰御在所岳が横たわる。釈迦が岳は松尾尾根を左に進み、県境稜線を経て12時10分に着いた。


※1)庵座谷は沢遡行ルート及び山道コースともに標識はほとんど作られていない。登山者が目印に付けた※テープが、枝や木に付けられているがおよそ信頼できるものばかりではなく、今回の様にテープを頼ってルートを外すこともままある。おかしいと感じたら、一度戻る勇気を持つ事が、遭難を防ぐ基本でもある。

※ 基本的には登山者個人が目印として付けたテープ類は、外して帰ることになっているが、それを守る登山者ばかりではないのが現実で遭難の原因になる事があるので注意したい。

※2)「大蔭のガレ」は松尾尾根の最頂部から庵座谷へ崩れ落ちている大きなガレ場(崩壊地)を言う。


コースタイム(休憩含む)及び歩行距離
朝明駐車場     8:05−8:20   
道迷いのためロスタイム    (30分)
庵座滝       9:45−10:20  2100m
松尾尾根・稜線  12:05        1500m
釈迦ヶ岳     12:10−12:45   375m
猫岳       13:10−13:15   975m
羽鳥峰      13:55−14:20  2175m
朝明駐車場    15:35        2275m

写真説明
1) 庵座大滝
2) 稜線縦走路から大蔭のガレ場
3) 稜線縦走路から御在所岳
4) 羽鳥峰

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