かつ爺の「山の歳時記」

ゴミを拾いながら徒然に書いた山日記

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伊吹山花の歳時記・秋・リュウノウギク

伊吹山花の歳時記・秋
リュウノウギク キク科 

10月も中旬ともなると、あれほど見事に咲き誇っていた山頂のお花畑もすっかり花は姿を消した。赤茶けた草の屍が広がるお花畑、冷たい北風に体を震わせるようにして咲くリュウノウギク。良く見ると、茎も葉も細かい柔らかそうな毛で覆われている。さながら厚いマフラーか毛皮のコートを着ているようだ。

花の大きさは2、3センチ、けっして大きな花とはいえない。野性味あふれそのくせ純白の舌状花と中心にある真黄の管状花は気品さえ感じる。

菊花はその優雅さと気品から、平安時代以降、貴族などの家紋として装束や調度の文様にしばしば用いられてきた。
天皇家において、菊花を始めて紋章にしたのは鎌倉時代の後鳥羽帝とされている。16花弁の八重菊を、衣服や刀剣に用いたのが天皇家の紋章の始まりだったが、正式に菊花を紋章として定めたのは明治2年以降明治天皇からのことだった。その紋章こそ16花弁の八重菊でリュウノウギクである。

リュウノウギクは菊の原種と言われている。同じ種類のものに野路菊があるが、伊吹山に咲く菊は紛れもなくリュウノウギクである。【伊吹百草】の代表的な薬草に薬浴剤としてこのリュウノウギクが用いられている。

樟脳に似た香り、お線香に似た香り、これらの匂いが混在する浴場での、冷え性、腰痛、神経痛などの疾患に体を温める温浴療法は、疾患者以外にも人気があり、伊吹山を訪れる登山者などで賑わう立ち寄り温泉も伊吹山麓を中心に散在する。

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