かつ爺の「山の歳時記」

ゴミを拾いながら徒然に書いた山日記

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上信越高原国立公園・池糖と花の山旅(その3)

火打山(2462m)妙高山(2454m)を歩く
2006年8月1日(火)〜8月3日(木)


8月3日(水)晴れ
黒沢池ヒュッテ 5:15→大倉乗越5:40 5:45→燕新道・長助池分岐6:25 6:30→妙高山山頂7:35 8:20→燕新道・長助池分岐9:30 9:40大倉乗越10:28→黒沢池ヒュッテ10:50 11:50→富士見平12:30 12:40→黒沢出会13:30 13:50→笹ヶ峰14:55

四辺を山に囲まれた黒沢池ヒュッテから見上げる狭い空間は、蒼一色で今日の山行を暗示しているようだった。5時15分黒沢池を出発する。昨日火打山から眺めた「山高帽子」は人を寄せ付けない壁のように見えたが、果たして登山道はどのようにその壁を登っているのであろうか。地図を見る限りほぼ直登である。期待半分、登れるかなの不安半分。

小屋から外輪山の大倉乗越までの登山道は、案内書によると急登とあったが、ゆっくりペースでコースタイムの範囲で到着した。大倉乗越で始めて妙高の姿をまじかに見た。カメラのレンズをワイドにしても、その巨体はフアインだーからはみだしてしまった。でかい山体は我々に挑戦するかのように立ちはだかっていた。

つぶさに山の斜面を観察した。屏風の壁を登山道は、左右に3mほど曲がりくねりながら登っている。「これは、空谷を詰めて行くのかもしれないね」壁を見詰めていた仲間の一人が呟いた。「45度はあるね」私が呟く。「登るより仕方ないね」仲間が呟く。

我々は、大倉乗り越しから急な崖道を約90mくだった。夏の早い時期にはアイゼンが必要になる場所でもある。ロープが取り付けられていて、さほどの危険は感じないがそれは無雪期のことで、雪のある場合は我々老人には薦められない危険なコースでもある。下りきったところから水平に外輪山を巻く、眼下には長助池の池糖が点在するのが良く見える。この水平の巻き道で斜面から流れ落ちる雪渓を横断する。幸い雪渓はシャーベットで靴先を打ちこむようにステップを切れば危険は感じなかったが、7月初旬の山行だったら、ピッケル・アイゼンは必要だったろう。

長助池分岐から、妙高山への登りになった。登山道は最初右から落ちる雪渓に沿って狭い谷を詰めるが、100mほど上流で左の斜面に取り付くと後はひたすら急登を登るだけ。
腕と足を交互に使い、無理やり体を押し上げる。幸いザックの荷物の大半を、ヒュッテに預けた日帰り登山スタイル。サブザックの中は水と雨具と僅かな非常食。それでも、長助池分岐からの標高差約400mの急登はキツカッタ!!登路も緩やかになり巨大な衝立岩を右に巻くと突然頭上が明るくなり、標高2445m・妙高山山頂に飛び出した。時刻は7時35分。

山頂からの展望は素晴らしいの一語に尽きる。白く雪形を残す北アルプスは朝日岳を始めキラ星のごとく峰を連ねている。素晴らしい展望に一同声も無かった。「あれが大雪渓だ!!」「ほんと!!人が見える!!」そんな冗談まで飛び出す愉快な高齢者の仲間達。

「百名山のオンパレードだね」私の横でIさんが呟いた。目の前の高妻山、昨日登った火打山、焼山の先に雨飾も見える。私達は妙高南峰の岩のテラスに腰を落着け360度のパノラマを思う存分脳裏に刻み、8時20分下山を開始し黒沢ヒュッテには10時50分に着いた。

黒沢池ヒュッテで昼食の後、11時50分笹ヶ峰へ向けて帰途に着いた。

今回の山行は100名山の火打山・妙高山の登攀もさる事ながら、池糖の植物を観察することも目的としていた。5つの池糖の内2つまで観察してきたが最後に残った湿地、黒沢池は黒沢ヒュッテの前から雪渓を登リ詰めた処に大きく広がっていた。

湿原を覆う緑の絨毯は花期をまじかに控えた「イワイチョウ」白い綿毛が風に揺れる「ワタスゲ」の大群生が我々5人を迎えてくれた。一昨日高谷池ヒュッテでお会いした京都のご婦人が「尾瀬の湿原も綺麗ですが、黒沢の湿原もとても素敵でした」と話ていた通り、見渡す湿原には霧が流れ緑と白のコントラストは幽玄の地をさ迷っているような趣さえ感じる。

歩き易い長い板道はどこまでも続いて、板道の先は霧の彼方に消えていた。歩く5人の足音のみ。「どこまで続くのかねぇ〜」誰かが呟く、「王様の気分だね!!」と私。実際この広大な湿原を占有しているのは自分達5人のみの世界だと思うと、その様な気分にも成るのだから爽快でもある。

小さな沢を渡る。やっと湿原とも分れる時がきたようだ、地名も「池尻」と言う。この付近には「ハクサンフウロ」の群生も見られた。

緩やかな登り降りを繰返し、火打山、高谷池への分岐「富士見平」へ12時30分に着いた。小休止の後12時40分に出発した。これより12曲りの急登を逆に急坂下降がまっている。一昨日喘ぎながら登ったこの道も、帰りは足取りも軽い。時々立ち止り道端に咲く花を撮影しながら、13時50分黒沢出会いに着いた。小休止、空のペットボトルに補充をする。流れる水で喉を潤す。「うまい!!」14時15分黒沢出会いを後にし、ブナ林に付けられた板道を通り14時55分笹ヶ峰登山口駐車場へ帰ってきた。


写真説明
1) 妙高山山頂から見た右から火打岳・影火打山・焼山
2) 妙高山山頂からの北アルプス展望
3) 妙高山山頂からの北アルプス白馬岳と白馬三山展望
4) 妙高山山頂からの北アルプス槍・穂高岳展望
5) 妙高山山頂
6) 黒沢池ヒュッテ従業員と共に
7) 黒沢池湿原
8) 黒沢池湿原
9) 黒沢を渡る
10)大倉乗り越しから妙高山全景

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