ママさん診断士の「読書de“目からウロコ!”」

地域・コミュニティをライフワークに、興味の赴くままに乱読記録を放り込んでおります。お勧め本があればぜひコメントください。

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ジェントリフィケーションと報復都市―新たなる都市のフロンティア
スミス,ニール【著】〈Smith,Neil〉/原口 剛【訳】
ミネルヴァ書房(2014/05発売)

*********************【今回の「目からウロコ!】***********************
■地代格差とは、潜勢的地代の高さと、現況の土地利用のもとで資本還元された地代との格差である。――ディベロッパーが建物を安価で購入することができ、改修にかかる費用やその利益を建築事業者に支払うことができ、抵当貸付や建設資金貸付の利子を支払うことができ、さらにはディベロッパーにとって満足のゆく額の利益をもたらす売却価格で最終生産物を売ることができるほど十分に格差が広がったとき、ジェントリフィケーションは起こる。
■資本主義経済においては発展の条件と水準の均等化に対し反対方向に作動する傾向または一連の諸傾向が存しているということ、そして現存する不均衡発展のパターンの背後に存しているのは具体的な歴史の内で繰り広げられるこれら諸傾向のあいだの矛盾であるということだ。先進地域と後進地域という対立や先進国と発展途上国という対立、あるいは郊外とインナーシティという対立が生まれるのも、ひとえに均等化に対置されるべきこの差異化の過程があってこそなのだ。
ー―に目からウロコ!「地代格差」と「不均衡発展」――、街角の何気ない小さなジェントリフィケーションの変化も、そんなミクロ&マクロな背景があるのだと納得。統計的には住民所得の向上や、固定資産税の税収増などのプラス面が出てきそうだが、現場レベルでは既存住民の追い出しや地元資本事業者から外部資本事業者への入れ替わりによる事業税収の減少という負の影響も見込まれる。あくまでも、既存の住民や事業者の生活および経営環境改善やQOL向上に結び付くように、長い時間と合意形成を経ながらまちづくりとして展開して、ジェントリフィケーションの正の側面を引き出したい。
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【イントロダクション(「アベニューBの階級闘争」―ワイルド・ワイルド・ウエストとしてのロワー・イーストサイド;ジェントリフィケーションはダーティ・ワードか?)】
■現実のフロンティアがそうであるように、ジェントリフィケーションのフロンティアを押し広げるのは、勇敢な開拓者の行為ではなく、資本の集合的の行為である。――、銀行、不動産ディベロッパー、大小の貸付業者、小売企業、国家が、すでにその先を進んでいる。――19世紀の西部がそうであったように、世紀末における新たなる都市のフロンティアの構築とは、経済的制服に向けた政治的・地理的戦略なのである
■1980年代に現れたふたつの産業が、新たなる都市のフロンティアを形づくった。
”堝飴唆函Д哀螢縫奪検Ε咼譽奪犬もつ――への地理的近接性を存分に活用するために、ロワー・イーストサイドを「イースト・ビレッジ」と命名した
∧顕住唆函宗讐莨Α▲僖肇蹈鵝▲ャラリーのオーナーやアーティスト、デザイナー、批評家、文筆家、パフォーマー
――ジェントリフィケーションとアートは手を取り合って「アベニューD」へ向けじわじわと忍び寄」った
■しかしながら1987年には、アートと不動産業の戦略結婚はぎくしゃくしはじめていた。――その存在によって地域の売り出しと家賃の上昇を見込めるであろうギャラリーやアーティストを引き寄せるために、1980年代初頭に作為的に家賃を低く抑え――、第一期の五カ年リースが満期になるやいなや、彼らは家賃の急激な上昇を求めたのだ。
■移民は、合衆国資本が市場を開放させ、地域経済を混乱させ、資源をしぼり採り、人々をその土地から連れ去り、「平和維持軍」と称して海兵隊を送ったすべての国から都市へとやってくる――、合衆国の都市は「第三世界化」というしっぺ返しを食らっている。

【第1部 ジェントリフィケーションの理論に向けて(ローカルな議論―「消費者主権」から地代格差へ;グローバルな議論―不均等発展;社会的な議論―ヤッピーと住宅をめぐって)】
■一般にジェントリフィケーションに先立って――価値低下のサイクルがみられる。――「フィルタリング」とは単に「絶え間ない時間の経過」によるものではなく、「人間の主体性」によるものだ。
■地代格差とは、潜勢的地代の高さと、現況の土地利用のもとで資本還元された地代との格差である。――ディベロッパーが建物を安価で購入することができ、改修にかかる費用やその利益を建築事業者に支払うことができ、抵当貸付や建設資金貸付の利子を支払うことができ、さらにはディベロッパーにとって満足のゆく額の利益をもたらす売却価格で最終生産物を売ることができるほど十分に格差が広がったとき、ジェントリフィケーションは起こる。
■インナーシティの衰退と相補的な過程として郊外化を捉える――。郊外の開発は脱中心化の過程として捉えられるべきではなく、都市圏への資本の精力的な集中化の延長線上にあるものとして捉えられるべきである。だが同時に、郊外化は都市空間内部の差異化を強化する。――新築や修繕という点でのインナーシティの経済的放置を同時に伴う――、資本の移動性を調整する国家規制がどこよりお手薄であった合衆国において、もっとも深刻な様相を呈することとなった
■が主国では毎年およそ50万世帯が立ち退かされており、其の人数は総計200万人に迫る。−−経済的再編が労働者階級に打撃を与えているのだとすれば、まったく同じことが都市スケールでの再編の空間的側面にもいえる。それがまさにジェントリフィケーションと再発展なのである。
■専門職のダブルインカム――、通勤費用を最小化するような比較的都心に近い立地を必要とし、また(店舗が近くにあることによる)家事労働の効率性や、(クリーニング、レストラン、育児といった)家事労働を軽減させる市販商品の効率性を増すような立地を必要とする。
■新たな差異や多様性や区分の追求が、新たなる都市のイデオロギーの基盤となっている――、文化的差異それ自体が大量生産品と化してしまうような、新たな「ジェントリフィケーション・キッチュ」をもたたしてしまう
■資本主義経済においては発展の条件と水準の均等化に対し反対方向に作動する傾向または一連の諸傾向が存しているということ、そして現存する不均衡発展のパターンの背後に存しているのは具体的な歴史の内で繰り広げられるこれら諸傾向のあいだの矛盾であるということだ。先進地域と後進地域という対立や先進国と発展途上国という対立、あるいは郊外とインナーシティという対立が生まれるのも、ひとえに均等化に対置されるべきこの差異化の過程があtってのことなのだ。

【第2部 グローバルなことはローカルなこと(市場・国家・イデオロギー―ソサエティヒル;キャッチ=22―ハーレムのジェントリフィケーション?;普遍と例外をめぐって―ヨーロッパの三都市)】
■ジェントリフィケーションと資本の引揚げと再投資との主たる関連性――、「古くからの地区の荒廃と改良という現象は、摩擦と再価値化という発展的運動を具現する社会的過程である」

【第3部 報復都市(ジェントリフィケーションのフロンティアを地図化する;ジェントリフィケーションから報復】
■「ジェントリフィケーションのフロンティア」が現すものとは、都市景観において再投資のエリアと資本の引揚げのエリアとを分かつラインである。
■「ジェントリフィケーションの対義語は崩壊や放置」――すなはち脱ジェントリフィケーション――「ではなく、住宅供給の民主化である」

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