ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

ブラザレンと預言理解

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最近、読み始めた本に

Bass, C.B., Backgrounds to Dispensationalism, Wipf and Stock

という本がある。この本は、あまりディスペンセーション説の背景

を知らずにディスペンセーション説的な神学に立つ牧会者向けの

ディスペンセーション説の背景を説明した本です。

 なぜ、この本を読む気になったかというと、この前関西のとある

集会の学び会に参加した折に、ある兄弟が学ばれた大変面白い聖書

の学びをお聞きしたからです。詳細は伏せたほうがよいと思うので、

伏せておきます。

 ところで、この本には、艱難前再臨説か艱難後再臨説のほかに

次のような分類でディスペンセーション説の立場に立つ人々を分

けていました。

Ultra Dispensationalist 
 極端な理解に走った人々 

Academic Dispensationalist 
 詳細な部分まで検証し、ディスペンセーション説を学術的に
 検討した人々

Pastor Dispensationalist
 神学校や、聖書学校でディスペンセーション説を教えられた
 牧会者またはスコフィールド版聖書で学んだ人々


Bass, C.B., Backgrounds to Dispensationalism, Wipf and Stock

は、Pastor Dispensationalistに向けて書かれたものだ、と主張し

ておられます。

 このPastor Dispensationalist グループは、一つの体系として

神学校などで、Dispensation説を教えられた結果、この理解が特殊

かもしれないという可能性を検討することなく受け入れた人々であ

り、まだ、批判的に考えてみる余地があるグループだからだろうと

思います。その人たちに、もう一回よく聖書から考えてみませんか、

ということをこの本は言いたいのだと思います。

 個人的に調べてみて、驚いたのは、福音派でこのDispensationalist

的な考え方に立つ方が非常に多いということです。まぁ、エマオ聖書

学院では、基本的にこの考え方だし、福音派に大きな影響を与えた20

世紀初頭の大衆伝道者であったムーディも基本的にこの路線の聖書理解

だったので、一気に広まったものとおもいます。

 Academic Dispensationalistと、その影響下に置かれた人々は、

ある意味確信犯としてこの天啓史観とも呼ばれる歴史分割法と黙示

録の読み方をしているので、そもそも、この考え方がある時代にあ

らわれた特殊な聖書理解である可能性を受け入れない人々であり

(ブラザレンのDispensationalistはどちらかといえば、これに近い

と思います)、また、Ultra Dispensationalist(これは日本のブラ

ザレンには、少ないが一部スピンアウトした人々にこのタイプの方

がおられます)はもちろん、もう聖書を読む視点がディスペンセイ

ショナリスト的な視点に固定されてしまっているので、これが特殊

かもしれないと考える可能性にある背景を説明したところで、その

可能性が受け入れられないからだとおもいます。

 つまり、Academic Dispensationalistにしても、Ultra

Dispensationalist にしても、基本的には、ディスペンセーション

説が伝統的な聖書理解の中で特殊な位置を占めている理解であること

を理解しない、理解する気がないグループだからなのだろう、と思い

ます。ディスペンセーション説を客観視できない背景には、歴史神学

的な聖書理解の体系的な理解の不足があるのだろうと思う。

 とはいえ、ティム・ラヘイの『レフト・ビハインド』がでて

からというもの、また、すっかり忘れていたDispensationalist的

聖書理解が復活し始めた感があります。レフト・ビハインド・シ

リーズを出版した、いのちのことば社には、かなり不満があるし、

この本の出版自体に関しては、はしたない行為とは知りつつも、

口を大きく開け、人差し指を口の中に突っ込むしぐさを個人的に

はしたいところではありますが。

 本来、少なくとも、レフト・ビハインド・シリーズは2001年

の911事件の後のアメリカの社会・文化的コンテキストの中で、再

評価すべきであると思うのです。このあたりは、『アメリカにおけ

る神の国』 H・リチャード・ニーバー、聖学院大学出版会 柴田

文子訳をご参照ください。

 自己の姿を見つめるためにも、Bassの本としばらく付き合ってみ

ようと思っています。そういえば、この本の著者の謝辞に、F.F.

ブルースの名前がForewordの謝辞でていた。なるほどねぇ。ふー

ん、と思ってしまったのでした。

 この本、かなりディスペンセーション説に対して批判的に書い

てあるので、キリスト集会の普通の方はびっくりすると思います。

閉じる コメント(9)

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福音派は改革派を除いて殆どディスペンの影響をうけているのではないでしょうか

2009/11/28(土) 午前 0:54 [ ぷにょす ]

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清め派も、そのリーダー格である中田重治がアメリカのムーディー聖書学院で学んだためにその影響をかなり受けているみたいですし・・・。

2009/11/28(土) 午前 0:56 [ ぷにょす ]

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先週、福音主義神学会の西部部会に出席したのですが、講演者がミラード・J・エリクソンの翻訳者の安黒氏でディスペンについてかなり批判的でした。かれ自身は聖霊派と福音派の間なのに・・・日本の福音派は今、この説の呪縛から逃れようと必死にもがいている様子でした。

2009/11/28(土) 午前 1:00 [ ぷにょす ]

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安黒氏もバスの著作について、言及していたので、おそらくBackgrounds to Dispensationalism, Wipf and Stockのことでしょうね・・・

2009/11/28(土) 午前 1:04 [ ぷにょす ]

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のっぞん様

川向でございます。
福音派のみならず、この種の考え方がかなり広範に広がっているので、危機感を覚えます。日本でも、かなり多くの聖書学校の関係者の間にこの考えが広まっており、これが標準として語られることの恐怖を感じます。続きます。

2009/11/28(土) 午後 1:38 [ kaw*muk*ih ]

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続きです。

この呪縛から逃れることが大切ですが、これまでの多くの人々がこの考えから影響を受け、それを伝道のガソリンにしてきたことを考えると、恐ろしくもあります。京都での沖見氏のメッセージを聞きましたが、後半の20分あたりは、彼の考えにこのJDN説とそれをガソリンにしているという伝道思想がかなり深く浸透していることが分かりました。

1840-60年代に確立されたJNDarbyの考えが1900年ごろOxford Univ.Pressから出版されたScofield版KJVに乗ったための悲劇だとしか思えません。
Bassの主張は、カルバンやルターの著作に、この千年王国思想があるかどうかを確認してみろ、というのが主な主張だと思います。明らかにないと思いますので、そのことを虚心坦懐に検証してみる必要があるようですね。

コメントありがとうございました。

2009/11/28(土) 午後 5:19 [ kaw*muk*ih ]

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あと、もうひとつだけ、ここでだけ書いておきたいことですが、このディスペンセーション仮説が、聖書に純粋に従っていこうとする私たちの姿勢の中に埋め込まれているために、知らず知らずの間に、このディスペンセーション説の考え方が正当で使徒の昔からこの考え方があったのだ、という仮説がこのディスペンセーション説とともに広がってしまっていったように思います。教父時代の文章に出てこないことも、これは当時から当たり前であったので書かれてないとかいいそうですしねぇ。
大事なことであれば、書いていたとは思うのですが。ここを忌避することも問題ですが、ここばかりに着目するのもどうかと思います。

思い出したので、書いておきますね。Bassは最初の2章と最終章だけが、私には有効でしたが。ディスペンセーション説を理解するためには、ブラザレン運動の分裂史と結びついているという指摘は面白かったですけれども。これについては、もう少し検証が必要かと思います。

2009/11/28(土) 午後 6:18 [ kaw*muk*ih ]

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>教父時代の文章に出てこないことも、これは当時から当たり前であったので書かれてないとかいいそうですしねぇ。

第二テサロニケ書がそれをふせいでくれると信じます。

2009/12/9(水) 午後 2:47 [ ぷにょす ]

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だといいんですけどね。新しい、根拠のない言い伝えが生き残ることもあるので。

年齢が多い方や影響力の強い方の発言は、発言でそれが真実性をもって受け取られてしまいかねないのが、教理の歴史に弱い我々のグループの問題ではないかなぁ、と思います。

2009/12/9(水) 午後 9:53 [ kaw*muk*ih ]


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