ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

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ヴィクトリア朝の英国は、近代産業社会へ、工業社会への移行期にあたり、英国のあり方が大きく変わった時期でもあったため、独自の雰囲気、あるいは時代の空気があったようです。

ポスト・モダン世界のキリスト教 A E マクグラス著 稲垣久和監訳 教文館 98ページに、

 状況は、大きく変わってくるため、これまでわれわれが経験してきたことは何も将来役に立たないであろうと感じるのです。 中略 私たちは、過去の方がよかったと考える傾向にあるようです。

 こういった態度は、イングランドのビクトリア朝時代に非常に強く見られます。(中略)これは、以前のキリスト教価値観と信念が、ついに覆されるに至っためです。この時代の多くの著作家たちは、自分たちが新しい時代の入り口に立っており、ここから何が起こるのかは、わからないが、古き思考方法は終わりを迎えつつあると考えていました。

という表現があります。

ブラザレン運動が成立・拡大した時代の背景に、一種の虚無的な、過去を美化する傾向が非常に強く見られたようです。これがブラザレンの志向に影響を与えないわけがありません。ブラザレンの人々は、それを否定するでしょうが、間違いなく、この時代の雰囲気はブラザレンの思想や志向に影を落とします。つまり、過去を異様に美化する時代の雰囲気が、その当時の時代と正面きって切り結ぶのではなく、当時の時代に背を向け、自分たちが美化する、美化したいキリスト教会が成立した使徒時代、あるいはブラザレンの成立時期を賛美する雰囲気につながったように思います。

ビクトリア朝時代については、現在、英国史を読みながら、研究中ですが、ブラザレンが成立したビクトリア朝時代には、ギボンが書いたローマ帝国衰亡史(1776)が大ヒットした時代で、非常に懐古趣味の強い、そして英国が衰亡するのではないかという危機意識の中であったことは間違いないようです。ローマ帝国衰亡史が出版された1776年は、大英帝国の植民地であった東部13州がUnited States of Americaを宣言した年であったということも忘れるべきではないでしょう。

これについては、また別途改めて。

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