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Tim GrassのGathering to His Nameの21ページから22ページには、
初期のブラザレンの指導者を3グループに分けて説明しています。
本文を書くと長くなるので、日本語訳だけを載せます。(本文を
ご希望の方がおられたら、コメントでお知らせいただけると、
うれしいです。今後載せるかどうか、検討いたしたいと思います。
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第1は、エドワード・クローニン(1801-82)の周辺のグループで、
クローニン自体は、ローマカトリックから、後に福音派に転向した
人物でした。福音派に転向直後、彼は独立派に落ち着きました。
ダブリンに転居したのが、1826年。そこで、独立派の教会の聖餐式
に参加した時、「一時参加者としてであれば、参加できるのです
が」、といわれたものの、地域のその教会に籍を置かない限り聖餐
式に継続的に参加することはできないと告げられました。クローニ
ンにとっては、聖餐式に参加することは、あるグループに属するこ
とではなく、キリストの普遍的な体という一員であることを、形を
通して表現することである(註:本当は、そうだとは思うんですけどね、
決して、義務とかではなく、あくまで自主的なもの)ということを
確信していたので、クローニンはある教会に籍を置くということは
ありませんでした。彼自身、一人の人間(牧師)が取り仕切る教会
運営のあり方への批判的な思いを持っていたのですが、その思いを
突き詰めた結果、教会に集うのをやめ、少数の友人と個人的にパン
裂き(聖餐式)をはじめたのでした。(註:なるほどねぇ。家庭集会か
ら始めたんですね。)
第2のグループは、国教会の信者と非国教会の信者を含むグループ
です。この国教会の信者と非国教会の信者からなるこの3人は、平日
はクリスチャンのための仕事をし、日曜日には別々の教会にそれぞれ
参加していた仲のよい友人グループでした。この3人の中には、バプ
テスト派の人もいましたし(註:バプテストは、幼児洗礼を原則認め
ない)、幼児洗礼派の人もいました。それでも、さまざまな考え方の
違いをのり超えて、キリスト者の友好関係を維持することができるの
では、と思い何らかの集りをもてないかを願っていた人々です。
(中略)このうちには、後のコンゲルトン卿となるジョン・パーネル
がいたのでした。
べレットを含む国教会に属する福音派(ローチャーチのグループか
な)の何人かも同様の集まりを始めていました。グローブスがダブリ
ンに滞在している間、ベレットの家で滞在していたのですが、べレッ
トの家で開かれていた聖書研究会で国教会の福音派の人々と会い、そ
こでともに、福音を語っていました。ベレットは、トリニティ・カレ
ッジ(註:J.N. ダービーの母校)で学んでいる間に福音派に転向し
た人物です。(中略)
(アイルランドという)ローマカトリックが圧倒的である状況に直
面した場合、教派の違いは意味が無く、グローブスの指導のもとこの
第3のグループが結成されることになったのでした。
(とりあえず翻訳終わり)
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しかし、この辺のややこしさというのはかなり深刻らしく、Tim Grassは
その後で、このように書いています。
For the histrian, the problem multiply once we try to establish how
the three groups come together and who played the more significant parts.
歴史家としては、これらの3つのグループがどのようにして一緒になったの
か、そして、誰が、最も主要な役割を占めたのかを明らかにしようとすると、
問題は格段にややこしくなる。
以上翻訳終わり
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このように、ブラザレン運動自体、ある面、一致を求め、教派の幅を超え
ようとした超教派的な運動という方向性が非常に強かったことが分かります。
これが、分離主義的な方向性を持つようになった背景には、預言解釈の問題
と大会(カンファレンス)での議論のあり方の影響が強かったようです。特
に、分離主義的な傾向は、ブラザレン運動の初期段階でおきたJ.N.ダービー
とB.W.ニュートンのキリストについての考え方、人としてのキリストという
側面(受肉したイエスと罪の問題をどう考えるか、しかし、この辺、神学的
質問で、一応定説があるものの、いろんな理解の仕方があるので深入りした
くない問題ですね。)と、肉体をとったイエスの存在についての考えに関す
る印刷物をめぐる大論争とその結果発生した分裂騒ぎがおきます。結果とし
て、この論争がダービー派(エクスクルーシブ・ブラザレン)と非ダービー
派(オープン・ブラザレン)に分裂する原因となります。現在も、さまざま
な考え方の違いの影響は私たちの間でこだましているようにおもいます。
今回は紹介しませんが、Tim Grassは、一般に思われている常識とは違っ
て、実は、オープンブラザレンの方が、エクスクルーシブブラザレンよりも、
閉鎖的だった可能性がある、ということを指摘していました。これは、
改めてご紹介します。
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参考文献
Tim Grass(2006) Gathering to His Name, Milton Keynes, Paternoster.
ISBN 1842272209
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