ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

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 キリスト者集団(キリスト教の世界)の使徒的性質という

タイトルで、Bassはその著書の46-47ページで概ね次のよう

な主張を展開しています。

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 ダービーの考えの中で比較的初期に現れてくる原則は、真の

教会とキリスト者集団(キリスト教の世界)の区別をしようとし

た考え方です。真の教会は本当に救われた人だけからなり、キリ

スト者集団の中の限られたものだけからなるという立場に立った

考えです。教会的な組織は、組織化させた教会を腐敗させるので、

組織(organization)の構造として教会を描くことは認められない

という立場でもあります。

 この立場に従うなら、組織化された教会はどのようなものでも

信用できないという風にダービーの目には映ったのでした(原注ダ

ービーもその一つとなる組織化された教会を作ったけれども)。

ディスペンセーション主義に内在するキリスト者の一致という精神

は発展していったし、ディスペンセーション説自身、教派を超え、

国家から独立した自由な教会形成と裏腹のものであったのではない

だろうか、と問うことは重要だと思われる。(要約者注:ディスペン

セーション説がいわゆる国家と独立の動きをしようとした自由福音

教会などの福音派の背景の中にしみこんでいることに着目すること

は重要かもしれない、というのが筆者の主張のようです。歴史的に

ローマ帝国以来、国家というものが、教会と国家が裏腹の関係とし

て捉えられてきた結果、「千年王国=国家の組織として位置づけられ

た教会」という理解への背景としてディスペンセーション説が有効

で重要であった、と理解したほうがいいようです。)

 これまで(筆者注:ディスペンセーション仮説再び(7)から(21)

のシリーズ)で紹介した内容の全てに同意しないものの、全体として

ディスペンセーション説の聖書理解に立つ人々はおられると思います。

 これまでの議論は、ディスペンセーション説の概要を把握すること

にあったのであり、その詳細を議論することにあるのではないし、ま

たその説自体を批判するものではないのです。無論、歴史性(歴史的に

主張された経緯)がないからといって、その説が聖書理解として適切で

はないということにはならない。むしろ、現代の教会生活にお

いての意味づけを考えるために、それがどのような影響を持つのか

について考えることをしたいだけである。

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 上のBassの意見には、惹かれるものがあります。ディスペンセーション

説は、教会の国家からの自由独立に確かに影響したでしょう。教会の国家

からの独立は、米国では米国憲法に規定されている通り当たり前ですし、

現代の日本では当たり前です。しかし、それを教会の側や教会を構成する

信者の間で、どの程度認識されていたかとなると、かなり怪しいと思います。

特に、15年戦争期の日本やこの説が出たころの英国、ドイツでは当たり前で

なく、国家からの教会の独立に相当苦労していますし、中世ヨーロッパ世界

ではカトリックと国家との関係は説明するまでもなく深くつながったものが

ありました。だからといって、これらの国家と教会の関係は構成の人間が容

易に批判できない、と私は今は思います。国家と教会のありかたは時代の背

景と環境に対応する中で形成されたものであり、後世の我々が一方的に批判

してよいものではないと思います。もちろん、弊害は弊害として認めるべき

ですが。

 特に、McGrathのChristianity's Dangerous Ideaを読んでいると、それを

強く感じます。

 信者を使徒職との関係でとらえようとする結果、世間的な悪を避けようと

するあまり、政治を世のこととと軽視したり、法律を軽視したり、他者への

寛容を失っている姿があるかも、と思います。そういう意味で、上から目線

な視線を、ダービーの思想は含んでいたように思います。



 Bassが指摘するように、ディスペンセーション説やその周辺の考え方は

国家からの自由独立や超教派的な運動のエンジンになったことは確かであり、

その価値を認めつつ、聖書理解としてどう捉えなおすかという一種の自己

批判を向けていく作業は重要なんだろうと思います。そうでないと、劣悪な

聖書理解のコピーだけが伝わっていくのではないか、という危惧を覚えます。

 このあと、Bassはディスペンセーション説の成立過程に多大な影響を及ぼ

したダービーの人物像について触れていきますが、その大半については、既

に「ブラザレンが目指した革新性」の項目、「オーブンブラザレンとエクス

クルーシブブラザレン」の項目や「ブラザレンの分裂史」の項目などで触れ

たので、ここでは触れません。ただ、その分裂に関連する重要な理解と、ダ

ービーが持っていた教会の概念について複数の箇所で面白い指摘をBassはし

ているので、それを最後に、この連載を終わりたいと思います。

 詳細は次回から2回にわたって触れます。

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