ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

ブラザレンの美点と欠点(1)

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ブラザレンの美点は、聖霊に導かれた集会(教会)運営ということです。その意味で、聖霊の導きを求め、純粋にそれぞれの集会(教会)独自で、集会(教会)運営をしようとしているところです。これは大きな美点だと思います。組織化された教会の場合、どうしても本部からの指導、指示に従って、支部である教会を動かすという側面があり、それが悪影響を及ぼすこと、あるいは各教会の独自性に制約が加わることがあります。ブラザレンでは、各集会(各教会)が独自にその運営方針を決める単立教会として機能します。

各集会(教会)は、牧師という役職をおいていないことが多いですが、場所によっては、宣教師、伝道者と呼ばれる聖書講解を中心に担う役職にあたる方がいる場所もあります。また、牧会者という形で、牧師に近い役割を負担いただいている集会(教会)もあります。ただ、この牧会者、宣教師、伝道者という役割を担っておられる方々は、一部集会(教会)からサポートする場合がありますが、基本的に教会から特定のサポートを受けないというのが、基本的なスタイルです。

実際の各集会(教会)の運営は、長老、執事と呼ばれる代表的なメンバーによる指導の下、長老執事が教会の具体的な指導や意思決定、対外的な交渉、代表としての役割を果たしますが、長老、執事だけの意思だけで運営が決まるというわけではありません。実質的な方針の決定に当たっては、兄弟会あるいは総会と呼ばれる信徒集団の議論の中で民主的に決められることが多いですが、そうでない場合もあります。特に問題となりやすいのが、信者の受け入れ、信者の除名などに関する重要事項、あるいは結婚やその他の個人的事情に関係する諸問題については、信者全体に情報を流すことが適切でない場合もある場合には、信者全体で議論するのではなく、長老執事の中だけで意思決定がなされる場合もあります。そのことが、不必要な誤解を生む場合もまったくないわけではありません。

また、長老執事には、明確な任期を定めていない事例がおおいため、一旦長老・執事になるとその方がなくなるまで、終身職になってしまうことが多いこと、また、明確なリーダーシップ構造がないため、どのように指導していくのか、ということの方針がないまま、場当たり的な対応がとられていくという場合も多数あること、明確な指導方針のなさが現在の社会のあり方に一致せず、混乱が生じているような事例に関するインタビュー結果が、Roots, Renewal and the Brethren, Nathan Delynn Smith, Hope Pub Houseで何事例か紹介されています。

これまでで、ブラザレンの美点と欠点をご紹介してきましたが、美点は欠点にもなりうること、であるとすれば、バランスが取れたものとして運用していくことの重要性はたぶん、強調されても強調されすぎることはない、ということが、Roots, Renewal and the Brethren, Nathan Delynn Smith, Hope Pub Houseの主張だろうと思います。これは意外と難しいのですけれども。

ブラザレンでは、聖霊の導きを重視した結果、Dynamicな運営が行われますが、その反面、何がおきるかが、出たとこ勝負、というところがあります。

プロテスタント系の教会の多くでは、週報というものが配られます。その週の礼拝のプログラムと賛美歌と、その週起きたこと、祈りの課題、その週のイベントなどの集会案内、今後の予定などが記載されたプログラムが配布されることが多いです。

しかし、ブラザレンは、聖霊の導きにより福音を語り、学びを語り、祈りをし、讃美歌を選ぶということになっているので、週報を作ることは聖霊の働きを制約するものとして捉えられがちです。以前にも書いたかも知れませんが、聖霊の働きを重視する結果、福音や学びなどもその場で聖霊が働くので、まったく準備する必要がない、というような考え方も出てきたくらいです。

週報などに代表される一般的な教会の様式性、形式性を否定して出てきたブラザレンですが、ややその否定の仕方、準備の面でも働かれる聖霊のあり方を考えるとき、Dynamismをどう考えるのか、信徒にとっての準備をどう考えるのか、ということのバランスをとるのは、非常に大切ではないか、と思います。

万人祭司主義から導かれる信者の関与

ブラザレンにおいて、信者は単なる傍観者や一参加者ではありえません。ブラザレンで、信者は、参加者であり、実施者であり、実行者です。その意味で、礼拝に主体的に関与する存在、教会活動に積極的主体的に関与し、自ら、教会活動を形作る存在です。とはいえ、それをするのは、もっぱら、男性信者に限られることが多いですが。

聖職者、あるいは専任の牧師、専任の宣教者をおかないことが多いので、教会での聖書研究会の司会だけでなく、講壇にたっての聖書の解釈、講解、福音伝道、そればかりでなく各種の組織運営、各種のイベントの企画、企画調整業務、イベントの実施、評価までします。その上に、献金の管理、運用、土地建物を含めた資産運用も担当します。ですから、まさしく、教会運営のすべてに積極的に関与できますし、関与することが求められます。

こういう教会生活を送るので、一教会員と役員、一教会員と牧師の間にものすごい落差のある教会(大手の教会では、この落差が大きい)であれば、積極的に関与する場が保障されず、なんか手持ち無沙汰の感じがすることがあるようです。

スモールグループでもあれば、それなりの関与ができるのですが、ただ、一般教会員に比べ比較の問題ではありますが、聖書知識がやや多いブラザレンの場合、その場で発言が多くなったり、教えたりするような傾向もあり、それがあまりに目立つと、スモールグループのメンバーから反感を買う場合もあるとは思います。その意味で、一般の教会への定着が難しいのがブラザレンの特徴といえるでしょう。

アリスター・E・マクグラスの「ポストモダン世界のキリスト教」の中に面白い記述がありました。


『多くのピューリタン共同体は、自分たちを「山の上の町」と見ていますが、その関心はその文化に届くよりも彼らの排他性を守ることにあるように思われます。』(稲垣久和 訳 教文館)50ページ 

という表現が出てきます。この表現は示唆的です。ブラザレンは、福音の伝道に熱心ではありましたが、その反面、聖書を純粋に求めていこうとするあまり、できるだけ高い「山の上の町」になろうとしたという可能性がないわけではないと思います。

確かに、高いところにある「山の上の町」は誰からも見えますが、しかし、誰からも見えるというものの「山の上の町」はそこにたどり着くのが大変、そこにたどり着くのは限られた人々である、という側面があるように思います。その意味で、高いところ(純粋性を極めるということ)を目指すことで、意図することなく、排他性を強くしていった側面はないとはいえない、と思います。

ただ、「山の上の町」は、独立性が強く、あるいは孤立性が強くなってしまうため、自分たちがいる場所が下がっているのか、あるいは違った方向に行こうとしているのかの見極めが難しく、特に、霧の中におかれることもまったくないわけではないので、このあたりの舵取りが、教会(集会)の責任者に求められることになるので、教会(集会)の責任者の役割は大きい感じがします。

ブラザレンは、聖書研究を一生懸命取り組みます。非常に聖書に詳しい信者が多いです。そうでもない方も居られますが。その読み方とその聖書理解がどのようなものであるかは別として。そして、毎日のように聖書を読み、聖書から考えます。


そして、男性信者は、日曜日やその他の日に、聖書研究や、伝道メッセージを担当します。そのために聖書研究を聖書だけと聖霊の示し、時にその助けをもちいつつ、行います。その結果、聖書とその理解を深めていくことになります。神学校の生徒や、神学校の卒業生並みと思われる、あるいは、知識や神の理解において、あるいはそれを越えたと思われる人々も時に出てくることもまれではありません。また、深い霊性をもつ方々も少なくはありません。各信者の与えられた賜物にもよりますが。

男性信者は、公共の前で話すことが求められます。また、そのことに慣れてきます。その結果、他の教会にいくと満足できない、ということもあります。というのは、自分なら、このテーマでこう語るということを考えながら聞いてしまう、時に批判的な視点で聖書公開や福音メッセージを聞いてしまうということもおこりかねません。

私自身がそうでしたが、アメリカでよその教会に集っていたとき、時にしゃべりたくなって、会衆の前でお話したくなるときもありました。それは、批判的な視点ではなく、自分に能力があると思うからではなく、神の仕事に関与したい、という気持ちからだったように思います。神の仕事に関与する方法がなくて、ストレスがたまりそうだったのを覚えています。普段の方針のあり方の関与と比べて、自分自身が十分関与できていないというあせりに似た気持ちを持ったという印象があります。

その意味で、ブラザレンに関与した人々は、神の仕事にかかわる何かしたくてたまらなくなるという欠点を持つことにもなりかねません。まだ、十分考えが煮詰まっているというわけではありませんが。

また、改めて、この話をしたいと思います。

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