ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

ブラザレンの政治的志向性

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ある面、ブラザレンは、国教会への分離運動、あるいは国教会離脱した信徒の受け皿組織、という側面があります。その意味で、ブラザレン運動が始まってから当初の数十年間は、国教会が via media の結果、何でもありと批判されかねない部分を持つ以上に、いろいろな人が寄せ集まったような坩堝のような状態だった時期、というのがあると思います。ということは、政治的にも、秩序や権威を重視するようなグループ(ダービーさんとそのお友達、エクスクルーシブ・ブラザレンに分類されることが多い人々)もあれば、反対に、聖霊による自由や弱者への救済の視点をもったグループ(クローニンさんやミューラーんさんのお友達、オープン・ブラザレンに分類されることが多い人々)もあれば、という状態なので、実に多様なのだろうと思います。

また、本部を持たないアメーバ型の組織となっているのが特徴なので、各末端の組織を統括することなんかは事実上不可能なので、一致団結して共和党や保守党を応援しよう、あるいは、民主党や労働党というのはありえないように思います。一応、イギリスとかアメリカの枠組みの中で書いていますね。日本に持っていくと書きにくいので。

ただ、どちらかというと、それぞれ信者さんの生育履歴や職業状態、あるいはその時々直面する政治状況に応じて、お一人お一人、保守党の考えに近いかなぁ、とか労働党の考えに近いかなぁ、というところはあるとは思います。ただ、共産党とはあまり親和性がないので(もちろん、無神論で突っ走った一時の中華人民共和国の政治指導体制や、旧ソビエト連邦の共産党の無神論の立場への反感、反発というのかはブラザレンのクリスチャンには残っていなくはないと思います。)、それ以外については特定の色が全体として付いていないので、それだけ多様性があり、自由度があるということだろうと思います。

前にも触れたかとは思いますが、ブラザレン運動が出発したのは、1840年代、まさしく世は空想的社会主義の萌芽が見られるといってよい時代であることも忘れてはなりません。

当時の社会的背景として、労働組合運動の萌芽があり、消費の民主化を目指したイギリスでの生協活動の出発があり、また、庶民の生活改良運動での、住宅地開発があり、衛生環境の改善があり、社会全体が啓蒙思想とともに社会の改革が目指された時代であったということができます。


その中で、の宗教改革運動としてのブラザレン運動があり、広く一般の信徒が関与できる教会作りを目指した、という意味でその宗教的な理念が保守的であるとはいえ、必ずしも、運動そのものが持つ政治的志向性が宗教右派と同じ保守性を持っているか、というとかなり疑問です。

そういう意味でも、ブラザレン → ジョン・ネルソン・ダービー → 原理主義 → 宗教右派 → ジョージ・ブッシュ一派 という単純な連想ゲームのような構造(分かりやすくていいのですが)とはなっていないように思います。

とはいえ、もう一度ブラザレンを歴史的に大きな目で見直してみると、集会の民主化運動(講壇を独占していた聖職者への反対運動)という側面もあり、ジョージ・ミューラーの孤児院の経営などは、どちらかというとかなりリベラルな運動(宗教左派というのもなぁ)でもあるし、ブラザレンの出発点となった立場には、産業革命を経過したイギリス社会で、飼うもののない羊のようにさまよっているな底辺の人々への暖かいまなざしは確実にあったからです。

この辺、
Coad(1976)A History of the Brethren Movement:
Its Origins, Its Worldwide Development and Its Significance for the Present Day
(私が持っているのは2001年に出版されたりプリント版)なんかの最初の数章にかなり丁寧に書いてありました。また、
Shuff(2006)のSearching for the True Churchや
Neil Dickson(2003) Brethren in Scotland 1838- 2000
の最初の数章にも、このあたりのことが出てきます。

このジョージ・ミューラーや初期の出発点となった人々への弱者へのあたたかい目線は、社会改革運動との密接な結びつきがありますし、ブラザレン自身が、一種の理想主義を掲げて突っ走る点は、リベラルな立場の方、空想的社会主義者との親和性も高いといってよいでしょう。

ブラザレンが、生活パターンが保守的であり、考え方自体が保守的である、というお話を昨日書きました。ある面で、宗教的右派とつながっている印象を与えている、という部分は否定できないと思います。日本のブラザレンを考えたとき、実際は、かなりまだらだとは思うのですが。

確かに、実際にアメリカのブラザレンの教会に行っていたころ、お知り合いになったブラザレンの教会関係者で軍隊の関係者だった方は知り合いに数人いますし、大会の場に現役の兵士(多分、徽章から見る限りは軍曹クラス)が戦闘服(正式の礼服ではなかった)とアーミーブーツで教会に現れる方もこの目で見てしまったので(いた当時が湾岸戦争の名残があった時期だからかもしれませんが)、確かに宗教右派に分類されても仕方がない部分があるかもしれません(分類は、内部の人の目ではなく、外部の人の判断によるので。私自身の手でブラザレン=宗教右派とラベルを貼ることには抵抗がありますが、他者から張られるのは仕方ない部分があるかなぁ、受け入れざるを得ないよなぁ、と思いますし。それは間違っていると主張し、訂正を求めたりすることは無益だと思っています。なぜか、それは人それぞれ見え方が違うから)。

ビリー・グラハム(双子の娘の父のほうのジョージ君やそのお母さんのバーバラさんと近いといううわさがある(回りくどいのは申し訳ありません。))への親和性の高さ、評価の高さも、このような理解を生む素地にはなっていると思います。

お知り合いの方(関西支局長)から、民主党の支持基盤の一つであるSojournersの指導者のジム・ウォリスがブラザレンの家庭で育てられたことを教えられました。調べてみたら、本当にそうでしたね。

関西支局長様、情報提供、どうもありがとうございました。

ということで、アメリカの右派の大統領候補はマッケインで固まってしまったので、いまいちニュースにもしてもらえていないですが、ヒラリー君が意外としばらくがんばってくれたおかげで、わいわいと民主党の大統領候補選出プロセスが取りざたされているので、ちょっとだけ、書いておきます。

しかし、民主党は、コーカシアンアメリカンというバックグラウンドを持つけれども女性であるヒラリーか、男性だけれどもアフリカンアメリカンというバックグラウンドを持つオバマの結構厳しい選択を迫られるところがあり、その面でもおもしろいなぁ、と思います。憲法の建前上は、性別、人種は関係ないはずだけども、皮膚感覚として選択のあり方に影響しかねないだけに、どういう判断になるかは、非常に面白と思います。

基本、ブラザレンは、政治的に中立、または、まだら模様、というのが正確な表現だと思います。これも、他のキリスト教グループでも同じだと思います。ブラザレンの政治的感覚について、これから、おいおい書いていきます。

ただ、ブラザレンは、その運動の出発点でジョン・ネルソン・ダービーが大きな影響力を果たしたこと、ジョン・ネルソン・ダービーの思想が基本的にキリスト教原理主義的な運動の出発点となったこともあり、アメリカの現在の宗教右派、キリスト教原理主義と抜き差しならぬほど関連していると思われる方も少なくないと思います。

これは、ある面そうかなぁ、と思うところもなくはありません。確かに、思想信条的には、基本的には保守主義的です。そりゃ、

服装だって保守主義的ですし(最近は緩んできたとはいえ)、
ライフスタイルだって保守主義的ですし(最近、かなり緩まったので個人的にはうれしいけれども)、
聖書を中心として生きるのだ(昔は聖書に書いてあるとおり、そのありようを文字通り生きるのだ、といっていたような・・・。これもまた、自由度が増してきた)

と主張すること自体、保守主義といえば保守主義といえるわけで、確かに、アメリカの宗教右派と自称する人々と精神構造的の類似度は高いといえば、高いでしょう。

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