ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

炭鉱社会とブラザレン

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Neil T DicksonのBrethren in Scotlandには、炭鉱労働者の話や、石工だった信者の聞き取り調査の結果なんかも出てきます。

基本的に、学歴社会が進行する以前に信者となり、高学歴者が普通でなかった時代に、普通の社会人として生きてきた人たちがあつまって、自分たちが分かることばで、共感することばで福音を伝えたのがブラザレン運動だったわけですから、1950年代までに信者になった方で高等教育を受けた方は、基本的に少なかったわけです。

それと、聖書理解には蓄積が何よりものをいいますから、長生きしている、年齢が上の信者であればあるほど、責任者の候補者になりやすく、また実際に責任者として奉仕しておられたりしました。となると、高等教育を受けていない方々が、教会(集会)の責任者であることが当たり前の時代だったわけです。学歴と信仰は全く無関係なのは、確かにそのとおりですが、責任者に学歴がない場合、「信仰を深めるのに教育はいらない→高等教育不要論」となる場合も皆無ではなく、その点で社会的不適応を起こしている部分もあるようです。

昔は、高等教育を受けていないのが普通、いかに英国が階級社会とはいえ、今では高等教育を受けているのが普通になりつつある以上、高等教育への否定的、あるいは批判的な視線を持つグループというのは、どうしても社会的不適応を起こしやすいのかなぁ、と思います。

普通の人にわかる普通の福音、普通の人が共感できる福音を語ることがブラザレンの美点ですし、その重要性を考えるとき、この部分の重要性をどう考えるのか、をもう一度ブラザレンに問われているのかもしれないなぁ、と思います。

さて、エネルギー革命がおきてからというもの、日本では北炭夕張、三井三池、麻生炭鉱などの炭鉱が閉鎖され、炭鉱労働者自体が失業や産業構造の変化に追随できないことで、不幸な社会現象が日本でも起きました。

スコットランドの炭鉱閉鎖については、Neil T DicksonのBrethren in Scotlandでは、明確に書かれていませんが、ブラザレンの集会にも少なくない影響を与えたと思います。

もともと、スコットランド自体、経済的にイングランドほど発展しているわけではないので、経済基盤自体が弱い状態だったといえますが、さらに炭鉱の閉山などで、経済的な状況が悪化する中で、人口減に見舞われたことも、ブラザレンの教会の人口減につながったように思います。

とはいえ、イングランドでもブラザレン人口の減少と教会数の減少がRoger N.ShuffのSearching for theTrue Churchに記載されているので、ブラザレン人口の減少は単に経済的な影響、とだけはいえないように思います。

ブラザレンは、教会民主化運動のひとつの形態であったというお話をしましたが、炭鉱社会の民主化と並行する形で、炭鉱社会の付近で、ブラザレンの教会を運営し、炭鉱で働く労働者に福音を語ろうとしたなかで、炭鉱労働者出身の伝道者などがおられたようです。

もちろん、肉体労働者としての炭鉱労働者ですから、高等教育を受けている人ではなく、初等教育を受けているかどうかの人々のうちから、炭鉱労働者に向けて福音を語る上で、共通項を持つ立場の人々が共通項を持つ人々にわかりやすく福音を語ることは、高等教育を受けた人には難しかったたろうと思います。炭鉱労働者には、同じ経験と同じ感性を持つ炭鉱労働者が語ることは、重要な意味を持ったようです。

ところで、Rick Warren のPurpose Driven Churchには、Rick Warrenが若い時代にトラック運転手のための教会を一時的に任されたことがあることが書いてあり、自分には合わなかった、という正直な告白がされていました。その意味で、共通経験を持つということは福音を伝えるうえで、重要な役割を果たすように思います。

それと同じように、同じ経験を持っている炭鉱労働経験を持つ伝道者というのは、石炭産業さかんなりしころのイギリス、スコットランドにおいて、非常に重要な意味を持ったものと思います。

炭鉱社会が、勤労環境、労働環境に関する問題を抱えており、それが、産業民主化への問題意識とつながったことをお話してきました。

それが宗教環境で展開されたのが、ブラザレン運動の一側面という気がします。要するに、教役者(牧師・司祭)による話が、一般の聴衆の心に響かない、福音が届かないなかで、自分たちの言葉で、自分たちの仲間にわかる言葉で、わかりやすく福音を伝えようとしたところが、ブラザレンならではの特徴だろうと思います。講壇を、普通の信者に公開した結果、聖書学校で学んでいないものの、福音をつたえる、という意味であれば、わかりやすく伝えたことは価値があることだとは思いますし、民主化が進められていった当時の社会の風とも一致していたように思います。

その意味で、ブラザレン運動は、教会民主化のひとつのあり方を模索した運動だといってよいと思います。


ところで、1920年代当時のウェールズの教会(国教会)の雰囲気を駆りカルチュア化しているという点はありますが、「ウェールズの山(The Englishman Who Went up a Hill But Came Down a Mountain)」という映画は、当時の英国の雰囲気がよくわかります。私は、この映画を地理学の勉強の一環で知ったんですが。

炭鉱社会は、いろんな運動の出発地となっています。

有名なところでは、生協の共同購入の出発点となったのが炭鉱だったりするわけです。

というのは、当時のイギリス社会では、勤務地は炭鉱、ものを買うとしても、炭鉱運営会社が経営し、独占的なお店で、非常に高い値段で買わないといけない、という状況への対応として、生協の共同購入の下となる運動が始まっています。

また、さらに、炭鉱での労働条件の改善として、現在の労働基準の基礎となっている年少者の労働禁止や1日8時間制、週休二日制などの基本的な労働環境がストライキなどの労働争議を通して獲得されていきます。

その意味で、勤労社会の民主化の出発点となったのが、炭鉱という社会だったといってよいように思います。

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