ブラザレンについての諸断章

このブログは、プリマスブラザレンに関する個人研究の成果なんかを書いています。所属集会(教会)の公式見解ではありません。

ブラザレンの発展史

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Tim GrassのGathering in His Nameの中pp.163-164から

Doctrial Disctinves(教理上の特徴)のうち、義認論につい

ての記載を紹介しながら、考えてみたいと思います。

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Justification in the Risen Christ(あげられたキリストにあ

る義認論)はエクスクルーシブブラザレンの伝道者のCharles

Stanley(1821-1888)によって書かれたトラクトである。彼の関心

は、通常の福音派の教理では、律法の重荷が信者の背中に

重く乗っていることにあった。Stanleyは、「ある人々は律法を

守っているゆえに律法を破るものも正しくするという意味で、

神が正しい」という考え方に強く反対した。Stanleyは聖書は、

義認に関して罪の赦し(pardon)を教えているばかりでなく、

積極的な義認を示しており、キリストの正しさが我々を覆う

というよりは、これはキリストのうちに結び付けられることに

よるものであるとした(Newtonが要約した表現によれば、

神が義認は、キリストの内に結び付けられることが、我々

の正しさの基盤にあるからである)。Stanleyの理解によれ

ば、我々の生活の中での罪は、十字架の上で廃棄され、

律法による断罪書も実施されたからである。キリストの復

活は、信者に完全な正しい状態をもたらし、それゆえに我

々が義認されるのである。律法ではなく、復活のキリスト

にある義が信仰者の生活の規範となり、その義が信者の

うちにあることで、義とされるという理解であり、これは、の

ちのエクスクルーシブブラザレンの教役者たちにも引き継

がれていった。Neatby(A History of Plymouth Brethren, 

London Hodder & Stoughton, 1901, p. 230 )によれば、

「ブラザレンの神学は、しっかりとしたものではあるものの

穏健なカルバン派的な考え方であるが、3つのバリエーシ

ョンがあり、それは義認についての違いから発生している。

ダービーはローマ人への手紙に書かれている神の正しさ

を説き、神の人格的な正しさを説くものの、神が与えるも

のや神からの義の贈与としての義としては述べなかった」

Neatbyの主要な関心は、ダービーに向けられているが、

オープン・ブラザレンでも、このような教理が保持されたあ

る。最も影響のある具体例は、RobertAndersonの著書

The Gospel and its Ministryでは、このような論旨が展開

されている。

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こういった義認の考え方の多様性は、確かに現在のブラザ

レン派の人々の中にも見られるものと言ってよいと思います。

個人的には、Stanleyの考え方に近いかもしれません。とは

いえ、個人的には、律法が完全に無効だ、ということの理解

には立っていませんが。個人的には、律法が完全に有効で

はないと思いおり、律法を完全に守っているわけではありま

せんが、律法の精神ということの大切さを重要視しています。

まぁ、ブラザレン派自体、包括組織も形成せず、ブラザレン

派の信徒にとって共通理解となるような教理問答集や信仰

告白のようなものを作らず、様々な多様性のある解釈の幅

を持った信仰者集団であるように思います。また、Grassの

指摘のように、Darbyの影響は、このような義認論に限らず、

様々な面で出ており、Darbyの存在というか、影響力の大き

さ、ということがいまだに影響していることを感じます。

Tim GrassのGathering in His Nameの中pp.163-164からDoctrial

Disctinves(教理上の特徴)のうち、The Person and Work of Christ

についての記載を紹介しながら、考えてみたいと思います。

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キリストの人間性についてのあまり重視しないという傾向は、このグ

ループでの考え方の大きな違いの原因となっていった。1861年ごろ、

Mackintoshはレビ記講義の初版本の中で、キリストの人間性は、我々

のような人間性ではなく、天における人間性であると、あまり適切とは

いえない表現をしたことにより、混乱が生じた。この結果、Mackintosh

はDarbyやその他の人々から離れ、混乱を避けなければならなかった。

Open Brethrenの中で、Mackintoshの本はよく読まれたが、この説を支

持する母体がOpen Brethrenの集団の中で、形成された。この背景には、

Irvingの所説であるキリストが人間の罪ある性質を取ったということへの

反発があると同時に、キリストの完全な神性への否定に対抗するため、

そのような考えを持つ人々を説得するためにMackintoshの所説が必要

とされたからである。

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人であり、神であるキリストをどう説明するか、についても時代背景の

影響があるように思います。Grassは詳しくは書いていませんが、当時

の神学的流行として、キリストの人間性の強調があったように思います。

神学的な潮流として、人間中心主義が流行していたこともあるので。そ

の結果、神としてのキリストという部分が軽視され、それに対する対抗

措置が必要になったのではないか、その時にキリストが神であることを

どのように説明するか、という必要に迫られ、キリストを説明しようとす

る試みが、さらに分裂の原因となっていった状況を感じ取ることができ

ます。

このように細かなところまで、かなり根をつめて議論しようとするところ

は、大陸の自由主義神学との対決をかなり意識した結果ではないか、

と思うのですが、それがもとで分裂が生まれていったとすると、ちょっと

複雑な気持ちになってしまいます。

Mackintoshがオープンブラザレンで受け入れられていく背景になった

のは、この時代のブラザレン系の著者であるだけでなく、神秘主義的な

傾向の強い、IrvingやDarbyとの対抗関係があったということのようです。

Darbyとの対抗関係が、ここでも、Open Brethrenの聖書理解の形成や

その集団形成に深い影を落としているのではないか、ということを考え

ると、ちょっと複雑な気分にならざるをえません。

Tim GrassのGathering in His Nameの中p.163からDoctrial

Disctinves(教理上の特徴)のうち、The Person and Work of

Christについての記載を紹介しながら、考えてみたいと思います。

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Bethesda事件(Open Brethren とExclusive Brethrenの分離の契機

となったNewtonのキリストの性質についての教理上の混乱に関する

事件)からあまり期間を置かないうちに、Exclusive Brethrenでは、

Darbyが1858年から59年と1866年にthe Bible Treasuryで公表した

キリストの苦しみに関しての様々な意見が併存したことによる問題

が生まれた。Darbyはすべてのブラザレン関係者に、標準的なキリス

トの贖罪の教理として次のことを受け入れいていることを公刊したこ

とから、この混乱が生じた。Darbyの考えとは、「祝福された主への捧

げものとしてキリストご自身の存在があり、キリストこそ神の前に全く

欠陥のない捧げものであり、キリストは死にいたるまで従順であり、ご

自身のからだを十字架に架けられたとき、我々の罪を負ってくださり、

我々のために罪あるものとなった。ご自身が犠牲になることで、そし

て我々の代わりとなることで、そして怒りの杯を受けることで、キリス

トは神に栄光を帰した」という考えであった。キリストは罪人の手の中

におかれるという苦しみを受け、罪ある者の身代わりとしてのカルバリ

での苦しみのほかに、Darbyは第3種の苦しみ、すなわち、ユダヤの残

りの者の罪に対する神の支配に関する怒りのうちに入ったという主張を

行った。このことが、キリストの贖罪の働きの基本教理を 明らかにする

とDarbyは考えたが、この考えはニュートンが持っていたような考えであ

り、即ち、キリストが神の怒りを受けるに相当する状態(罪ある状態)にあ

ったとする考え方と彼の考えを明確に区別することができると考えてい

たのであった。

これに関する反応は様々で、ChapmanはNewtonの考え方も、Darbyの

この考え方を持つ人々のいずれの人々とも交流することを拒否し、Hallと

Dormanは、Newtonの誤りをDarbyがもつということでこのDarbyの所説に

反対し、そのことを論証しようとしたが、結果として失敗した。この結果、

かれらは、Darbyから離れていくことになった。

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こういう結局聖書から結論が出ないところの細かい部分とはいえ、キリ

ストの贖罪論と深い関係にある基本教理の部分での混乱から、そもそも

は幅広い信者からなる、緩やかなコーパス・クリスティ(キリストのからだ)

としての一致を目指そうとした運動の関係者が四散していく姿を見るとき、

わからないことは分からないこととして、いったん保留して、というような

英国人の多くが持っている独特の気質とは違うものを見るように思いま

す。それは、Darbyやブラザレン運動の関係者に、スコットランド人やア

イルランド人でも気性の激しい人々が多いことがあるからなのかなぁ、

と思ってしまいます。とはいえ、この運動を始めた人々の中に、穏健な

アイルランド人が多いのもまた事実なのですが。

ところで、キリストの贖罪論が信仰の基礎と直結する部分と深く関係す

るだけに、このような議論は先鋭化しやすいのかもしれません。このよう

な議論を見ながら思うのは、キリストの犠牲がややこの運動の関係者の

礼拝では強調されている部分があることや、どこまでも、ユダヤの残りの

ものということへの関心で、キリストを捉えようとするところが、少し特殊な

考えではなのかなぁ、と思います。社会全体に、どことはなくシオニズム

の影響が強かった時代であることの影響を見てしまいます。以前にも書

いたのですが、Darbyは神秘主義的な傾向の強く、英語で書かれたもの

や英語で話された内容であっても、同時代の英国人に理解するために

Kellyのような通訳の役割をする人がいるほどの人なので、この種の混乱

を引き起こす原因となった可能性が高いように思います。


Tim GrassのGathering in His Nameの中p.162からDoctrial Disctinves

(教理上の特徴)についての記載を紹介しながら、考えてみたいと思います。

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このような(キリスト集会の資産を保護するため構築された)トラストを

形成する上で、信条が書かれた背景にあるものは、これらの土地な

どの信託財産が福音派的な理解やオープン・ブラザレンの特性を理

解しない人々の手に落ちないようにするためであり、このために、基

本的な理解が書かれたと思われる。Western Countyの信託文書で

あげられたのは、以下の信仰の基本理解である。

■聖書が、霊感を受けたものであり、それに権威があり、それが十分

信頼に足るものであること


■神の三位一体性

■受肉と十字架上での死、復活、昇天、神の再臨

■人間が罪あるものであること

■聖化と回心について、聖霊の働きが必要であること

■信仰義認と新生の必要性と、その後の聖なるものとしての

生活と良い働きがあること

■死後に霊的な意識を伴う状態があり、死者の復活があり、

永遠の刑罰と永遠の天国の存在があること

■信者としてのバプテスマが公のもとで行われ、バプテスマ

後は、毎週の聖餐式に参加すること

■生活の面でも信仰に立脚していることが確認される信者か

らなる聖餐式

■聖霊の導きに基づく礼拝式が行われ、キリストが主であるこ

とに関する建徳のためのすべての賜物が集会内で分かち合

われる儀式であること

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こう、網羅的に書かれると、確かに反論の余地がないくらい

ブラザレン関係者の聖書理解や、信仰生活理解の要約に

なっているように思います。

人それぞれの重点の置き方が異なったり、経験や信仰歴

においてそのウェイトが変わったりすることはあるものの、

ブラザレン諸派での聖書理解という点においては、見事な

要約と言ってよいように思います。

ただ、ポイントとしてはそうなのですが、聖餐式の参加者

の資格として、「生活の面でも信仰に立脚していることが確

認される信者」というところで、引っかかる部分がないとも

言い切れません。この部分の判断が人(責任者)により、時

代により、そして国情などにより違ってきていたりするので

すが、ある面、この判断の部分が、伝道の離陸段階では、

どの国においても巡回伝道者などの判断に負うところが

多く、どういう状態であれば、「生活の面でも信仰に立脚し

ていることが確認される信者」と判定されるかに関しては、

曖昧であり、その判定基準は、かなり属人的、時代背景

依存的、社会環境依存的であるようです。

いまでは、信じられませんが、1970年代には、やや

長髪(長髪というのは死語ですが)や髪の毛の色を染め

ている信者、あるいはミニスカートやTシャツ姿で聖餐式

に現れる信者がいれば、その信者のところに責任者が行

って、ご忠告を受けるか、「ともに祈りましょう」と誘われ、

庵に、そのスタイルがまずいという形での指摘を受ける

ことが見られたようです。現在でも男性の成人の信者が

Tシャツ姿やアロハシャツ姿で聖餐式に参加することや、

夏場ネクタイなしに参加することが大冒険や勇気ある行

動になるキリスト集会(教会)もないわけではないと思い

ます。まぁ、このあたりは文化的な要素も含むので、

今後、変わっていく可能性も大きいとは思っていますが。

私個人は、いまだに聖餐式には、Tシャツ姿やアロハシ

ャツ姿で行ったことはありません。あまり似合わないと

いうのもありますし。ネクタイなしは、最近、エコサマー

キャンペーンということで、実施していますし、一般の

参加者に教会がカジュアルな姿で入りにくいところだ、

ということを思っていただかないためにも、ネクタイなし

ということも考えないわけではありません。

Tim GrassのGathering in His Nameの中pp.161-162からDoctrial

Disctinves(教理上の特徴)についての記載を紹介しながら、考え

てみたいと思います。

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 1851年の宗教調査の報告書には、この運動の特徴として、『救い

についての基本的な真実を実際に持っている、唯一の教会にとっ

ての真正(true)のメンバーのみからなるという点において、信者が

相互認識される』集団であるとして取り上げられている。この時期

以降、繰り返し基本教理として受け取られたのが、基本的真実

(essential truth)であり、非国教会の諸宗派において、リベラル派

の進学がその影響力を増していく中で、ブラザレン派は、その基本

的な真実への強い傾倒から、ブラザレン以外の教会の中に共感

する人々を獲得していった。Rendle Short教授の「Open Brethren

と呼ばれるキリスト者の原理」(1913)と呼ばれたベストセラーは、

そもそも、ブラザレンの次の世代の人々に集会が基礎としている

教理を示そうとするために書かれた書物である。同書の中には、

キリストが神であることや、聖書の権威性、聖書から考えること、

福音、バプテスマなどが述べられ、毎週(信者が自由に参加でき

る形で)聖餐式をすること、按手礼の否定、神をまじめに信じる人

々のみが聖餐式に参加できるといったオープン・ブラザレンの特

性の説明がその後続いた。彼自身の自分たちの考えを語ろうと

する問題意識や彼の学生の関心に沿うように、同書の章建てが

なされていたものの、彼の考え方は、標準的なものではないとは

言えない。

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ここでふれられている、Rendle Shortは外科医でもあり、ブリスト

ル大学医学部で教えていた人物のようです。彼自身は、

InterVersity Fellowshipにも深く関与していたようです。この

InterVersity Fellowshipには、ブラザレン派では、F.F.Bruceも深

く関与しています。ところで、「Open Brethren と呼ばれるキリス

ト者の原理」(1913)という本は、Pickering & Inglisから出ているよ

うですが、現在は絶版のようで、日本では、この種の本へのアク

セスが困難であるだけに、内容が非常に気になるところです。

ただ、すべての神を信じる信者の参加が可能である聖餐式が特

徴の一つとしてとらえられていたことということは、非常に重要な

要素ではないかなぁ、ということを感じます。このような本が書か

れ、ブラザレンの特徴として語られた背景には、Exclusive

Brethrenの人々との対立がもたらした重大な問題意識が隠れ

ているような印象があります。

ある面で、リベラル派への対応としてブラザレン以外の中に共

感する人々を獲得していったというのは、ある面、福音派が独自

の聖書理解についての形成をしていったということの背景と深い

ところでつながっているように思います。


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