地銀はリスクを取れるか
金融庁は地方銀行に対し地域にリスクマネーを供給する、きちんと貸し出しができているか一斉に点検するそうです。
融資先の財政状態を極度に気にしたり担保や保証を不必要なほど要求したりしていないかどうか調査するとのこと。
これによって企業に融資が行き渡るようにし地域経済の活性化を推進していくことを目指しているようです。
銀行もバブル崩壊以後は非常に厳しい状況に置かれたため不良債権を抱えずに済むよう安定的な財務状態の企業に絞って、かつ、業績が悪化した場合に備えて速やかに債権回収できるように担保や保証を要求しているわけですがこれがなかなかうまくいきません。
そもそも財務内容が安定している、差し出せる担保があるような企業は自力で資金調達することもやろうと思えばできるわけで金融機関からの融資は特に必要がないことがしばしばです。
一方で融資が必要なところはお金がないから必要なわけでそういう場合は貸借対照表もあまりいい状態ではなく差し出せる担保もないといった状況です。
そしてそんな状態では金融機関も融資は行わないものです。
このため地域の必要なところにお金は回らず地域経済も銀行も衰退へと向かっているのが現状なわけです。
こういった背景があって金融庁は地方銀行に対して財務内容より事業の将来性を重視して融資を行うよう促していくようですが事業の将来性を評価するというのはなかなか難しいものがあります。
地域全体が過疎化している状況で将来性のある事業を展開するのは相当難しく既存の事業で東京など他の大都市の他、海外に進出する、ネットを使って全国展開する、大企業も手掛けていないような革新的な製品・サービスを開発する、などのことをするのが必要になってきます。
それをはたしてどう評価したらいいでしょうか。
またいくらリスクをとるとはいっても日本ではすでにペイオフが解禁されておりもしも万万が一にも銀行が破たんすることがあれば1000万円以上の預金を預けている預金者にリスクが生じます。
そのリスクを最小限にするには貸倒を最小限に抑えることが必要になります。
リスクをとりつつ財政状態がよくない、差し出せる担保がないところに融資を行うには貸借対照表だけでなく損益計算書やキャッシュフロー計算書を分析するほか予算を作成して将来性を評価することになりますが現在の財務諸表を作るのはともかく予算となるとこれもなかなか計画通りにはいかないものでやはり将来性の評価は難しいです。
そしてリスクの高い状態で融資を行うには貸倒に備えて貸出利率を多めに設定することが重要になってきますがそれをしたらしたで融資先の負担が重くなります。
いくらリスクをとれとはいっても間接金融の銀行はリスクをとりにくい業態なだけにやはり限界があります。
それでもリスクマネーを地域に供給するのであれば直接金融、融資でなく債権でなく返済義務がない出資という形にした方がよいのではないかと思います。
もっとも直接金融となると支配権の問題も絡んでくる、会計監査が必要になったりする、など色々あるのでこちらもこちらで難しくはありますが…。