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一週間ほど前、朝、ラッキーの散歩で我が家の前を流れる鳴瀬川の堤防を歩いていると、200mほど下流の浅瀬でアユが産卵していた。我が家の前で産卵行動が見られるのは何年ぶりだろう。以前は毎年観察できたのだが。
朝方産卵するのは珍しいことだが、どんよりと薄暗い天気だったせいかもしれない。
その後雨が降って水位が上がった。今度はサケが遡上してきた。我が家から2kmほど下流には頭首工があって、そこの魚道を上れないでいたのが雨で一気に通過したのだろう。
「ナガラ」を立てて回遊するのがよく見える。
今は亡き祖父が「サケは上から五寸、マスは下から五寸」と言っていたのを思い出した。
泳ぐ層のこと。サケは表層を、マスは底層を泳ぐことをあらわしている。
今朝になってまた水位が下がった。サケは相変わらずトロ場を回遊している。先週アユが産卵していた浅場には別の群が来ていた。前回はかなり大型のアユが3ヶ所に分かれて産卵していたが、今朝見たアユは小ぶりだった。群ではあるがまだ密集していない。産卵行動に移るのは数日後か。
淡水魚の産卵生態に関する本や論文では、サケとアユの産卵はかち合わないことになっている。産卵場とする川底の砂利の大きさが違うからだという。大雑把にいうと、サケの産卵は底石の径が3〜5cmの所がよく、アユは径1cm前後のところがよい。だからサケとアユはかち合わない。
だが現実は違う。サケは産卵するために、産卵床というスリバチ状のくぼみを作る。大きさは径50cm〜1mくらい。尾ビレで掘り起こす。掘り起こされた砂利で周囲はこんもりと盛り上がる。特に産卵床の下流側に広くできる。この盛り上がった砂利のところにアユが卵を産む。サケによって掘り起こされ、いわゆる「浮き石」状態になるため、アユはわざわざ自分で作る必要がない。
このことは、アユとサケのいる川が多い東北では以前から知られていて、決して珍しいことではない。
しかし、学術的な場では知られていなかったらしい。
以前、魚類生態で解らないことがあるといつも質問させていただいていた東大海洋研のS先生に、電話で伝えると、「ほ〜、そういうことがあるのか、知らなかった。それは面白いな」とおっしゃっていた。
去年、中新田の袋地区で見た時は、幅5mほどの細い分流で、まさにサケとアユが入り乱れて産卵していた。
あれは圧巻だった。
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